気ままに

大船での気ままな生活日誌

”江戸の東海道と大正昭和の東海道”展 in 由比

2011-02-12 18:30:50 | Weblog

由比といえば、旧東海道は、蒲原と興津の間の宿場町。そこに静岡市東海道広重美術館がある。どこかで、表記の展覧会のちらしを手に入れ、どうしても行きたくなった。広重はもともと好きだし、加えて、これまたぼくの好きな、大正新版画の川瀬巴水が競演するという、願ってもない展覧会だった。

期待した通りの展覧会で、一緒についてきたワイフも川瀬巴水フアンになってくれた。新橋にある渡辺木版美術画舗(大正新版画の仕掛け人、渡辺庄三郎の子孫)所蔵のもので、前後期合わせて、45点もの巴水作品が並ぶ。馴染みの、芝増上寺、馬込の月など、そして、東海道風景選集として、日本橋(夜明け)から始まり、地元の静岡県各所を中心に、彦根城の残雪までつづく。加えて、京都の嵐山、清水寺もみることができる。

”巴水ブルー”がぼくは好きで、今回の展示の中でも、”東海道・日坂”なんか初見だとおもうけど、気に入った。夕暮れの宿場町、こぬか雨が降っている。子供をおぶり傘をさして歩く母親。夜道の水溜りに家屋の窓からもれる灯りが影を落としている。”名古屋堀川”、星の夜、静まりかえる家々。一軒だけ灯りがともっている。川面にその影がうつっている。”京都清水寺”、清水の舞台の端にひとりの男の姿が。眼下の京の町をみている。

そして雪景色も。”三十三間堀の暮雪”。銀座通りと歌舞伎座の間を流れていた堀。雪といっても吹雪だ。屋根に雪がつもっている。”尾州半田新川端”雪中の河岸を歩くご主人さまに連れ添う犬。夕暮れだろうか、雪はまだしんしんと降っている。(今回、図録を売っていなかたので、絵ハガキをいくつか買ったのを下に示します)

そして”大正昭和の東海道”編は、静岡出身の伊藤孝之と土屋光逸の作品も10ほど展示されていた。いずれも巴水風であったのは面白かった。

そして、”江戸の東海道 歌川広重”が前期は15点ほど。いずれも、保永堂版。大好きな、”蒲原/夜の雪”は後期展示でみれれなかった。蒲原は隣りの宿場町。旅に出たら地酒(その晩も浜松の酒を飲みました;汗)。だから、蒲原/夜の雪も地元で観たかった。”芝増上寺の雪中の図”、”高輪月の景”、そして地元、”由井 薩埵嶺”(ゆい さったとうげ)、”吉原左富士”等の”地酒”(笑)も楽しめた。

その日は、家康公の駿府城跡の公園にも行ってきた。余は満足じゃ、の静岡一日目だった。そして、二日目は、芹沢介美術館、そして棟方志功展をやっている静岡市立美術館へも行った。これらも、またとても良かった。明日以降、報告したいと思います。

後期展のも入っています。

京都清水寺

尾州半田新川端

三十三間堀の暮雪

 

 

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北鎌倉の雪景色

2011-02-12 11:33:19 | Weblog

朝、起きたら、雪はやんでいたが、ベランダから見下ろすと、家々の屋根が雪で覆われていた。よし、今朝の散歩は北鎌倉の雪景色だ、と即座に決め、まだ、ぐーすかしているワイフに黙って、そっと、家を出た。大船から一駅、3分で北鎌倉駅に着く。早速、ホーム沿いに建つお宅の屋根に積もる雪と紅梅が迎えてくれた。

まず、東慶寺に向かった。山門に雪がかかり、いい風情を出していた。もちろん、まだ開門していないので入れないが、山門から覗いた、梅並木や鐘楼前の雪景色もゆかしく、俳句の上手な人ならすぐ一句浮かぶだろうなと思った。山門前の漱石・連れしょん(爆)の碑の、横の梅の木にかかる雪も、気持ち良さそうに朝日をあびていた。(いや、すぐ消えゆくわけだから、悲しそうに、というべきかな)。

そして、浄智寺へ。今回、一番のお目当ては浄智寺の山門からつづく鎌倉石の石段に積もっているはずの雪景色だった。しかし、なななんと、だった。あの、歳月を感じさせる、へこんだ石段の雪はすっかり溶けていて、普段着の姿をみせているだけだった。それでも手前の池の橋には残雪があり、それなりの風情だった。そして境内を覗くと、楼門の屋根とその向こうの木々はうっすらと雪の衣装をまとっていた。

浄智寺界隈に小津安二郎も住んでいたが、この辺りには落ち着いた感じの家屋が多い。雪景色が似合う。そして、源氏山の登山口がすぐそこにある。ちょっと滑りそうで、こわかったが、中腹まで登ってみた。雪道や雪をかぶる木々がうつくしい。ときどき、雪がぱらぱらと落ちてきた。

源氏山を下りて、今度は明月院に向かった。ここは門をばっちり締めているので、中をうかがい知ることができない。しかし、近くの茅葺の家や、庭の山茶花の花や庭木などに、かかる雪がやさしい気持ちにさせてくれる。家々の向こうにみえる雪山も、普段とは違う姿をみせてくれた。

途中、”今どこにいるの”とワイフから電話が入り、せっかく詩人モードになっていたのをぶちこわされてしまったが(爆)、今年一番の朝散歩だった。

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