逃げる二月の尻尾を追って、恵比寿から青山辺りを散歩した。途中に山種美術館のKAWAII展と根津美術館の清麿展も入れてある。と言うと、分かる人にはすぐ分かる”美術館通り”。ぼくがこの道を歩くのは二度目になる。はじめのときは、道を間違えないようにと、脇目もふらずだったが、今度は脇目ばかり(汗)。
恵比寿駅近くの富士そばで腹ごしらえして、さて出掛けようかと、向かいの商店街に目を向けると、入口に巨大な花菖蒲らしき花のオブジェが。何故、恵比寿に花菖蒲か。根津美術館にカキツバタなら分かるけど。でも、謎は解けた(それはあとで)。

そして、山種美術館に向かって歩く、方向音痴をますますおかしくさせる曲がりくねった歩道橋を渡って、先を行くと、今もって謎の実物大の黒いダビデ像。

そして山種。逃げる二月、去る3月2日の展覧会だったので、大盛況。もっと早く来ておけばと後悔。でもKAWAII絵がいっぱいでにっこり。若冲の屏風もみたしと満足して外へ。しばらく歩くと、脇目もふらなかったときは気付かなかった、緑地が前方に。有栖川公園の端かな、なんて思い近づいてみると、警備の方が二人も。簡単には入れそうになさそうだ。尋ねてみると、常盤松御用邸とのこと。常陸宮さまのお住まいだと、あとで知った。

そこから、塀沿いに少し歩くと、渋谷区郷土博物館・文学館があることを警備員さんから聞く。途中の道のタイル絵で、なるほど、と思う。さっきの答えが出た。花菖蒲は渋谷区の花だったのだ。

渋谷区郷土博物館・文学館では企画展”絵図・地図で読み解く渋谷”展。常設展も面白かった。今は高級住宅街の松濤は、昔は”松濤茶園”だったんだって。どこかでみた写真だなと思ったら、横浜イタリヤ山の”外交官の家”だった。そういえば渋谷の内田邸を移築したんだっけ。国木田独歩も与謝野夫妻も三島由紀夫も渋谷に住んだんだって。そうそう文芸評論家・奥野健男の書斎が再現されていましたよ。建物の前の中国原産の白松にはみとれてしまった。内田治氏のご厚意により寄贈されたとあった。あの外交官の家の子孫ではなかっぺか。

そして、元の本通りに戻って、先に進む。すると工事中の建物の囲いに、ぼくが1月に観てきた京都の相国寺承天閣美術館の応挙展のポスターが。なんでこんなところにあるんや、と捜査した(汗)。ぐるっとまわって、工事案内プレートをみつける。なんと、相国寺東京別院方丈客殿の新築だった。そうだったんだ。それでぼくは、ひょっとしたら方丈の襖絵は松井冬子が描くのではないかと思った。先だっての冬子トークで、たしか都内の寺院の襖絵を描くと宣言してたから。もし、そうだったら、”美術館通り”にはぴったりだけどね。

そして、岡本太郎記念館。いつも休館だったりして、一度も入っていないが、今回も改装中でダメ。ほんとうに縁がない。そこから少し歩くと、根津美術館。名刀、清麿展を観て、庭園でゆっくり。


閉館近くまでいて、表参道を原宿駅まで歩く。途中で”かわいい展”も。
動くぬいぐるみワンちゃん。

大女だけどかわいい

KAWAII展にも出ていた谷内六郎

逃げる二月のしっぽの街散歩。陽気もよく、なかなか楽しい散歩でしたよ。それに比べて、春三月だというのに、今日はなんていうお天気でしょう。 でも、歩けば、必ずサプライズがあるから、今日もこれから出かけるノダ。