小さな展覧会シリーズ第二弾です(笑) 。 1月末に、都美館で松井冬子のトークショーを聞いた。そのとき、京都の染織の方と共同で着物の制作をしていて、春に発表会があるということを知った。冬子ならきっと素晴らしい、コワイ柄(汗)になるだろう、と楽しみにしていた。たとえば、松園の”焔”の着物柄、白地に、清楚な藤の花にからむ不気味な蜘蛛の巣のような。冬子の名作にもある、藤の花とスズメ蜂をモチーフにするとかね。
六本木ヒルズのアートのお店に、その展示場はあった。帯匠 誉田屋源兵衛 × 畫家 松井冬子展 。
片や、京都室町三条で、280年の伝統を誇る帯匠・誉田屋源兵衛十代目、山口源兵衛。そして、片や、うつくしい顔してコワイ絵を描く、人気画家の松井冬子。二人のコラボ。冬子手書きの着物や冬子の絵を織り込んだ袋帯などが十数点、並んでいる。
さて、蜘蛛の巣模様は?スズメ蜂模様は?残念ながら、いずれも、ありませんでした。でも、近いものとして、蟻髪図の着物が。たくさんのカワイイ蟻んこが髪の毛にたかっている文様(汗)。でもこわさはありませんよ。ひとつだけ、ちょっと、コワイと思う人がいるかもしれないナと思ったのは、蛇の上半身が骨になっている蛇文様の袋帯だったか着物だったか。
そのほか、テーマは、”かさぶた図”、”髪図”、”腑分け図:頭髪”、”鶏頭図”などと、冬子風だが、実際の文様は抽象画みたいな感じで、いずれも、怖くて着られないというものではない(笑)。
ここで一番の作品は、冬子手書きの打掛、”従順と無垢の行進”だろうか。水の上に墨をたらして、自然に拡がったたような文様。金色裏京紅の背景に黒で描かれたものだ。なかなか良かった。2500万円の値がついていた。実際、着るというより、装飾用になりそうな感じ。
先のトークで都内の寺院で襖絵も描きはじめている、とも聞いているので、それも、楽しみ。おそらく、今回の文様を発展させたような、抽象水墨画になるのではと予想しているのだが、どうだろうか。
六本木ヒルズの巨大蜘蛛と東京タワー
旅先の大阪からの投稿です。二日目は、アベノハルカスと四天王寺なとを回り、安宅コレクションを堪能。