大船フラワーセンターからの帰り道、柏尾川沿いを歩いていると、突然、ゴーンと鐘の音が。ひととき置いて、またゴーン。大船観音さまの山の方から聞こえてくる。時計を見る。14時46分だった。そうか、東日本大震災が起きた時間。鎮魂の鐘だ。ぼくは、すぐに、一分間の黙とうに入った。その間、さらに、いくつかの鐘の音が鳴る。
今朝から、なんとなく落ち着かず、いつもは朝方に済ます、ブログ記事もなかなか筆が進まなかった。途中で放り出し、外に出た。自然とフラワーセンターに足が向かった。ワイフから玉縄桜が見頃になっていると聞いていたから。たしかに、玉縄桜はじめ、春の花々が一斉に咲きはじめてきていた。
そこで、しばらく、のんびりしてからの帰路、前述の鐘の音に遭遇したのだった。不思議なことに、鐘の音を聞く直前まで、大震災のこと、とくに原発事故のことを考えていた。どうして、あんな不完全な技術を、よりによって世界一の地震国に導入したのだろうか。そのころ、積極的に推進していた「大政治家」の顔や、知っていて、知らんぷりしていた「大科学者」の顔を思い浮かべ、悔しくなっていたところだった。
2万人を超す犠牲者を出し、まだ、26万人の方が避難されているという。ぼくが、できることは、ただ祈るだけだ。
たまたま、その時間帯に、大船の観音さまの前を通り、鎮魂の鐘の音を聞くことができ、かつ、お祈りできたのは、幸運だった。ありがとう、観音さま。今年、節分に参加したご利益かもしれないと思った。
フラワーセンターには、春がやってきていた。