気ままに

大船での気ままな生活日誌

ルードウィヒ 

2014-03-07 09:39:15 | Weblog

岩波ホールで過去、上映された、”エキブ・ド・シネマ”の作品が、今、鎌倉市立川喜多映画記念館で次々と上映されている。ぼくもワイフと一緒に、歴代動員数1,2位という、”宗家の三姉妹”と”八月の鯨”をすでに観ている。そして、昨日は伊・西独合作映画、”ルードヴィヒ”を観た。

”地獄に堕ちた勇者ども(69)””ベニスに死す(71)”に続き、近代ドイツの歴史を描いた、ルキノ・ヴィスコンティ監督の”ドイツ三部作”の最後を飾るもの。1972年の作だが、日本で公開されたのは、なんと8年後の1980年、岩波ホールで、であった。

この映画は当初、4時間版であったが、配給会社から3時間に短縮され、さらに140分にされた。それが1980 年ヴェネツィア国際映画祭のときに4時間版に戻されたという経過がある。ただ、その後、フィルムの修復が行われ。今回上映されたのは、ルードウィヒ(完全復元版)である。

さて、4時間の物語。現在のドイツの南部(ミュンヘン辺り)を領土としていたバイエルン国王、ルードウィヒ2世の、18歳で即位してから、”精神錯乱”を理由に王座を追われ、謎の溺死をするまでの話である。美貌のルートヴィヒは美女より美貌な男が好き。一方、従姉であるエリーザベト(オーストリア皇妃)への思慕もある。政治より音楽が好き。宮廷にワーグナーを呼び寄せるが、逆に利用され、浪費させられる。金に糸目をつけず、夢のような城をいくつも建設する。孤独を好むルードウィヒ2世の理知と狂気が幾層にもわたって描かれる。

ルードウィヒを演じるのは、監督がこの俳優しかいないという、ヘルムート・バーガー。エリザベートには、ロミー・シュナイダー。そして、憎々しげなワーグナーには、トレヴァー・ハワード。いずれもぴったり役にはまっていたという感じ。重厚な歴史映画であった。

昨年、ワーグナーの生誕200周年にあたり、ドイツ映画界が約20億円の製作費で作りあげた、同名の作品が日本でも昨年末から上映されているという。チャンスがあれば、是非、観てみたいものだ。

ルードウィヒが造ったノイシュヴァンシュタイン城。ぼくも行ったことがある。当時は浪費だったかもしれないが、現在ではドイツの重要な観光資源になっている。

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