こんばんわ。
コロナ明け、最初のかまくら銀幕上映会の映画は、レディ・マエストロ。世界初の女性指揮者となったアントニア・ブリコ(1902-1989)の物語。監督・脚本マリア・ペーテレス。キャストはクリスタン・デ・ブラーン、ベンジャミン・ウェインライト、スコット・ターナー・スコフィールド。2018年オランダ制作。
ポスターに”キャリアも富もコネクションもない。彼女にあるのは、音楽への情熱だけ”のコピー。それも、ピアニストとかバイオリン奏者ではなく、指揮者になりたいという。当時、女性の指揮者はひとりもいないし、音楽学校で習おうという女性さえいない。
1926 年のニューヨーク。オランダからの移民家族の娘、アントニアはナイトクラブでピアノを弾いて稼ぎ、音楽学校に通い始める。だが、ある“事件”から退学を余儀なくされ、引き留める恋人を置いて、アムステルダムからベルリンへ。
有名な指揮者の演奏を間近で聞くため、強引に通路に椅子を持ち込み、聞き入るアントニア。これがきっかけで退学させられる。このシーンは最終盤で元恋人によって再現される。
このときの名指揮者の紹介で、女性に指揮を教えてくれる師と巡り合う。厳しいレッスンに励むアントニアだったが、実は2歳のころ買われていたという出生の秘密が明らかになり、両親との別れ、結婚か音楽家の道かで悩み、結局、恋人と別れ、相変わらずの世間の女性指揮者への激しいバッシングなど、次々とアクシデントが襲い掛かるのだった。
そして、指揮者としての腕を上げ、とうとう難関を突破し、ベルリン交響楽団の指揮者として念願のプロデビューを果たす。好評を博し、次々とヨーロッパで演奏会を成功させる。女性初の指揮者誕生!
そして、いよいよ米国へ進出。困難を乗り越え、ここでも、女性指揮者として喝采を浴びる。そして、念願の女性ばかりの楽団を設立。初演はルーズベルト大統領夫人も出席するなど大成功を収める。この成功は、実はすでに家庭をもつ元恋人の隠れたサポートに依るところが大きかった。当初、このコンサートに出席しないはずだった元恋人も駆けつけ、満席だったので、正面通路に椅子を持ち込み、アントニオが指揮する演奏を聞き入るのだった。
この映画では、以下の名曲を聴くことができる。これもこの映画の楽しみのひとつ。
マーラー「交響曲第4番」
ドヴォルザーク「ロマンス」
バッハ「オルガン・コーラル」
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第32番」
ビゼー「オペラ《カルメン》~ハバネラ」
ドビュッシー「夢」
ストラヴィンスキー「火の鳥」
ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」
最終章を飾るのは、エルガーの”愛の挨拶”
ロンドン交響楽団"愛の挨拶"(エルガー)
とても、いい映画でしたよ。
カルガモ日誌(24)午後3時頃遭遇。どうも、子鴨、全員が親離れの指標、滝越えを成功させたようですよ!子供たちは全員、自信満々の顔で、得意そうに、羽を拡げたりしていた。親鴨も安心した表情。これで、明日からは別々行動になるカモ。
羽を拡げ、自信満々の様子の子鴨。
親カモも、もう離していいカモね、と安堵の表情。
では、おやすみなさい。
いい夢を。