12月16(日)~17日(月)
2ヶ月ほど前、横浜のボケさんからお電話をいただいた。
彼女は亡くなった父の従妹だが、子供の頃から家が近く、
私達と年が近いので、こちらの方がまるで従妹のような感覚だった。
「あのね、お母さんの卒寿のお祝いを皆でしたいと思ってるの。
熱海で16日に花火大会があるから1泊でどうかしら・・・」
もちろん、二つ返事で快諾。
ボケさんの父方の従兄妹の二人も一緒にいらっしゃるとのこと。
この4人兄妹も幼い頃は近くで暮らしていた。
当日、新横浜から新幹線に乗り、熱海で待ち合せ。
の送迎バスでホテルに着くや否や、ホテルの保有する
東京ドーム6個分のハーブ&ローズガーデンへ。
世界で一番大きな盆栽の前で
恋人でもないおじいちゃん達が遠慮しながら鐘を鳴らし
「 いつ来ても人がいっぱいで出来なかったの。」と嬉しそうに、
海まで飛んで行きそうな勢いでブランコをこぐボケさん。
3人の子供達を育て、両親の世話をし、
父親を80代、母親を96歳で看取って、
さらに長男夫婦と同居、
孫の世話も手伝い、親戚の人達皆に声を掛けて、
あれこれ気を遣ってくれる・・・
すばらしい人柄の彼女がなぜ「ボケさん」なのか・・・
彼女の娘さん二人が
「お母さんって、本当に天然ボケね!」と言ったことからだった。
ハーブ園の上から紅葉の終わった山々、冬の花や実などを見ながら
下りて来て、またホテルのバスで数分、それぞれ7階の部屋に落ち着いた。
部屋に入るや否や、 窓の外にたくさんのカモメがいきなり近づいてきた。
初めは偶然近くにいたのかと思ったが、そうではなかった。
部屋の中の人をしっかり確認して、近付いていることが分かった。
なぜなら、しばらく驚きながら見ていたら、すぐにいなくなり、
次に、テーブルの上の煎餅の袋を取り上げたら、
また、ワ~~~ッと近付いて来たのだ。
夕食はすばらしいピアノ、バイオリン、チェロの生演奏付きで
しかも途中で母の卒寿や、数人のお誕生日のお祝いの方々の紹介もあり、
驚いたことにボケさん御夫婦も、もう結婚45周年とのこと。
とても楽しく、おいしく、和やかな雰囲気だった。
夕食後は自分達の部屋からすばらしい花火大会を楽しみ、
(残念ながら私のカメラでは上手に写せなかった)
夜遅くまで昔話に花が咲いた。
戦後の貧しい世の中で、親達の世代は本当に大変だったに違いない。
懸命に生きて来て、今は穏やかな日々を送っているが、
今日があるのは、お互いに思いやりを忘れずにいたからこそ。
今日、ここに参加出来なかった人達からも
母は全員のメッセージをいただいた。
その時、涙をぐっとこらえていたのは、ボケさんの御主人だった。
皆様、本当にありがとう。
娘の私からも心からお礼を申し上げます。