3、 21世紀、これからはアジアの時代といわれています。
私たちの住む日本は、アジアの東北部に国土があり、周辺諸国には世界人口の60%が住んでいます。
日本は明治に入りヨーロッパ、アメリカ、ドイツから良いところを取り入れて国を発展させようと考えながら「絶対主義的天皇制」という国民の願いからみて最悪の制度を取り入れ、世界大戦を経て、一度国を滅ぼしてしまいました。
大戦後の復興においても日米安全保障条約(軍事同盟)の下で、アメリカの言いなりの同盟者として、アメリカが押し付ける範囲内での復興と国づくりが進められてきました。
戦後70年間も過ぎているのに国中に米軍基地と原子力発電所が乱立する事態となり、あわせてアメリカにものが言えない関係が続いています。
早く軍事同盟をやめて、アメリカとは対等平等の立場で平和友好条約に切り替えなければなりません。
しかし、この間アジアの国々では独自の発展を遂げ、アセアンに結集する国々では、それぞれが平和友好条約で結ばれる国際関係を構築し、平和的に経済発展を遂げてきています。
私たちが、身近なアジアに目を向け、アジアの一員としてその役割を果たしてこそ21世紀に正しく生きる道筋が開けると思うのです。
今からでもアジアの人々に対する過去の誤った侵略戦争を謝罪し賠償責任を果たし、アジアの人々と力を合わせて平和なアジアを創らなければなりません
2013年には、日本、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、中華民国、ロシア連邦で新体制が始まりアメリカではオバマ大統領が再選され、新しい変化が期待されていました。
京都に住んでいる私たちが、その先頭にたち、日本と朝鮮・韓国・中国との友好を発展させるために、たゆまぬ努力をしていきたいものです。その中にこそ明るい新しい未来を切り開く展望があることを確信しています。
天皇ですら、毎年誕生日を前に恒例となっている記者会見において、「日本と韓国との人々の間には,古くから深い交流があったことは、日本書紀などに詳しく記されています。韓国から移住した人々や、招へいされた人々によって、様々な文化や技術が伝えられました。・・・」との発言によって、 奈良・京都の都づくり・「都市計画」を指導したのは朝鮮の土木技術者だったことを知り、昔からの日朝関係が知りたくなったという方も増えてきています。
1980年、一年間に韓国へ渡った日本人は、約50万人、2000年には、約247万人、2011年には約330万人でした。韓国から日本に来られた人は、1980年は約15万人、2010年244万人、2011年は地震の関係で約166万人となっています。2013年はマスコミの北朝鮮バッシングで入国者が減ってきています。
理由はいろいろだと思いますが、韓国ドラマが面白い、俳優も感じがよい、そうして、撮影した現場を見にいくツアーも人気がある。民主化闘争の歴史や、日本帝国主義の侵略の実態とその抵抗の歴史も見たい、東アジアの平和構築のためには、韓国・朝鮮を知らなければならないと考える人が増えてきました。
現在、竹島(独島)問題や「慰安婦」問題も解決していませんが、これからのアジアと世界の平和のために、日本と韓国・朝鮮は、どうすればよいのか? 冷静に考えてみたいと思うのです。
世界の中で、日本と朝鮮は一番よく似た「親戚」の国です。
朝鮮民族は、中国・日本と同じ漢字の国でした。古い文章は、漢文で書かれていました。歴代朝鮮の王様は、中国王の承認が必要でした。日本でも江戸時代以前は、よくにた関係が残っておりました。また、朝鮮語は、主語、述語、助詞や動詞等の並び方が、日本語と同じです。日本と同じ言葉も多くあり漢字を見れば意味が分かります。
テレビドラマを見ていたら「安心・暗示・暗記・宇宙・環境・催促・市民・趣味・審査・民謡・目標・目録・約束・予算・余分・連絡・論理 」など は発音も意味も全く同じでした。
朝鮮では15世紀前半に「ハングル」が創られるまでは、全て漢文だったのですが、多くの国民はお金がなく子供に勉強させることが出来ず、大人になっても字が読めませんでした。
したがって、悪徳地主などに「この書類に印鑑を押せ」と強要されても書かれている内容が理解できず、押印し財産を没収されたり、ときには命をとられることがありました。ドラマ「大王世宗」に当時の民衆の暮らしが詳しく出てきます。
李氏朝鮮の第4代国王「大王世宗」テワンセジョン(在位:1418年 ~ 1450年)が、「政治は国民のためのものだ」と多くの改革に取り組み、文字もつくりました。
漢文は、すべてを理解すれば少ない文字で多くのことを表現できますが、専門的な知識がいります。誰でも読めて意味がわかる文字、日常国民が使っている言葉をそのまま発音どおり表現できる文字「訓民正音・ハングル・チョソングル」をつくったのです。
ハングルは喋る声を発音記号にし、一定の法則で表わされています。現在文字は、子音14、母音10、計24でその組み合わせです。それで英語の発音記号・子音24、母音42に見合う文字もすべてそろっています。文字の発明以降、「政治は国民のために」行われるように徐々に変っていったのです。
また、この王様は、天文台を作り、朝鮮の暦を作り、(当時は中国の暦を使っていた)いつ種をまけばよいか、収穫はいつ頃になるのか、労力はどれだけ必要かわかるようになり、農産物の収穫を増やすための工夫をしました。
そんな昔にある程度の天気予報が出来るようになったというのです。また、「医学書」「朝鮮音楽の楽譜」もつくりました。その上「火薬兵器」をつくり国防に備えました。
外交においても対馬との政治和解を成功させ、釜山と二つの港を開港して対馬との自由貿易を奨励、推進しました。これらの技術を総合的に活用して国づくりを進めたのでした。韓国で非常に尊敬されている王様で、現在ソウル特別市の徳寿宮、光化門に銅像が建てられています。
日本は、朝鮮や中国から文化を学び、朝鮮の進んだ文化に興味を持っていたのに、なぜいま、日本人は韓国・朝鮮にあまり興味がないのでしょうか。 嫌いな国になったのでようか?
これからも嫌いな国だと言って無関心のままでよいのでしょうか?
アジアの中の日本人として、どう考え、どのようにお付き合いをすればよいのか、このことについてもご一緒に考えましょう。
