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「全国市民オンブズマン福岡大会」で福岡に行っていたのですが、
昨夜、間一髪でぶじ帰ってきました。
「のぞみ」と「ひかり」はすでに運休。
山陽新幹線は、わたしたちの飛び乗った「こだま」が最後。
台風に追いかけられながら乗り継ぎ、の綱渡りはスリル満点(笑)。
次からは、「博多~広島」間がすべて運休でした。
そういえば、福岡の地震の日のときも、わたしが乗った後の「のぞみ」が、
線路上に何時間も立ち往生してましたっけ。
帰宅したら『世界日報』の、12日から16日までの連載、
特集「『ジェンダー図書撤去』はなぜ起きたか」全5部が届いていました。
(1)は8月26日の集会の記事(9/12)です。
【「焚書坑儒」と騒ぐフェミニスト 非公開から一転、県が書名公開】
紙媒体の「世界日報」ははじめて読みました。
全文を紹介すると著作権にも抵触しますので、
連載の結びの部分だけ引用して紹介します。
【『ジェンダー図書撤去』はなぜ起きたか(5)】
暴走のDNA、“基本法”に健在
除去し、不毛の対立に終止符を
・・・・・・・・・・・・・
だが、今回の一連の騒動の本質は、男女共同参画推進員の指摘が不適切であったとか、県の対応がまずかったという次元の問題ではない。男女共同参画社会基本法に埋め込まれた「暴走のDNA」(昨年5月の自民党の「過激な性教育・ジェンダーフリー教育に関する実態調査プロジェクトチーム」のシンポでの阿部晋三幹事長代理の発言)こそ、今日の混乱や対立の元凶なのだ。
これに歯止めをかけるため、自民党は先の第2次基本計画改定時に「ジェンダー」に関する注釈を付けた。言ってみれば応急措置のようなもの。
だが基本法にはいまだに「暴走のDNA」は温存されているのである。これにメスを入れない限り、今後も各地で不毛の混乱・対立が展開されるのであろう。
福井での騒動は、そのことを改めて実証した事件であった。
(鴨野守) =おわり=
(世界日報 2006.9.16)
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9.22追記
上記の「世界日報の」引用記事中、「暴走のDNA」と書くべきところを、「暴走の遺伝子」と打ち間違えて今日まで記事をアップしていました。執筆者の鴨野さんから間違いを指摘されましたので、お詫びして訂正させていただきます。(みどり)
やっぱり!
かれらのねらいは「男女共同参画社会基本法」改廃のようです。
「現地で取材した」と書いてありますが、
わたしのブログネタがけっこうあるみたい・・・?
執筆者はひょっとしたら常連のお客様かな(笑)。
自民党PT(プロジェクトチーム)と「基本法」については、
信濃毎日新聞の「月曜評論」で上野さんも言及されていますので、
以下に、全文を紹介します。
【月曜評論】(信濃毎日新聞)
「ジェンダー」への介入 上野千鶴子
日本各地で男女共同参画行政への揺り戻し(バックラッシュ)が始まっている。
今年の1月に東京都が国分寺市の人権講座の講師にノミネートされたわたしに、「ジェンダーフリー(社会的・文化的な性差の解消)という用語を使うかも」というだけの理由で介入した国分寺市事件。この3月に、千葉県議会が県女性センター設置のための条例案を否決して、同県内の3館が事業停止に追い込まれた千葉県議会事件。そして4月に発覚した、゛福井県焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)事件 ゛・・・。
福井県のケースは、県生活学習館「ユー・アイふくい」の開架書架から、ジェンダー関連の図書153冊が撤去されたという事件である。そのなかに、わたしの著書が共著も含めて17冊も入っていた。市議らの抗議によって書籍はもとに戻ったが、その後も書籍リストの情報公開をめぐって福井県の迷走が続いた。
* *
自民党が「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」をつくったのが2005年。官房長官に就任する前の安倍晋三氏が座長、現男女共同参画、少子化担当政務官の山谷えり子氏が事務局長を務めた。全国から3500の実例が集まった、というが、その大半は根拠の薄弱な伝聞情報。それにもとづいて「ジェンダーフリー」を使わないという内閣府の通達を引き出し、はては「ジェンダー」という文言の削除を要請するにいたった。
第20期の現日本学術会議には、「学術とジェンダー」の課題別委員会があるが、すでに世界的に確立した学術用語である「ジェンダー」に対する政治的な介入に警戒を強めている。山谷氏に至っては、「無償労働」や「家族経営協定」も不適切と主張している。「家族経営協定」とは、農家の嫁の無償労働の経済評価を求めて、戦後各地の農村ですすめられてきた 家族の民主化運動の目標ではなかったか。
一部には男女共同参画社会基本法の改廃をめざす動きもある。基本法は99年に国会で全会一致で可決されたもの。前文には「21世紀の我が国社会を決定する最重要課題」とあるのに、数年のうちに起きたこの揺り戻しは何だろう。
* *
ポスト小泉の総裁レースは安倍氏独走と言われている。靖国参拝をめぐって安部氏のタカ派ぶりが争点になっているが、彼の政治姿勢に危惧(きぐ)を持つのは外交についてばかりではない。女性に人気があるといわれるソフトな外見の背後に、保守的な家族観がある。氏のブレーンと言われる中西輝政、八木秀次、西岡力氏らは、保守系論壇誌の常連執筆者で、「日の丸・君が代」を推進し、「慰安婦」を否認する「新しい歴史教科書」づくりに関係した人たちだ。
歴史のなかには「一歩前進二歩後退」の例がいくらでもある。この30年、女性を取りまく状況は大きく改善した。今の若い女性は、あたりまえのように大学に進学し、企業で働くことを人生の選択肢のうちに入れ、結婚したからといって退職を強制されず、セクハラを受ければ告発する権利を持っているが、どれも先輩の女性たちが苦闘のなかから手に入れたものだ。既得権と思っているものも、闘って守らなければたやすく失われる。女性が元気になることを、喜ぶ人たちばかりではない。
「女は台所にひっこんでいろ」と言われる時代がまた来るかもしれないと思えば、今度の総裁選のもうひとつの争点は「ジェンダー」だということを忘れないでいたい。
(うえの・ちづこ 東大大学院人文社会系研究科教授)
(2006.9.4 信濃毎日新聞)
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ところで、
今日はこれから、
上野千鶴子さんの『生き延びるための思想』(岩波書店)の読書会。
今年は「む・しネット」の自主企画「プロジェクトe」。
そのココロは、
「本を読むのはecstasy」。
ほんと、めちゃしびれます(笑)。
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