みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「なぜ?」を大切に~憲法記念日に考える/抗議に屈した自治体-茨城講演会キャンセル

2008-05-04 21:29:45 | 市民運動/市民自治/政治
今日は朝からなにか熱っぽくて、
連れ合いが、母がくるからと薪ストーブをどけたり、
ベッドが置いてある奥の部屋を片付けたりしてくれてたので、
わたしも掃除をしようと思ってたのですが、
昼から、寝てしまいました。

頭も痛かったので血圧が高いのかもと思ったら、
逆に低くて、99/59でした。

ということで、昨日、写してきた「ナンジャモンジャ」の記事をアップしよう
と思っているうちに、もう夜が来てしまいました。


岐阜大学前の並木

テニスの決勝戦をしている長良川メモリアルセンター


で、今日は、もう一つ書きたかった記事にして。
「ナンジャモンジャ」の記事はあらためて紹介しますね。

----------------------------------------------
昨日は「憲法記念日」。
新聞各紙が特集を組んだりしていたので、
とっている5紙を興味深く読みました。

その中の、毎日新聞の特集「憲法を考える」に、
つくばみらい市の講演会キャンセル事件が取り上げられていました。

もう一つ、印象に残ったのは、中日新聞の社説、
【「なぜ?」を大切に 憲法記念日に考える】です。 

ほかにもよい記事があったのですが、この二つを紹介します。

特集:憲法を考える 「ねじれ」で改憲熱冷め じわり危機、表現の自由 
毎日新聞 2008年5月3日

一切の表現の自由を保障した憲法21条が揺らいでいる。圧力や暴力がなくても、反対や抗議の前にいとも簡単に集会などを「自粛」したケースが最近、相次いだ。自由な言論は民主主義の根幹だ。三つの現場から、自粛が広がる時代の危うさを考えたい。
 ◆憲法21条【集会・結社・表現の自由、通信の秘密】
(1)集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
(2)検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ◇抗議に屈した自治体--茨城講演会キャンセル 
 今年1月、茨城県つくばみらい市がドメスティックバイオレンス(DV)をテーマにした講演会を直前に中止した。DV防止法に反対する団体の抗議を受けたのが理由だった。
 講演する予定だった東京フェミニストセラピィセンターの平川和子所長は「面倒な講師は呼ばないという風潮が行政に定着するかもしれない」と集会、表現の自由を縛りかねない事態を危惧(きぐ)する。
 市は1月20日「自分さえガマンすればいいの?」と題して、DV被害者支援に取り組む平川所長に話してもらう計画だった。
 ところが「平川氏の講演会を公費で開くな」と開催中止を求める抗議文やメールが100通以上届いた。同月16日には「DV防止法は家族を破壊する」と反対している市民団体「主権回復を目指す会」の西村修平代表ら3人が市庁舎前でハンドマイクを使って抗議。市はこれを受け、中止を決めた。「反対派が会場に入って混乱を招く恐れがあった」と市側は説明する。
 中止の余波は周囲に広がり、同県つくば市の県立茎崎(くきざき)高校はデートDVについての市民団体の出前授業を「入試前の混乱を避けたかった」として中止した。
 平川所長は「DV防止法が改正されたばかりだったのに。被害者支援の大切さを伝える場を失ってしまう」と嘆く。その後、自治体などに招かれて講演すると、担当者から警備は何人必要か、などと聞かれるようになった。「日本中に事なかれや面倒という考え方がはびこると、みんなで(言論を)規制し合うことになってしまう」と話す。
 講演会の開催を求めて、つくばみらい市に2月に要請書を出した上野千鶴子東京大大学院教授(社会学)は「脅しに屈して計画をやめるという自主規制が広がっている。どこかで止めなければ」と警戒する。
 一方、反対した西村代表は「反対意見を述べさせるよう求めただけだ」と釈明したうえで「日本は言論の自由があるから、講演会をやめさせることはできない。抗議すると役所が自粛するムードはよくない」と逆に市に批判の矛先を向けた。
 新潟県長岡市は1月27日、平川氏の講演会を予定通り開いた。抗議は受けたが、会場に配置する職員を増やし「内容にいろいろ意見があるのは当たり前。爆破予告とか具体的な危害が及ぶ可能性がなければ中止する理由はない」と答えた。
 つくばみらい市は「今年度はどうするかまだ検討していない」と話すだけだ。【原田啓之】
(毎日新聞 2008年5月3日)



【社説】「なぜ?」を大切に 憲法記念日に考える 
中日新聞 2008年5月3日

 日本国憲法の規範としての力が弱まっています。現実を前に思考停止に陥ることなく、六十年前、廃虚の中で先人が掲げた高い志を再確認しましょう。
    ------------------------------------------------
 昨年七月、北九州市で独り暮らしの男性が孤独死しているのが発見されました。部屋にあった日記に生活の苦しさがつづられ、最後のページには「おにぎりが食べたい」と書いてありました。
 男性はタクシー運転手をしていましたが肝臓の病気で働けなくなり、四月まで生活保護を受けていました。病気が少しよくなり、福祉事務所の強い指導で保護を辞退したものの働けず、にぎり飯を買うカネさえなかったようです。

 忘れられた公平、平等 
 全国各地から生活に困っていても保護を受けられない、保護辞退を強要された、などの知らせが後を絶ちません。憲法第二五条には「すべて国民は、健康で文化的な生活を営む権利を有する」とあるのにどうしたことでしょう。
 国が抱える膨大な借金、将来の社会を支える若者の減少など、日本は難局に直面しています。しかし、最大の要因は弱者に対する視線の変化でしょう。
 行き過ぎた市場主義、能力主義が「富める者はますます富み、貧しい者はなかなか浮かび上がれない」社会を到来させました。小泉政権以来の諸改革がそれを助長し、「公平」「平等」「相互扶助」という憲法の精神を忘れさせ、第二五条は規範としての意味が薄れました。
 リストラでよみがえった会社の陰には職を失った労働者がたくさんいます。「現代の奴隷労働」とさえ言われる悪条件で働くことを余儀なくされた非正規雇用の労働者が、企業に大きな利益をもたらしています。
 年収二百万円に満たず、ワーキングプアと称される労働者は一千万人を超えると言われます。

 黙殺された違憲判決 
 安い賃金、不安定な雇用で住居費が払えず、インターネットカフェや漫画喫茶に寝泊まりしている人が、昨年夏の厚生労働省調査で五千四百人もいました。これは推計で実際はもっと多そうです。
 憲法には第二五条のほかに「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」(第二七条)という規定もあります。
 「なのになぜ?」-ここにもそう問いたい現実があります。
 「戦力は持たない」(第九条第二項)はずの国で、ミサイルを装備した巨船に漁船が衝突されて沈没しました。乗組員二人はいまだに行方が分かりません。「戦争はしない」(同条第一項)はずだった国の航空機がイラクに行き、武装した多国籍兵などを空輸しています。
 市民の異議申し立てに対して、名古屋高裁は先月十七日の判決で「自衛隊のイラクでの活動は憲法違反」と断言しました。「国民には平和に生きる権利がある」との判断も示しました。
 しかし、政府は判決を黙殺する構えで、自衛隊幹部の一人は人気お笑い芸人のセリフをまね「そんなのかんけえねえ」と言ってのけました。「判決は自衛隊の活動に影響を及ぼさない」と言いたかったのでしょうが、「憲法なんて関係ねえ」と聞こえました。
 イラク派遣反対のビラを自衛隊官舎に配った東京都立川市の市民は住居侵入容疑で逮捕され、七十五日間も拘置されたすえに有罪とされました。団地の新聞受けにビラを静かに入れて回っただけなのに「他人の住居を侵し、私生活の平穏を害した」というのです。
 ビラ配布は、組織、資力がなくても自分の見解を広く伝えることができる簡便な手段です。読みたくなければ捨てればいいだけでしょう。それが犯罪になるのなら憲法第二一条が保障する「表現の自由」は絵に描いたモチです。
 これでは、民主主義にとって欠かせない自由な意見表明や討論が十分できません。
 国民から集めた税金で職場にマッサージチェアを設置したり豪華旅行をするなど、「全体の奉仕者」(第一五条第二項)である公務員による私益優先のあれこれが次々明るみに出ました。
 長い間に「主権在民」(前文)が無視されて、主権在官僚のようなシステムを組み上げられてしまったのです。
 憲法は政府・公権力の勝手な振る舞いを抑え、私たちの自由と権利を守り幸福を実現する砦(とりで)です。

 国民に砦を守る責任 
 憲法を尊重し擁護するのは公務員の義務(第九九条)です。国民には「自由と権利を不断の努力で保持する」責任(第一二条)、いわば砦を守る責任があります。
 その責任を果たすために、一人ひとりが憲法と現実との関係に厳しく目を光らせ、「なぜ?」と問い続けたいものです。
(中日新聞 2008年5月3日)



おまけのナンジャモンジャ。

ではまた。

写真をクリックすると拡大。その右下のマークをクリックするとさらに拡大
人気ブログランキングに参加中 
応援クリックしてね
 
 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする