中国大地震の救援金受付について 2008/05/13 日本赤十字社は、5月12日に発生した中国四川省の地震については、 多数の被災者が発生しており、国際赤十字と連携して 積極的に被災者の救援を行うこととしています。 このたび、本災害の被災者に対する救援金の受付について 以下のとおり実施いたします。 1.救援金名称 「中国大地震救援金」 2.募集期間 平成20年5月14日(水)から平成20年6月10日(火)までの約1カ月間 3.救援金受付口座 ●郵便振替口座のご案内 ・口座番号 「00110-2-5606」 ・加入者名 日本赤十字社 ・通信欄に「中国大地震」と明記して下さい。 ※受領証の発行を希望の場合は、その旨を通信欄に記載して下さい。 ※郵便局窓口での取扱いの場合、振替手数料は免除されます。 |
【社説中国・ミャンマー/天災が映す国情読み取って 天災は平等である。大国も小国も、先進国だろうが途上国だろうが、逃れることはできない。天災は国家を選ばない。 被災の度合いと復興の速度は、不平等である。 隣り合わせの国が同じ災害に見舞われたとしても、それまでの防災システムの組み方や、政府の事後の対応によって、市民生活への打撃、立ち直りに大きな違いが生まれてしまう。 中国の四川省で発生した大規模地震は、既に死者1万人を超えた。大型サイクロンに直撃されたミャンマーは、国連の推計では死者・行方不明者10万人に上っている。 なすべきことをしてこなかった、あるいはしようとしない為政者の不作為による被害の拡大。天災にはそんな「政災」の側面が必ず映し出される。 国としての備えと復旧への取り組みが、被害の広がりにどれだけ影響したか。他国の事情を読み取りながら、自国の「政災」を最小限に食い止める仕組みづくりに思いを寄せたい。 12日に発生した四川大地震の被災地からは、さまざまな建物の崩壊の様子が伝わる。中でも午後の授業中だった学校の映像は痛ましい。 中学校の7階建て校舎が倒壊して生徒約2000人の半数が生き埋めに。そんな情報が相次ぐ中、現地の住民から「手抜き工事があったせいだ」との声が上がっているという。 損壊した建物は300万戸を超えるとされる。一般住宅の耐震性については、どんな政策が取られてきたのか。国の耐震基準が定められていたとして、地方の施策展開にきちんと反映されていたのか。 北京五輪の成功という国家の威信をかけた目標が、3カ月後に迫る。中国政府は温家宝首相を被災地での指揮に当たらせるなど、危機管理対応の素早さを印象付けようとしている。 被災地の復興、市民生活の再生に、実際にどれだけ力を注ぐのかが問われる。「もはや聖火リレーどころではない」。大都市との格差にあえいできた現地のそんな声をどう聞くか。農村部の不満が国際社会に届くためらいを超えて、各国の支援をどう受け入れるかも注目しよう。 2日に大型サイクロンの襲来を受けたミャンマーの軍事政権が、当初発表した死者数は三百数十人だった。その後、3万人以上と修正したが、国連推計との落差は大きく、意図的な過少集計を疑う指摘も出ている。 世界食糧計画(WFP)によると、75万人に食料を届ける必要があるというのに実現の見通しは全く立っていない。政権が現金や物資は受け入れても、国連も含めた救援機関職員や非政府組織(NGO)の入国を拒否しているからだ。 国家は生活破壊を放置する。国家は民衆を捨てさえする。ミャンマーの惨状は、国家による究極の暴力の形を見せつけているように映る。 大規模災害時に被災地の困窮に手を差し伸べるには、国際社会はどんな仕組みをつくっていけばいいのか。軍政下の天災はそうも問い掛けてくる。 (河北新報社 2008年05月15日) |
【社説】四川大地震―今も救出を待つ人がいる 2008.5.14 朝日新聞 ミャンマーのサイクロン被害の救援が進まず、世界がいらだつなかで、隣の中国で阪神大震災の20倍というエネルギーを持つ大地震が起きた。 四川省を中心に50万棟もの建物が倒壊し、1万人以上の生命が失われた。さらに多くの人たちが生き埋めになっているという情報もある。連絡がとれない人も数万人にのぼるという。 建物の下敷きになり、この瞬間も必死で痛みと不安に耐えて、助けを待っている人がたくさんいるに違いない。だが、道路は寸断され、救出活動は難航している。 地震で多くの救出経験を持つ日本などが救援隊の派遣を申し出ているが、いまのところ中国は受け入れていない。中国がこれまで自然災害で外国の救援隊を受け入れたことはほとんどない。自力で危機を乗り越えたいという思いとその自信もあるのだろう。 しかし、今回の被害の規模はすさまじい。一人でも多くの生命を救うには、多くの人手と一刻も早い救出が必要だ。中国政府は日本からの5億円相当の支援を受け入れたが、救援隊についても早急な決断を求めたい。 中国でこれほどの地震被害が出たのは、76年に河北省で起き、24万人が死亡した唐山大地震以来だ。中国も地震が比較的多く、特に四川、雲南省などの西南部に集中している。活断層で起こる地震が目立ち、今回も活断層型と考えられている。 地震発生と同時に、中国は兵士を大量に動員した。温家宝(ウェン・チアパオ)首相が現場に駆けつけ、陣頭指揮をしている。 そうした素早い反応の背景には、北京五輪を控え、社会の動揺を最小限にとどめたいとの思いがあるだろう。震源地がチベット人の多い地域であるため、救援に手を抜いたと見られたくないという判断も働いたはずだ。 3月には、この地域でも騒乱があり、警官隊が発砲した。中国当局とチベット人住民の間にはまだ溝があるだろうが、わだかまりをほぐすためにも、被災者の救援に全力を注ぐことが大切だ。 被災地の写真や映像を見ると、阪神大震災を思い出す。近代的ビルは持ちこたえ、古い建物が崩れている。崩れた中に、学校が多いのが痛ましい。 崩れ落ちた建物からの救出は、最初の3日間が肝心だと言われる。 それについては、日本も阪神大震災で苦い経験がある。フランスやスイスなどから救援の申し出があったのに、返事が遅れたため、ほとんどの救援隊が着いたときには、すでに3日がたっていた。 中国には同じ過ちを繰り返さないでもらいたい。外国からの救援隊を受け入れるのは、国と国との信頼を深めることにもなる。もうすぐ発生から2日が過ぎる。 (2008.5.14 朝日新聞) |
四川省大地震特集(朝日新聞)
クローズアップ2008:四川大地震 日本援助隊受け入れ 中国、異例の方針転換 毎日新聞 2008年5月16日 中国・四川大地震の発生から4日目の15日、中国政府は日本からの緊急援助要員の受け入れを表明した。多くの国からの派遣申し出に難色を示してきた中国の突然の方針転換は、「大きな決断」(日本外務省筋)といえる。時間の経過とともに被害の広がりに対する認識が深刻になってきたのに加え、最初の受け入れ国に日本を選ぶことで「対日重視」の姿勢を示す狙いもある。【北京・西岡省二、成沢健一、古本陽荘、大谷麻由美】 「『近くて、素早い』の原則に基づくものだ」。15日午後開かれた中国外務省の定例記者会見。秦剛副報道局長は、日本の人的援助受け入れの理由をこう説明した。短いコメントだったが、これまで外国から人的援助をほとんど受けたことのない中国が、異例の決断に至るまでには曲折や思惑があった。 日本外務省に在京中国大使館から「援助要員受け入れ」の連絡が入ったのは15日正午前。数時間前まで「必要ない」と答えており、突然のことで、理由説明もなかったという。 外務省幹部は「中国首脳レベルの決断としか考えられない」と語る。胡錦濤国家主席の訪日などで、日中関係が改善基調にあることも考慮した政治的判断とみられる。 中国指導部はこれまで、受け入れ態勢の不備を理由に国際救援隊の入国を拒んできた。国内災害には自国民だけで対処するという大国ならではの「自力更生」原則とともに、国外救援隊が被災地に入ることで国内の結束が乱されかねないという特有の懸念もあったためとみられる。 中国指導部は発生当日の12日から温家宝首相が被災地で陣頭指揮を執るなど迅速な対応をアピール。ただ、初動の遅れが、甚大な被害につながった可能性も指摘されている。 国家防災委員会トップの主任を兼務する回良玉副首相は12日、南米ウルグアイを訪問していた。中国紙「21世紀経済報道」によると、留守を預かる副主任の李学挙・民政相が、一つの省や自治区で起きた大規模災害などに適用する「国家2級災害救援応急態勢」を発令した。4段階の中で最も深刻な「特別重大自然災害」の「1級」に引き上げられた時には、地震発生から8時間近くが過ぎていた。 「1級」が発令されると、救援資金の支出が可能になるうえ、政府の各部門や地方機関との連携も強化されるが、「2級」では民政省中心の対応となり、各部門の調整が進まず、発表される被災データもばらばらだった。 同紙の記事は、中国地震局や武装警察、軍の救援チームが12日夜に被災地に向かったものの、衛生省など政府各部門に発足した緊急チームは待機したまますぐには出発できなかったと伝えた。 初動の遅れに加え、次々と明らかになる被災地の実情は、指導部の想像をはるかに超えていた。震源地に近い〓川(ぶんせん)県に14日、国内外メディアで初めて新華社通信が入った。伝えられた惨状は衝撃的だった。指導部も「自力更生」で大国のプライドを誇示するより、不足するものをさらけ出し、開かれた社会という印象を内外にアピールする方が賢明と判断したとみられる。 サイクロン被害を受けたミャンマーの軍事政権とは異なる姿勢を見せて、チベット暴動などの閉鎖的イメージを払しょくしたい考えが働いている。 ◇チベット問題非難一転、相次ぐ支援 中国メディアは連日、ブッシュ米大統領やサルコジ仏大統領、福田康夫首相、メルケル独首相ら各国トップから届いた地震被害への見舞いや励ましの言葉を伝え、中国を取り巻く国際的な連帯の広がりをアピールしている。地震発生前まで、チベット問題で各国から非難の声が上がっていた時とは様変わりしたかのようだ。 各国・地域は、資金や物資の援助を次々と表明するが、中でも台湾とサウジアラビアが群を抜く。中台交流の活発化を掲げる国民党の馬英九次期総統は20億台湾ドル(約68億円)、エネルギー協力で中国との関係を深めるサウジアラビアは計6000万ドル(約63億円)を、いずれも資金と物資で援助する。 米国の50万ドル(約5250万円)、その約10倍にあたる約5億円相当の日本の緊急支援に比べても突出しており、支援する側のそれぞれに思惑があることをうかがわせる。 中国外務省の秦剛副報道局長は、15日までに中国が受け取った国際社会からの資金援助は1億ドル(約105億円)以上、援助物資も1000万ドル(約10億円)を超えたと発表。さらに今後、すぐにでも必要な援助物資として、(1)テントや掛け布団、インスタント食品を含む生活物資(2)衛星通信設備や救助措置の機材(3)医療器具や薬品--を挙げ、幅広い支援を要請した。 毎日新聞 2008年5月16日 大阪朝刊 |
四川省大地震特集(毎日新聞)
北京2008特集:四川大地震の被害状況と救援活動について (中国国際放送 2008-05-16) 今週の月曜日午後2時半ごろ、中国の四川省でマグニチュード7.8の大地震が起きました。震源地に近い成都のほか、湖南省、甘粛省、湖北省、雲南省、山西省、上海、天津、北京などでも、地震による揺れを感じMさいた。 今日は地震発生後5日目になりました。今のところ、被災地の面積は10万平方キロで、四川省だけでも6つの市、44の県、1061の村が被害を受けたということです。また被災者の数は1000万人以上に上っています。そして、15日朝の段階で、この地震による死者の数は1万9505人に上りました。 今回の大地震の震源地はブン川で、四川省の西北部の山間(やまあい)にあり、省都の成都から159キロ離れたところです。ブン川は、少数民族のチャン族、チベット族、ホイ族と漢族が集まるところで、中国で唯一のパンダ自然保護区と飼育研究センターの臥龍自然保護区の所在地でもあります。 震源地のブン川付近は、道路と通信が遮断され、外部との連絡が取れず、震源地の状況をすぐに把握できない状態でした。都江堰、綿陽などの都市も大地震の被害を受けて、大量の建物が倒壊して、多くの市民が生き埋めになりました。 震源地に近い成都の住民・沈さんに電話インタビューしました。 「政府部門は震災の救援活動で精一杯だ。企業は営業停止、学校も授業が中止となった。月曜日から木曜日まで、3300回余りの余震が発生した。水曜日の夜にも地震を感じたよ。市内の建物は全然大丈夫だが、多くの人は夜になってもテントに泊まり、家には怖くて戻れない。救援部隊の車両は最初、渋滞をさけるため、市内の幹線道路を利用しなかった。ただ最近は市内を通る軍用車が増えてた。特に、山間部の被災地では土砂崩れなどで道路が崩壊したため、道路の復旧のためのキャタピラー付き車両をよく見かける。多くの救援物資はヘリコプターや軍用輸送機によって山奥の被災地に投入された。温家宝首相も震源地に入って陣頭指揮を取っている」 大地震が起きた当日の夕方、温家宝首相は成都から55キロ離れた都江堰市に到着し、現場での救援活動を指揮しました。収容された遺体でいっぱいになった広場で、温首相はまずなくなった人たちの霊を慰めました。それから、66歳の温家宝首相は72時間ずっと休まず、被災地を駆け回っています。 都江堰市の新建小学校では、温首相が下敷きになった子供の助けを求める声を聞きました。温首相はしゃがんで、「私は温家宝じいさんです。みんなしっかりしなさい。かならず助けてあげるから」と子供たちに大きな声をかけて、励ました。途中、温首相は転んでしまい、腕を怪我して出血しましたが、手当てをしようとする医師に構わず、現場での指揮を続けていました。 「今は14日夜10時半、被災者たちは政府の救援部門と救援部隊が設けたテントに泊まることができた。街灯が点るようになった」 今お聞きになっているのは、都江堰市の地元テレビのリポートです。 ・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・ |
中国国際放送↑は、公的なニュースですが、
四川省大地震のことは、中国にすんでいらした
友人の坂東弘美さんのブログ「がま口塾」に詳しいです。
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