みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

原発は地震に弱い!抜本的再検討と対応を~市民グループ緊急声明・原発耐震性の危機・柏崎刈羽原発を公開

2007-07-22 11:08:27 | 地震・原発・災害
昨日、東京電力は、新潟県中越沖地震でたくさんの問題が明らかになった
柏崎刈羽原発を報道陣に公開した。

NHKニュースを見ていたら、映像を流していたので、
慌てて撮ったけれど、地割れしているところは間に合わなかった。
直下に断層が走っていた、ということだが、この点は前から指摘されていたことだ。

わたしは、反原発の運動に80年代からかかわっていたのだけど、
今回の地震で、日本の原発のずさんさと、
安全性に重大な疑義があることが明らかになったと思う。



 

    

  

以下は、関連の新聞記事です。

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原発の地盤、1・6メートル陥没 柏崎刈羽を報道陣に公開 
中日新聞 2007年7月22日 朝刊

 東京電力は二十一日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発の施設内を報道関係者に公開した。施設の公開は、地震後初めて。火災が発生した3号機の変圧器などの現場を歩いた。
 地震発生直後、約二時間にわたって燃えた3号機の変圧器付近。今も油が燃えたにおいがかすかに漂う。変圧器自体は無事に見えるが、発電施設のあるタービン建屋とつながる送電ケーブルが二十センチほど沈下していた。担当者は「沈下でケーブルにショートが起き、変圧器の油に引火した可能性が高い」と説明した。
 敷地内には、造成で出た残土を高さ五十五メートルに盛った丘陵地があり、地滑りを起こしていた。道路が至る所で大きく波打ち、舗装もヒビ割れていた。
 6号機と7号機の中央操作室。制御棒がすべて挿入され、停止を示すランプがともり、「重故障」の表示が見えた。6号機では放射能を含む水が、「放射線がないこと」が前提の非管理区域に漏れ、さらに最後は海に流れた。漏れた場所にはピンク色のシートが敷かれ、立ち入り禁止の表示が掲げられていた。
 今回公開されたのは、非管理区域だけだったが、東電の広報担当者は「発電所が健全であることを見てほしい」と繰り返した。岩盤の上に造られた原子炉建屋などは「想定外」(東電)の地震の力にもかかわらず、確かに大きな損傷は見つかっていない。
 だが、周辺の地盤は分かっているだけで最大一・六メートルも陥没した。結果としてこの沈下が火災を引き起こし、消火活動さえままならなかったという現実と見通しの甘さを間近に見た。
 同原発の技術部門の責任者の一人、川俣晋ユニット所長は「今後、設計にどう配慮するかなどを検討することになる」と話した。
 (科学部・大島弘義)

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【社会】 黒焦げの変圧器から刺激臭 柏崎刈羽原発を公開
中日新聞 2007年7月21日 21時12分

 どす黒く焦げた変圧器、落差1・6メートルの地盤沈下-。東京電力は21日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発の内部を報道各社に公開した。東電側は「被害は原子炉に関係のない場所」と説明するが、敷地内を見渡すと、いたる所に地震のつめ跡が生々しく残っていた。
 地震後、真っ黒な煙を上げて燃えた3号機の変圧器。近づくと、今も漏れ続ける油の刺激臭がつんと鼻を刺す。高さ約6メートルの変圧器の側面には、炎が激しく立ち上った焦げ跡が。傍らでは東電職員が「被害は一部。延焼は食い止めた」と説明した。
 「これはひどい」。変圧器から約100メートル離れた軽油タンク周辺では報道陣から一斉に声が上がった。地割れが無数に走り、最も激しい場所では落差約1・6メートルもの地盤沈下。近くでは工事関係者が地割れに足を取られ、転倒しそうになっていた

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他の原発5基も変圧器損傷 油漏れも 柏崎刈羽
朝日新聞 2007年07月21日15時08分

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発3号機の変圧器で火災が発生した問題で、他の原子炉5基の変圧器でも油漏れや土台がずれるなどのトラブルが相次いでいたことが明らかになった。地震による地盤沈下の影響で消火設備も損傷していることから消火能力は大幅に低下した状態で、一部の変圧器では油漏れが続いている。依然として余震の恐れもあり、火災の危険性が今も残っている。

各原子炉の主な変圧器被害
 変圧器の内部は、電気を流す銅帯が通っており、絶縁のために大量の油が注入されている。県などによると、3号機の火災は、変圧器周辺の地盤が沈下し、銅帯と、本来直接触れることのない周りの金属とが接触したためショートし、変圧器内の絶縁油に引火して発生した可能性が高いという。
 1号機では、変圧器が土台からずれたり、配線の接合部にずれがみられたりした。1、2、4、7号機では変圧器周辺に設置した油の流出を防ぐ堤が沈み込んだり傾いたりした。1、2、3、6号機は油漏れの改修措置が終わっていない。全7基の原子炉のうち、5号機以外で変圧器関連の異常が見つかっている。
 東電によると、放射性物質にかかわらない被害計52件のうち、変圧器関連は12件。東電との安全協定に基づいて地震発生直後の17日に立ち入り調査した県は「3号機だけで火災が起きたのはたまたまだ」と指摘する。
 変圧器で被害が相次いだ原因として、変圧器などの付帯設備は、国の指針で地下の安定した岩盤との固定を求められている原子炉の建屋より、基準が緩いことが挙げられる。
 制御棒や原子炉格納容器が求められている耐震性は最も高い「ASクラス」だが、変圧器は最も低い「Cクラス」。東電も「所内のすべての変圧器は土の上に立っているだけ」といい、「変圧器やダクトなど周辺設備で被害が出ており、揺れに弱かったと感じている」と認める。
 ASクラスは、その地域で発生する可能性のある最大級の地震や、マグニチュード6・5の直下型地震を想定してつくられている。Cクラスは、一般の建物と同じ建築基準法に基づいている。
 東電によると、油が漏れた場合でも、周囲に空気が少ないなどの理由で直ちに火災につながるものではないとしている。
 県によると、地盤沈下など地震の影響で、構内ほぼすべての消火設備が損傷を受けたという
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東電、新耐震指針後に海底断層調べず 柏崎刈羽原発
朝日新聞 2007年07月19日07時57分

 東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)の耐震性再評価のために昨秋から今春にかけて実施した地質調査で、海底の断層については改めて調べておらず、結果的に新潟県中越沖地震を引き起こした断層を発見できずにいたことがわかった。昨秋の原発耐震指針の改定で、各電力会社は55基の既存原発すべてについて、新指針に基づく安全性評価を求められているが、「基礎となる調査がおざなりでは意味がない」との批判が出ている。
 東電は同原発の耐震評価で、79、80、85年に海域調査をした。79年に原発から北西約19キロの沖合に長さ約7キロの海底断層を見つけたが、活断層ではないと判断し、設計時の耐震評価から外していた。
 昨年9月に耐震指針が28年ぶりに改定されたのを受けて、経済産業省原子力安全・保安院は原発から半径30キロほどの範囲について、文献やトレンチ調査、物理探査などに基づく耐震再評価を各原発に求めた。
 東電は昨年10月~今年4月、同原発周辺の地質再調査を実施。陸域では人工的な振動を起こして地下を調べるなどしたが、海底断層については他の研究機関のデータを考慮すれば十分として、改めて調査べなかった。
 大竹政和・東北大名誉教授(地震学)は「柏崎刈羽原発のある地域は、見えない活断層が多い地域で、海域の調査も念入りにすべきだ。他原発の安全評価作業も大丈夫か見直してほしい」と批判する。
 今回の地震の震源は原発の北約9キロの海底で、余震の分布から、地震を起こした断層は原発直下まで延びているとの指摘が相次いでいる。
 これを受けて東電は18日、周辺海域の地質調査をすると発表した。79年に見つけていながら耐震設計の評価から外していた海底断層を含め、原発を中心に沿岸60キロ、沖合30キロまでを改めて調査するとしている。
 海底も再調査せざるをえなくなった形の東電は「安全評価への反映は、どの断層が動いたのかはっきりしてから判断したい」と説明する。
 保安院は「地質調査は安全評価の前提となるデータ。適切に実施してほしい」としている。
 現行の地質調査は、旧耐震指針と同じ78年に作られた「原子力発電所の地質、地盤に関する安全審査の手引き」に基づく。手引きは、国の原子力安全委員会の検討会で、旧指針とともに見直しの対象となったが積み残され、「最新の調査手法などが反映されていない」「国として、事業者に最低限必要な項目を示すものに改定すべきだ」などの意見が出ている。
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原発耐震性の危機/小手先の対応は許されない
(河北新報2007.7.22)
 
 原子力発電所の地震への備えがこれほどずさんだったとは、がくぜんとしてしまう。
 新潟県中越沖地震に見舞われた東京電力の柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)で、火災や放射性物質の放出など多くのトラブルが明らかになった。
 原発の地震被害としては最悪のケースだが、そもそも地震を引き起こした断層が原発の真下まで延びていた可能性があるというのだから、危険極まりない。事実なら、地震による被害を防げという方が無理だろう。
 深刻な被害をもたらした原因を根本的に解明するのが絶対に必要だし、今後の安全性が保証されない限り運転再開はあり得ない。どんな地質データを集め、断層の評価を行ったのかについても十分に説明する責任がある。
 原発の耐震性が信頼できるのかどうかについては、以前から疑問が出されていた。建物は壊れなかったが、設計段階で想定した最大の揺れよりも実際の地震による揺れが大きくなるケースがあったためだ。
 東北電力の女川原発では2005年の8.16宮城地震(マグニチュード=M=7.2)の際、「限界地震」を超える揺れが観測された。国内の原発では初めての事態だった。
 原発建設に当たっては実際には起こりえないような地震を想定し、それでも壊れないように設計する。念には念を入れてということだが、計算した結果、一部の周期で限界地震の揺れを上回っていたことが判明した。
 今年3月の能登半島地震(M6.9)でも、北陸電力の志賀原発で限界地震を超える揺れになっている。今回の地震で被害を受けた柏崎刈羽原発でも超えてしまった。
 限界地震は「M6.5クラスの直下型地震」などが目安になっているが、最近はより大きな内陸直下型地震が相次いでいるし、中越沖地震も6.8に達している。想定した地震の規模が既に意味を失っていると言っていい。
 原発の耐震指針は昨年改定され、それぞれの立地条件に合わせて想定地震を決める方式になった。電力各社は現在、新指針によって耐震性を再点検中だが、原発周辺の断層を漏れなく突き止め、その危険性を正確に評価できるかどうかが重要なポイントになる。
 東電はもちろん、柏崎刈羽原発周辺の地質を徹底して調べ直さなければならない。自ら調査するのではなく、断層や防災の外部の専門家に委ねるべきだ。本当に原発直下に断層があり、近い将来にまた地震を起こす可能性があるようなら、かなり深刻な事態になる。
 立地条件としては最悪と言ってよく、仮に大規模な耐震補強を行うにせよ、基本的な安全性に大きな不安を抱かれるのは当然だ。
 原発の耐震性に対する国民の関心は高い。世界有数の地震国であれば当たり前のことだ。柏崎刈羽原発のような被害が現実になった以上、どこの原発であっても、中途半端な安全対策はもはや信用されない。
2007年07月22日日曜日
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新潟県中越沖地震で問題が続出している柏崎刈羽原子力発電所について、
市民グループが、昨日、「共同声明」を出しました。
「しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」も賛同団体に加わりました。

 プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワークHP

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内閣総理大臣安倍晋三様
関係機関の皆様
全国民の皆様
                              2007年7月21日

共同声明;原子力関連施設の地震対策の抜本的再検討と対応が必要です!

 世界最大規模の原発基地である、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所では、
この度の新潟県中越沖地震(7月16日)で、予想外の問題が続出しています。
現在7基ある原発は停止していますが、余震の脅威は去っていません。
 今回の地震では、想定していなかった震源断層が明らかになり、また、地震
対策の前提としている基準を大きく超える揺れが原発にて記録されました。この
ため、原発の安全性が保証されなくなり、強い余震がある度に、原発で問題が
発生して原子力災害が起きるのではないかと、柏崎刈羽をはじめ中越地域など
の多くの人たちが不安な思いでいます。
 地震対策の前提となる基準を設け、許可を出した国の責任は、重大です。

 昨年3月に金沢地裁が耐震性の問題で、志賀原発の運転差止の判決を出し
ました。今回の地震で、図らずも判決の正しさが裏付けられることになりました。
 原子力関連施設の設置許可を出した前提が、今回の地震で崩れたのですから、
日本のどこであれ想定外の震源断層による、想定以上の地震動が襲う恐れを
否定できません。
 耐震強度を偽造していたマンションが壊されているのに、もっと、被害が甚大な
原発が今のままでよいのでしょうか?

 以上、このままでは原発や再処理工場などが地震により大きく破壊され、放射
能が外部に大量に漏洩する原子力災害を引き起こす危険性が高いため、内閣
総理大臣はじめ関係機関に、「地震対策の抜本的再検討と対応」を要請します。
 また、国民の皆様におかれましては原発の地震対策の問題に関心を持たれ、
私達の原子力災害を未然に防ぐ運動に賛同されるよう要望いたします。

呼びかけ団体
柏崎刈羽原発反対地元三団体
原発問題を考える柏崎刈羽地域連絡センター
原発問題を考える西山刈羽住民の会
プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク
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東京電力や原発推進派は「漏れた放射能はごく微量」と強調しているけど、
3号機での変圧器で火災が発生しても消火作業もできず、
他のすべての原子炉で放射能汚染された水が放出されたことは、
今回だけでもじゅうぶん、深刻で重大な事態だ。
ひとつ間違えば、メルトダウンをともなうチェルノブイリ原発事故
のような重大事故がおきても不思議ではなかった。

いのちより大切なものはないはずだ。
原発なしでくらしたい。

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純白のカサブランカが咲きました。つぼみは52個!レッドカサブランカも開花。

2007-07-21 14:52:15 | 花/美しいもの
庭に植えた真っ白なカサブランカが咲きました。
つぼみを数えたら、全部で52個もあります(喜)!


もううれしくて、うれしくて、
雨の中、なんども見に行っています


ゆりの仲間では、いちばん遅いカサブランカの開花は、
20日で、例年とだいだい同じです。とはいえ、
今年わが家の庭には、まだ開化していない百合が2種類あります。

夏にカサブランカが咲くと、「純白のカサブランカがいちばん好き」と思い、
春にもくれんが咲くと「花はやっぱりもくれんがいちばん」と思い・・・、
そうやって、季節がめぐるたびに、出会う花に感動します。
で、一年たつと、去年のことを忘れて、また、
「きれいだあ!!純白のカサブランカがいちばん好き」と思うのです。



カサブランカの花言葉は「雄大な愛」。
花が咲くと、おしべを取ってしまう人が多いのですが、
実はわたし、この赤いおしべも好きなんです。

開花がすすむむと、成熟した花粉がついて取れなくなって、
数年に一度は、服を台無しにするんだけれど・・・
「花」って、植物の生殖器官だから、虫や動物を魅惑する、
って読んだことがあるんだけど、ほんとセクシーな魅力(笑)。

  

  

  

こちら、植木鉢のカサブランカの花は10個。
少し遅れて、昨年植えたレッドカサブランカも開花しました。

昨日の夕方、初めて一つ咲いてたのですが、

けさ見たら、ふたつ咲いています。


カサ・ブランカは「白い・家」という意味で、
「赤い-白い家」というのも変ですが、
文字通り、真紅の花です。



今まで見たレッドカサブランカといわれる花のなかで、
いちばん赤くて、おしべも花の中も真っ赤です。
  



きれいだあ!!

純白もいいけど、真っ赤なカサブランカも素敵ですね。


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睡蓮木、キキョウ、イソトマ・・・うす紫の花たち

2007-07-20 20:45:02 | 花/美しいもの
歯医者に行って、かぶせものの型を取ってもらいました。
口の中が過敏だし神経ギリギリまで削ってあるので、
奥歯だし、当たりの柔らかい金で作ってもらうことにした。

昨夜は、寝ているうちに歯をがーんと噛んだみたいで、
痛みで目が覚めて、頬の内側に、血膨れができていた。
そのせいで、起きてからもずっと歯が痛くて、噛めなかった。
で、次回までに睡眠用のマウスピースを作ってもらうことにした。

ということで、麻酔をかけて削ったので、遅めの夕食。
今日は、勉強会のオプション講座の提出期日でもあり、
課題が続々と添付ファイルで届くので、
のんびり記事を書いている余裕がない。

と言い訳しながら、先月から玄関先に咲いている、
薄紫色の、かわいい花たち3種。

睡蓮木(スイレンボク・シナノキ科) 



  

睡蓮のような花が咲くので、すいれんぼく。
大きさは4~5センチと小さいのですが、
うつくしく魅力的な花です。

こちらは、薄紫の丸い花びらで、おしべは黄色と、
睡蓮木に似た色ですが、花は1cmくらい。
名前・・・・えーっと、忘れました。




  

イソトマ(キキョウ科)


  



星型の花を咲かせるイソトマは、花はきれいだけど有毒植物だそうだ。
汁がつかないように、気をつけないと・・・・。

キキョウの花も咲いています。
 

ところで、
庭の真っ白なカサブランカが咲きました。つぼみは52個も! 
鉢に植えたレッドカサブランカも開花しました。

次の記事で紹介しますね。


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韓国の全羅南道議会議員たちと会いました。韓国のおみやげも。

2007-07-19 23:01:11 | 市民運動/市民自治/政治
今日は、韓国で『市民派議員になるための本』を翻訳して読書会をしてくださっている、
全羅南道の道議会議員の皆さんにお会いする日。

コーディネーターのヤンさんから、宿泊先の三重県から電話があり、
名古屋駅まで迎えに来てくださるとのこと。
駅から徒歩7分の昼食会場「かに将軍」が分からなかったので、ほっとした。

出かけようと家を出ると、カサブランカが開花していた(嬉)。


おいしい蟹のコース料理を食べながら、名刺交換をしたり自己紹介をしたり。
女性議員は、読書会を呼びかけたクックさんおひとりで11にんは男性議員。
わたしの本を翻訳してくださっている東甫(モッポ)大学の高さんが、
いっしょに来日されて、通訳をしてくださっている。

月一回、2時間の読書会で、本はまだ半分くらいしか読んでないそうだけど、
男性議員たちに、本の感想を聞くと、よい意味で「ショックだった」、
「こんな風にできたら理想です」とのこと。
「理想、ということは、現実には無理ということですか?(笑)」
と尋ねたら、
韓国の地方議会は、勉強会をしている人たちも含めて政党所属議員がほとんど。
韓国には、まだ「無党派」「市民派」という概念自体がなくて、
皆さん「政党でなければ議員はできない」と思い込んでいたとのこと。

わたしが驚いたのは、みなさん、とても若いということ。
(見回すと、わたしが最年長じゃないかしらん・・・)
来日された方たちがたまたま若いのかと思ったら、
「大統領も若いし、議員の仕事はハードだから、高齢だと働けない」とのこと。
居眠りばかりしてる、どこかの議員たちに聞かせたかった。

女性議員は4人で、全員比例代表のクォータ制(割り当て制)で当選したとのこと。
韓国では、今回初めて地方選挙に法的にクォータ制が導入され、
「名簿のトップは女性、30パーセントの女性」を政党に義務づけているとのこと。
来日前に届いたリストの女性議員比率が高いことにおどろいたが、
いままで女性議員が少なかったけれど、一気に増えたようだ。

コーさんに聞くと、韓国では議員の社会的地位はとても高い、とのこと。
年収は、道議会議員でも400万円程度で、全員が農業か漁業との兼業。

農村部では子どもが少ないのが深刻で、
若者(男)が結婚できないと農業が続けられなくなるので、、
ベトナムや他のアジアの国から、女性をつれてくるのだけど、
女性の地位は低くて、10人のうち半数くらいは、
うまくいかなくて逃げ帰るとのこと。
「そりゃ当然でしょ」と思わず口に出した。
韓国の都会の女性との農村体験交流は、考えたこともなかったそうで、
農業が好きな都会の女性もいると思うけど、
いずれにしても、農業と「結婚」するわけじゃないんだし、
そんな発想じゃしょせん女は「道具」だし、
そんなにしてまで「結婚」させなくてもよいのでは、と言ってしまった。

地方議員選挙は自己資金が原則、カンパでの選挙は認められていないそうだ。
選挙にカネがかかるのは日本と同じで、買収などもあるようだ。
「金持ちしか選挙に出られませんね」というと、
当選すれば、得票率に応じて、選挙費用が公費で返還(補助)されるとのこと。
韓国にも「選挙公営制度」はあるようで、水増し請求詐欺のことを話したら、
「おなじことがあるかもしれない」。
国は違えど、議員の体質と汚職の構造は共通のようだ。

食事が終わってから、別室で懇談会。
というより、皆さんの質問にわたしが答え、
わたしの質問に議員たちが答える、という形ですすんだ。

全羅南道は人口200万人、自然が豊かで、海が韓国一うつくしいとのこと。
農業と漁業が中心で、韓国一貧しい(都市化していない)といわれている
この地方では、いま開発の波が押し寄せていて、
同時に、少子高齢化や過疎化も急速にすすんでいる。
解決のためには、箱物や開発で活性化することが必要との考えが主流。
いったん開発されれば、うつくしい自然は元に戻らないし、
バブルがはじけて財政破綻し、地域や弱者が見捨てられていく日本の現状が、
韓国の10年後、という話になっとくされていた。
元気そうに見える韓国ももう、右肩上がりではないそうだ。

大学で福祉を教えながら議員も兼業しているクックさんは、
土建型、開発優先型の政策を、福祉や少子高齢化政策に転換させたくて、
『市民派議員になるための本』の読書会をはじめたとのこと。
本にもわたしにも、人を変えるような力はないけれど、
中央政府も地方分権を言い出し、「市民自治」の道を歩みだした韓国の人たちが、
本をねっしんに読んでくださっているのは、とてもうれしい。

日本の「公職選挙法」と、韓国の「選挙法」は違うので、
本をそのまま実践すると、数か所、法に抵触するかもしれないけど、
書いてある理論やノウハウは普遍性があり、韓国でも十分つかえるとのこと。
コーさんは、翻訳して韓国で発売したらきっと評判になると思うとのこと。

「わたしたちは政党議員で、まだ市民派ではないかもしれないけれど、
市民派議員を目ざして、市民派政治を実現したい」と、
男性議員たちが言われたのには、ほんとにうれしかった。
クックさんのショック療法の目的もすこしは果たせたかもしれない。
外交辞令かもしれないけれど、
今度はぜひ全羅南道を見に来てほしい、とも言われた。
メンバーには、温泉あり、アワビを獲ってる人もあり、で魅力だ。

約3時間があっという間に過ぎて、全員で記念撮影。

その後、おひとりずつと握手しながらのツーショット(笑)。

おみやげに、クックさんと市長をしていらしたおつれあいが、
二人で作ったという貴重なお茶をいただいた。

クックさんのまちは「蝶」で有名とのことで、
蝶ブランドの、ブローチとシルクのスカーフもいただいてしまった。
  

    
蝶のブローチは、見れば見るほど精巧でうつくしい。


わたしからは、クックさんに、岐阜県で作出された青いバラ、
「ブルーヘブンの香水」をプレゼント。

明日は、江戸川区(東京)の高齢者介護施設を視察とのことで、
新幹線乗り場まで一行をみおくった。

一人だけ、おいしい蟹を食べてきたので、
  
寄り道して、ともちゃんのお土産に、フランボワーズのお菓子を買った。

おいしくって楽しくて、有意義な一日でした○(まる)


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山県市議会の解散を求める請願提出/市議6人が書類送検/ポスター代水増し詐欺事件

2007-07-19 19:56:13 | 市民運動/市民自治/政治

山県市の、ポスター水増し詐欺事件は、予想通り刑事事件に発展しました。
7月12日、岐阜県警は現職市議6人、市議から転進の県議1人、
会計責任者1人、印刷業者4人の12人を書類送検しました。

6月29日に「辞職勧告決議案を否決」した山県市議会は、
送検された議員も居座り続ける、など迷走を続けています、
市民の怒りは頂点に達し、議会の自浄能力に期待できないと、
とうとう議会の自主解散を求めて、
昨日、「請願」(紹介議員・寺町知正)を提出しました。

12日から昨日までの関連の情報をまとめてお知らせします。

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ポスター水増し山県市議会 自主解散求める請願(中日新聞 2007年7月19日)

 選挙ポスター製作費の水増し請求で現職市議六人が書類送検された岐阜県山県市議会に対し、市内の自営業男性が十八日、自主解散を求める請願を出した。議会の自浄作用を「現状では期待しにくい」とし「市民の信頼を得ることができる議会への刷新を」と自主解散と出直し選挙を求めている。

 書類送検された六市議には市民から議員辞職を求める声が出ているが、定数二二の同市議会は四人が欠けると補欠選挙が行われることになる。一方で同市議会は次の選挙から定数を六減とすることを決めており、請願の紹介議員となった寺町知正市議は「来年四月末の任期満了までのために補選で選挙費用をかけるより、(既に可決された)定数の六減が実施できる解散による選挙の方が市費を浪費せず合理的」としている。請願は、書類送検された村橋安治議長(58)の議長辞職願を受けて開く十九日の臨時議会で審議する予定。

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ポスター費水増し事件 議会自主解散を請願
住民 山県市議ら書類送検で(読売新聞 7月19日)


 2004年の山県市議選で当選した市議らが、ポスター製作費を水増し請求したとして、元市議と市議らが書類送検された事件を受け、同市住民が18日、市議会が自主解散することを求める請願を提出した。
 請願は、村橋安治議長が書類送検されて辞職願を提出したため、藤根円六副議長が代わって受け取った。

 請願の紹介議員、寺町知正市議は「辞職しない議員や議会の対応に市民の怒りは高まっている。来年4月の市議選を繰り上げ、自主解散して出直すことが求められている」と話した。
 きょう19日の臨時会前の議会運営委員会で協議され、臨時会か9月定例会に提案される。(2007年7月19日 読売新聞)
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【公費混同 選挙ポスター代疑惑】 山県市長「恥ずかしい」(朝日新聞 2007年07月14日)
 山県市議選のポスター代水増し請求事件で現職市議7人が書類送検されたことを受けて、平野元・山県市長は13日、朝日新聞の取材に応じ、「市長として恥ずかしい思いをしている。残念だ」と語った。ただ、「それぞれが立派な人格を持っている。責任の取り方は個々に任せる」とも述べ、あくまで議員個人のモラルの問題という認識を改めて示した。

 市長はこの日、新聞報道で市議らの書類送検を初めて知ったという。今後の議会運営については「事態は混沌(こん・とん)としている。なりゆきに任せるしかない」と消極的な姿勢を示し、議員辞職に伴う補欠選挙や議会の自主解散の可能性についても「想定はしている」と述べるにとどまった。
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 現職市議ら12人を書類送検 ポスター作製費水増し請求
(中日新聞 一面 7月13日)


 岐阜県警捜査2課と山県署は12日、2004年4月の岐阜県山県市議選で、公費から支出されるポスター作製費を水増し請求したとして詐欺容疑で、現職市議ら7人と議員の会計責任者1人、印刷業者4人の計12人を書類送検した。
 県警は、選挙ポスター作製費をめぐる詐欺事件を立件するのは全国で初めてとしている。
 調べでは、市議らと印刷業者は共謀し、選挙ポスター作製費を実際の費用よりも多く、上限いっぱいの額で山県市に申請。それぞれ数万-10数万円を市からだまし取った疑い。水増し分は選挙はがき作製などに充てたという。
 これまで、現職市議6人と、市議から県議に転身した1人が水増し請求を認めて謝罪している。
 市議6人の1人で、同市議会の村橋安治議長(58)は12日、市役所で記者会見し、水増しを認め、議長の辞任を表明した。(共同)

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山県市議ら12人書類送検 ポスター代水増し(岐阜新聞7月13日) 

 山県市議選で市議らが「選挙公営」で公費負担されるポスター代を水増し請求した詐欺容疑事件で、県警捜査二課と山県署は12日、同容疑で現職の市議ら7人と選対関係者、印刷業者の計12人を岐阜地検に書類送検した。
 送検された議員は、今年4月の統一選で県議選に出馬した元市議の横山善道県議(53)と、市議会議長の村橋安治(58)、宮田軍作(65)、渡辺政勝(57)、武藤孝成(57)、村瀬隆彦(54)、吉田茂広(42)の6市議。全員容疑を認めている。
  調べでは、市議ら7人はそれぞれ印刷業者と共謀し、2004(平成16)年4月の市議選で、選挙公営で認められていない名刺やはがきの製作費をポスター代と偽って市に水増し請求し、市から数万から10数万円をだまし取った疑い。
 うち2人の市議は、名刺やはがきの製作費のほかに、10万円前後を上乗せして請求し、業者から還流させていた。同市のポスター代の限度額は約37万円で、7人のうち5人が上限に近い金額を請求していた。
  これまでに横山県議と市議5人が記者会見し、水増しの事実を認めて謝罪。最後まで発言を控えてきた村橋議長も書類送検された12日、市役所で会見し、水増し行為を認めた。
 同市議選には27人が立候補し、うち25人が選挙公営に基づき、ポスター代を市に請求。県警は水増しの疑いがあるとして先月から、市議らの事情聴取を進めていた。
 同市は03年の町村合併に伴い選挙公営条例を導入したが、今年3月、条例を廃止している。
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● 山県市の選挙ポスター代・水増し詐欺事件の経過 ● 
・2004(H16)年4月、 前年4月に自治体合併してから、初の議員選挙
   定員22人に27人が立候補。うち25人が選挙費用の公費での負担を請求し利用した
・今年4月中旬ころ、県警が印刷業者らの関連資料を収集、事情を聴く
・6月 8日 県警が水増し請求したとみられる議員らを詐欺容疑で事情聴取開始
・6月15日 市議4人、市議から転出した県議1人が事実を認めて県庁で謝罪会見
・6月18日 議会運営委員長、常任委員長2人の計3人の委員長の辞任届けが出る
・6月26日 選挙ポスター代の水増し問題に、市は調査のため弁護士の委員会を設置 
・6月29日 議会定例会最終日、5人の辞職勧告決議案を否決
       午後、1人が水増しを認めて、自宅で謝罪会見
・7月10日 議長の辞任願が出る
・7月12日 議長が水増しを認めて、市役所で謝罪会見。 
・7月12日 県警は現職市議6人、市議から転進の県議1人、
        会計責任者1人、印刷業者4人の12人を書類送検
・7月19日 10時開会  臨時議会の予定
・来年4月  定員22人を16人に減じて(昨年9月に条例改正済み) の定例市議選

という経過を受けて、来年の選挙を待たずに、
「議会の自主解散を」と出した請願です。


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山県市議会議員選挙におけるポスター代水増し詐欺事件を受けて
           議会の自主解散を求める請願書

          請 願 者
    山県市の条例改正を実現するための直接請求
山県市伊佐美156 請求代表者 長屋正信
                     紹介議員   寺町知正

                        2007年7月18日
 山県市議会議長 村橋安治 様
               請 願 趣 旨 
 2004年4月実施の山県市議会議員選挙におけるポスター代水増し詐欺事件で現職市議6人、本年3月まで市議会副議長を務め県議会議員に転進した前市議1人、会計責任者1人、印刷業者4人の計12人が県警から検察庁に書類送検された。
 6月9日の事件の発覚以来、政治家として神聖な選挙において仮面をかぶって私たち有権者をだました行為に対して多くの市民が怒り心頭である。
 責任ある身の処し方、即ち職を辞すことすら当事者本人や多数の議員に否定されていると伝わっている。
来年4月の選挙で定数を22人から16人に減ずることが昨年9月に決定されていることもあり、市民の中には、この際だから議会は自主解散すべきとの声は強い。

 議員1人の報酬、期末手当、共済金(議員年金)等のために市が拠出する公金は1ヶ月当たりおおよそ50万円だという。6人なら月300万円。議員職へのとどまりが続けば、市民、有権者がもはや市の意思決定を任せることはできないと考える議員たちに多額の公金が支出されることになる。

仮に辞職によって欠員になれば、速やかに補欠選挙が行われ、来年4月までの任期わずか半年程度の議員が誕生し、定員22人の議会が再開する。
市議会議員選挙1回の費用は約2000万円、補欠選挙の場合は、その半分程度という。

 市民としては、議会が自浄作用を機能させて各種改革を進めることを何より願うものである。しかし、現状ではそれも困難、もしくは期待しにくいとも映る。
 請願者は市民の信頼を得ることができる議会への刷新をはかるためにも、この際であるから議会の自主解散を求めるものである(解散選挙は「一般選挙」として定数16人になる)。

 そこで請願者は、地方自治法第124条によって、以下のことを請願する。
 なお、本請願は、同事件の当事者として議長が議長職の辞職を申し出たことで開催されることになった7月19日の臨時議会においては地方自治法第102条3項及び同5項にかかる急施事件に該当すると考え、加えて6名の議員がつい先般7月12日に書類送検されたことも考慮すればなお更妥当するといえるから、急ぎ提出するものである。
        
請 願 項 目
一 山県市議会は、すみやかに自主解散すること。
                         以上

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市長は『恥ずかしい思いをしている」と他人事のようなコメントをしているけれど、
こんな議会が「住民の代表」だなんて、もっと恥ずかしいのは、山県市民です。

公金をだまし取ったり、そういう議員を仲間としてかばう議員は、
市民のほうを向いていないという意味で「同じ穴のむじな」。

「公金詐欺、みんなで渡ればこわくない!?」

そんな議員は、次の選挙でぜったいに再選させたくはありません。
議員一人ひとりが、この請願にどのような態度を取るのか、
有権者としてきちんと監視したいものです。


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好評の『おひとりさまの老後』(上野千鶴子著・法研)再掲&東京みやげ

2007-07-18 21:26:34 | ジェンダー/上野千鶴子
昨日は、午後5時半から「法研」本社8階ホールで開催された、
上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』の
出版記念フォーラム「みんなで老いれば怖くない!?」を聴きに、東京に行った。

名古屋駅は蒸し暑かったのに、
東京駅で降りると小雨、肌寒いほどのお天気で、道行く人は長袖ばかり。
早めに着いたので、銀ブラをしながら「法研」を探した。

本の出版元の「法研」は、銀座一丁目の立派なビル。
知事選で出会った人たちにロビーでばったり会って話していたら、
編集者の方が偶然見つけてくださって、講師控え室に。
上野さんに、レアもののイル・プルーの「塩味のクッキー」を、
カフェラテといっしょに味見させていただいた。



上野さんの講演は、本に書いてない話題が満載でとってもおもしろい。
会場には、著名な著者や編集者など、上野さんゆかりの方たちがいらっしゃって、
ご指名や飛び入りで話に参加され、和気藹々のふんいきで盛りあがった。
会場で本を売っていたので5冊購入、サインしてもらった。



『おひとりさまの老後』(上野千鶴子著・法研)は、
発売と同時に増刷で、すでに3刷とのこと。
アマゾンの順位も100番台。

『おひとりさまの老後』上野千鶴子著(法研)&
出版記念「みんなで老いれば怖くない!?」女性フォーラム(7/12)


講演だけ聞いて日帰り、のつもりが、
おいしいもんが食べられる誘惑にフラフラ、
ちょっとだけ寄り道しよ、と思っていたら、帰れなくなって一泊。
さきの見通しが甘かった(うれしい誤算・笑)。

以下は、東京みやげ。

「塩味のクッキー」があんまりおいしかったので、
ともちゃんにも2枚だけお持ち帰り。
  

東大「弥生門」近くにある障がい者のひとたちのお店
ワークショップ「やまどり」の手作りパン。
  

東京駅で買った、「銀座のいちごケーキ」。


ぐうぜん入った本屋さんで、「日経WOMAN」8月号
 
「妹たちへ」で、上野さんのエッセイを見つけたので、
手づくりパンを食べながら、新幹線の中で読んだ。

重い本をかかえて帰ってきた名古屋はメチャ暑くてぐったり。
でも、充実した一泊二日でした。
行ってよかったぁーー。

かえってきて、早速おいしいコーヒーを淹れた。

  
いろんな焼きたてパンを買ったのだけど、
くるみパン以外、は帰りの新幹線でおなかの中。
 
明日は、韓国で『市民派議員になるための本』を翻訳して
読書会をして下さっているという、全羅南道の道議会議員の方たち13人が、
わざわざ著者のわたしに会いたいと来日される。
「みどりさんを囲む会~市民派議員と市民派政治」を
企画しているということで、名古屋でお会いする予定。


わたしも韓国のことを知っておかなくては、ということで、
きゅうきょ、図書館や本屋さんを探しまわって、



韓国の歴史や地方自治制度、ジェンダー関連の本などをお勉強中。

光栄だけど、どんな話になるのか、わくわくどきどき。
今夜はねむれそうにない!??


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ターシャ・テューダーの言葉『思うとおりに歩めばいいのよ』『生きていることを楽しんで』

2007-07-17 11:08:14 | 花/美しいもの
大好きな「ターシャ・テューダーの言葉」シリーズの4冊のうち、
最初の本と、最新刊の特別編を紹介します。

素敵な絵のかずかずを紹介できないのは残念ですが、
本の帯と、と、前書きのターシャから読者へのメッセージと、
もくじと、それぞれの章で、こころに残ったページの言葉を、
すこしだけおすそ分けします。

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 『思うとおりに歩めばいいのよ ターシャ・テューダーの言葉』
(ターシャ・テューダー著/メディアファクトリー/2002)

自信のない子供だったのに、こんなに大胆不敵な87歳になってしまったわ。

バーモントの山奥で、ガーデニングと動物とのナチュラルライフを満喫する絵本画家ターシャの、自由な精神あふれる言葉の宝石箱。



「わたしの絵や絵本が日本のみなさまに愛され喜ばれていることを、とても嬉しく思っています。
わたしは、ほかの方に「どう生きなさい」と、アドバイスするようなものは持ち合わせていませんが、
自分がどう生きてきたか、
自分がどう生きたいと思っているのかという哲学はもっています。
そんなわたしの生き方に、日本のみなさまが、
興味を持ってくださるとしたら、そんな価値があるとしたら、
わたしには二重の喜びです。  
                --ターシャ・テューダー」

 
Ⅰ 幸福とは心が充たされること


心は一人ひとり違います。
その意味では、人はいつも"ひとり"なのよ。

Ⅱ 世界を好きなように造れる職業

一生は短いんですもの。
やりたくないことに時間を費やすなんて、もったいないわ。

Ⅲ 子どもの気持ちは、ちょっとしたことで楽しくなる

親が子どもにしてやれることで、特に大切なのは、
子ども時代に楽しい思い出をたくさん作ってやることです。
わたしは成功したと思います。
子ども達に聞いてみてちょうだい。
きっと、そうだと言うでしょう。
わたしは子ども達のために、
あたたかい家庭を作りたいと思いました。
子どもの気持ちは、ちょっとしたことで楽しくなるものです。

Ⅳ ガーデニングとガーリックと山羊の乳

庭の植物は全部好きよ。
それぞれに好さがあって、どれもかわいいわ。

Ⅴ 価値のある良いことは、時間も手間もかかるもの

手作りのプレゼントは,贈り物を二回するのと同じ。
手作りする行為と、プレゼントそのものとで。
ミトンやソックスを編むのは、
みんなの手足がいつも暖かいようにと願うから。
いちばん大事なことですもの。

Ⅵ 死さえ怖くないのは、人生に悔いがないから

人には、自然とのふれあいが必要です。
わたし達はみな宇宙の一部なの。
宇宙を傷めることは、自分の体を傷つけているのと同じことよ。



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『生きていることを楽しんで ターシャ・テューダーの言葉 特別編 』
(ターシャ・テューダー著/メディアファクトリー/2006)

私はいくつに見られようと平気よ。今の自分にできることをすれば、91歳でも堂々と生きられるわ。

憧れの絵本画家ターシャが自らの価値観を余すことなく書き下ろした特別編。本編の写真はすべて2006年に撮影。


だれでも十代の頃は、すばらしい未来を夢見、どんな冒険が待っているのだろうと、胸をふくらませたことでしょう。わたしもそうでした。
おとなになり、結婚をし、子どもが生まれてもまだ、未来は大きな神秘に満ちていました。
やがて人生も半ばを過ぎる頃、ふと振り返ってみると、わたしはいつの間にか、その大きな神秘を歩んできました。
日々の喜び、わくわくするような小さな成果の積み重ね、家族や友人との心温まる交流--それこそが、人生という航海で出会う冒険の数々だったことに気づいたのです。
身の回りのちょっとした出来事の中にある大きな喜びに目を向けてみると、人生ってすごい冒険だと思わずにはいられません。
                   --ターシャ・テューダー

Ⅰ 何もしなければ何も生まれない

失敗や間違いを犯さない人など、いません。
がっかりしてあきらめてしまうという選択もあるけれど、
それから学び、未来を信じて希望を持ち続け、
前を向いて歩んでいくという選択もあるのよ。

Ⅱ 老いていく自分を慈しむ

何事にもそれに適した季節があります。
若い人たちには若い人の季節があり、
高齢者には若者とは違う季節がある。
それぞれの季節に楽しめることを見つけようとすればいいのでは?

Ⅲ わたしを育ててくれた人達

グウェンおばさんは、いつまでも子どもの心を持った楽しい人でした。
いくらでも本を読んでくれたし、
子ども向けの劇を作り、演出してくれたりしました。
夜遅くまで起きていてもかったし、
チョコレートを好きなだけ食べていいといわれたこともありました。
両親の仕事の忙しさや離婚で、
家庭的なぬくもりを知らなかったので、
グウェンおばさんの温かい家庭は、夢のようでした。
グウェンおばさんには心から感謝しています。

Ⅳ それぞれの子どもに、それぞれふさわしいことを

親が、自分ができなかったことを、
子どもにさせてやりたいと思う気持ちはわかりますが、
その結果、子どもに干渉しすぎるようになっているのは残念なことです。
子どもは、のびのびとした楽しい子ども時代を過ごし、
その間に自分で感じ、考え、夢を見、決断し、実験する必要があるのです。
子どもは大人のミニ版ではないのですから。

Ⅴ 完璧なのは咲いたばかりの花くらい

家事も仕事も完璧になんて、いくわけがありません。
そもそも、わたしには、完璧にこなしているものなんて、ひとつもないわ。
ただ、問題が起きたらそれを克服しようとベストを尽くし、
仕事では絵の腕を上げようと努力しているだけ。
だいたい、世の中に、完璧なものなんて、まずないでしょう--
完璧なのは、開花したばかりの花や、
生まれたての赤ん坊くらいじゃない?

Ⅵ 自分の家を好きなようにできる一人暮らしの楽しさ

わたしにとって、自然とは、
植物、コーギ、ヤギ、初春の若葉、川の流れ、
美しい満月、秋のブナの紅葉、
雪の汚れのなさ・・・挙げきれないわ。

Ⅶ 絵本作りと旅

想像は人生に欠かせないものです。
想像がなかったら、世界は、味気ないこと極まりないでしょう。
人生の楽しみは半減し、文学や芸術、発明も、滞ってしまうでしょう。

Ⅷ この世は生きている人のもの

生きていれば、落ち込むこともあります。
状況を好転できると思ったら、ぜひ努力すべきです。
でも、変えられないなら、
それを受け入れて歩み続けるしかありません。
何があっても「生きてることを楽しもう」という気持ちを忘れないで。

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完璧なのは、咲いたばかりの花くらい


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「女性の出番だ」(中日春秋)/「いのちは大切にされているか」 &比例投票先世論調査(朝日新聞) 

2007-07-17 09:39:13 | ほん/新聞/ニュース
台風が去ったと思ってほっとした昨日の午前中、
新潟を中心に大地震が起きた。

時間がたつにつれて、被害に大きさが報道され、胸がつぶれる思いだ。
じゅうぶんな水や食べ物、安心して眠れる場所が、
人間らしい暮らしが、すべての被災者にすみやかに確保されることを願っている。

ところで、

12日に参議院選挙が始まって、新聞各社が特集を組んでいる。
15日には、日進市長選も告示され
「激戦愛知の前哨戦」「無党派層の動向注視」と注目されている。


2007.7.16朝日新聞

奇しくも、15日の中日春秋 (中日新聞コラム)は、「男女共同参画白書」に触れて、
「女性が日本を救う」「女性の出番はきている」と結んでいる。

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【コラム】中日春秋 (中日新聞2007年7月15日) 
 日本が先進国ではないと言われれば、多くの人が反発するだろう。でも政府が閣議決定している二〇〇七年度版の「男女共同参画白書」を読むと、反発できそうにない

▼女性の社会参画の現状を、アジアや欧米などの十一カ国と比較した数字が載っている。働く女性の割合で見ると、約41%と各国とほぼ同水準だが、管理職に占める割合は約10%にすぎない。フィリピンの約58%、米国の約43%に比べて著しく低く、十二カ国中の十位にとどまる

▼国会議員に占める割合は十一位、国家公務員に占める割合もデータがない二カ国を除いて最下位。これでは白書も「日本の女性の社会参画は、国際的に見ても全般的に低い水準」と書かざるを得ない

▼政府は二〇年までに、管理職など「指導的地位に女性が占める割合」を少なくとも30%程度にする目標を掲げている。達成できたとしても国際的に高い水準と誇れそうにないが、先進国の仲間には入れてもらえるだろう

▼『メガトレンド』などのベストセラーがある米国の未来学者ジョン・ネイスビッツ氏はかつて「女性が日本を救う」と話していたという。日本は男性という「半分の能力」だけを使って発展してきた。その社会に、企業に問題があると思うならもう半分の能力、女性を登用すればいい。必ず変革できる。これがネイスビッツ氏の日本分析になる

▼年間の自殺者が三万人を超え、うつ病で苦しむ人も増えている。利益優先の中で信頼を失う企業が後を絶たない。これ以上の事例を挙げなくても、とうに女性の出番は来ている。
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ほんと、国政も地方政治も、政策決定の場にこそ女性の出番が必要だと思う。

こんどの参院選で、政党やマスコミは、選挙の最大の争点を「年金」としている。
いま起きている年金のことは、たしかに大問題だけど、
年金制度がちゃんと法的に整備され運用されていれば起こらなかった事件で、
これは「負の政策」というべきで、争点は年金だけではない。

ということで、参院選の争点で、いいなと思った視点の記事。
朝日新聞の早野透さんのコラム「ポリティカにっぽん」。
「いのちは大切にされているか」。


2007.7.16 朝日新聞

 「12日、天下分け目の参院選がスタート。各党党首が第一声をあげたその夜、東京新宿駅前の雑踏のなかで、がんと闘いながら比例区に立候補したYさんが妻や支援の人たちに囲まれて第一声をあげた。がん対策や自殺対策、年金、非正規雇用の問題など、静かに心をこめて語るY氏の言葉に耳を傾けながら、こんどの参院選のほんとの争点は何か、私はとつおい考えた。
Yさんは58歳、民主党の現職の参院議員。一昨年暮れ、胸腺にがんを発見、余命半年と宣告された。「がん患者になり、でも一年半、生かされて、私は国会議員の仕事は人々のいのちを守ることと思ったんです」と第一声の演説を始めた。・・・・・・」

「・・・・参院選公示前の6日、「生きるということ」というフォーラムが都内で開かれた。福祉ジャーナリストの大熊由紀子さん、乳がん女性のリーダー俵萌子さん、在宅ケアに取り組む医師山崎章郎さんからが「がんイコールリタイアではない」「がん患者はサポートしてくれる周りの人々との交流の中に生きる意味を発見する」など語り合った。借金の保証人になった父が辞さした悲しみを、その娘が語った。Yさんが立ち、「生きるって何だろう。月並みだけど、人間らしく普通に暮らしたい、最後まで人間の尊厳を持って生きるということではないか。それを守るのが政治の責任。だから、戦争をしてはいけない」と結んだ。
柳沢伯夫厚労相の「女性は産む機会」発言も、久間章生防衛相の「原爆投下はしょうがない」発言も、共通するのは「いのち」の営みを軽んずる感覚である。人々を「上」から見下してあれこれ詮議し、「下」を差配する感覚である。・・・・・・」

「・・・・・・こんどの参院選の争点は、年金であり、教育であり、憲法であり、消費税であり、主張する外交であり、「戦後レジームからの脱却」であり、「美しい国」であるかもしれない。だが、その奥底にあるほんとの争点は、「いのちを大切にすること」から出発しているかどうかということなんだなと私も思った。・・・・・・」


早野さんの言葉に、強く共感する。


昨日の朝日新聞の一面には、比例代表の「世論調査」の数字が載った。
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比例投票先 民主30%、自民23% 本社連続世論調査

朝日新聞 2007年07月16日

 朝日新聞社が14、15の両日実施した参院選の第10回連続世論調査(電話)で、「いま投票するとしたら」として聞いた比例区の投票先は、民主が30%(前回26%)と伸び、自民は23%(同22%)だった。選挙区でも民主32%(同28%)、自民26%(同25%)と、民主が増加傾向だ。安倍内閣の支持率は30%(同31%)、不支持は55%(同51%)で、不支持は就任以来、最高を記録した。
 参院選が公示され、投票先を明らかにする人が増えている。そのなかで民主の伸びが目立つ。
 5月12、13日の第1回調査の投票先は、比例区が自民28%、民主21%、選挙区が自民31%、民主22%と、自民がともに優位だった。比例区では第5回に民主が初めて自民を上回り、一度は互角となったものの、第8回以降再びリード。今回、大きな差をつけた。選挙区も第5~8回は競り合っていたが、第9回で民主がやや上回り、今回さらに水をあけた。自民、民主以外の今回の比例区投票先は公明5%、共産4%、社民3%など。
 選挙の結果、与党と野党のどちらの議席が多数を占めてほしいかでは、「野党」が54%(前回48%)とこれまでで最多となった。「与党」は29%(同29%)だった。
 年金記録の問題で国民の怒りが「まだ続いている」と思う人は88%と依然として高い。自分の年金に対する不安が「解消していない」人も50%と半数にのぼる。「解消した」は11%、「もともと不安はない」は33%だった。
 赤城農水相の事務所費をめぐる政治資金問題で安倍首相の対応が「適切ではなかった」とみる人は71%に達した。「適切だった」は15%にとどまる。投票先を決めるとき「政治とカネ」の問題を「重視する」は68%にのぼる。

 ●首相の印象「悪化」45パーセント
 今回の世論調査では、「最近の発言や行動をみて安倍首相の印象がよくなったか」どうかを聞いた。「よくなった」が6%にとどまるのに対し、「悪くなった」が45%にのぼった。「変わらない」も45%。参院選では安倍首相を「選挙の顔」と押し立てる自民だが、有権者の首相を見る目は厳しいようだ。民主の小沢代表は「よくなった」が10%、「悪くなった」が14%で、「変わらない」が71%と最も多かった。
 安倍首相の印象が「悪くなった」は男性で47%、女性で43%。民主支持層では「よくなった」が3%、「悪くなった」が59%。無党派層でも「よくなった」は2%、「悪くなった」が49%だった。自民支持層で「悪くなった」が26%と、「よくなった」の15%を上回るのも目を引く。
 参院選公示前からメディアに積極的に登場するなど国民へのアピールを狙った安倍首相だが、いまのところ効果はあまり出ていない形だ。
 小沢代表の印象は「変わらない」が男女、年代を問わず圧倒的。無党派層でも「変わらない」が79%と多く、「よくなった」7%、「悪くなった」11%だった。

 〈調査方法〉全国の有権者を対象に「朝日RDD」方式で電話調査した。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は1118人、回答率は65%。連続調査は5月12、13日から毎週末に実施している。
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「政治」は、いのちを守り、一人ひとりが幸せに生きるためにこそある。
わたしたちの、一票一票の積み重ねで、政治はかえることができる。
わたしたちが望むなら、
「女性の出番」も「いのちを大切にする政治」も実現できる、とわたしは思う。

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チェリーセージ 「ホットリップス」・メドーセージ・コリアンダー・フェンネルetc/ハーブの花たち

2007-07-16 14:11:32 | 花/美しいもの
台風が梅雨空をいっそうしてくれたようで、
抜けるような青空。今日も一日暑くなりそうです。

庭には、簡単な霜よけで冬越しした
チェリーセージ 「ホットリップス」(シソ科 ・サルビア属<)が、
5月から咲いています。


一昨年植えた株で、宿根草では真っ先に咲いてくれるのがうれしい。
サルビアの仲間でサルビア・ミクロフィラと呼ぶこともありますが、
花色からチェリーセージとばれることが多いようです。
花期がたいへん長く秋まで咲きつづけます。

花は2個ずつ咲き、2羽の小鳥がおしゃべりしてるようで、
それぞれ個性的な色と表情で、なんとも愛らしく、
見てると自然に笑みがこぼれます。
  

  

暑くなってきて、咲きつかれたチェリーセージのお隣には、
メドーセージ(サルビア・グアラニティカ)が咲いています。

濃い紫色の花が美しく、一目見たら忘れられない素敵な花です。
秋にきり戻して霜よけしたら、越冬しました。
草本かと思って調べたら、シソ科アキギリ属の常緑小低木とのこと。 
  

  
どうりで、大きくなるはずです(1メートルくらい)。
大きく口を開けた、ヘビの頭のような花です。


ここからは、畑のハーブの花。
いずれも去年のこぼれ種からの自生です。

フローレンスフェンネル


フェンネルシード(種)のハーブティは、ダイエット効果があるとか。
種を収穫してみようかな。
  

コリアンダー(パクチー、香菜)

コリアンダーは中国ではシャンツァイ、タイではパクチーと呼ばれます。
エスニック料理には欠かせないもののひとつですが、
匂いは強烈で大好きな人と嫌いな人に分かれます。
  
ちなみにわたしは苦手。だいぶん慣れましたけど・・・(笑)。
完熟したタネ(コリアンダーシード)はあまい芳香があり、
カレーやピクルス、ソーセージにスパイスとして利用されます。

ボリジ(スターフラワー・ルリヂシャ)

瑠璃色の星型の花が美しく、
一日のうちで、ピンクからブールに色が変わります。
  

真っ白な小花をたくさんつけるにんじんの花もきれいです。
ちょっと撮り遅れたかな、と思って見に行ったら、
  
すでに、種になった花もあります。
  
チクチクとげとげのにんじんの種です。

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『越境の時』(鈴木道彦著)&『北朝鮮へのエクソダス 』(テッサ・モーリス・スズキ著)

2007-07-16 00:14:09 | ほん/新聞/ニュース
台風一過、すがすがしい青空。気温は一気に上がって蒸し暑い。

岐阜新聞を読んでいたら、「こんにち話」に懐かしい名前を見つけた。
記事を書いたのは、共同通信記者、原真さん。
原さんの初任地は84年頃の岐阜支局で、わたしがかかわった、
「指紋押捺拒否者を告発させない会」や農薬空中散布の反対運動の
岐阜発の記事を、当事者に寄り添って書き、全国に発信された。
というより、行政との話し合いや運動の現場には必ずいらして、
公私ともに親しくしていただいた。
その後、京都から仙台、ニューヨークに転勤され、
いまは東京の本社に戻ってみえる。

わたしが『市民派議員になるための本』を書いた時は、
はるばる岐阜まで取材に来て、本の記事を全国配信してくださった。

わたしもそうだけど、初任地の岐阜で出会って以来、
在日朝鮮人の問題は、きっとおたがいにとってライフワークだ。

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こんにち話 
在日朝鮮人帰国事業 国にも推進した責任
     歴史学者 テッサ・モーリス=スズキさん



<1959年からの「帰国事業」で9万人以上の在日朝鮮人が北朝鮮へ渡った。この民族大脱出をめぐり、関係国や機関の公文書などから新事実を発掘し「北朝鮮へのエクソダス 」(朝日新聞社) として出版した。>
 日本の中のマイノリティ(少数派)に興味を持ち「在日」の戦後史を研究しています。その一環として帰国事業を調べ始め、事業を監督した赤十字国際委員会を3年前に訪ねた。当時の文書の機密指定がちょうど解除され、閲覧できました。
 帰国事業は在日や北朝鮮が要望し、日本政府や日本赤十字社が人道的立場から対応したというのが通説でした。ところが文書によると、要望が出るずっと前から、政府と日赤は帰国を推進しようとしていたのです。驚きました。 在日には共産主義者や生活保護の受給者が多く、犯罪率も高いというイメージがあった。"厄介者"を送り返そうとしたのです。世論が帰国事業を支持したことも、日米安保条約改定で批判されていた岸信介政権にとっては、推進する動機になった。韓国との国交正常化交渉でも、一種の切り札として使いたいと思っていたようです。
 実際、帰国事業は世界的な出来事でした。冷戦下で関係国は自らの国益のために、これを利用しようとした。北朝鮮は経済計画を実現するのに労働力が必要だった。韓国は事業に反対したものの、自らは在日を受け入れなかった。米国は韓国の意向を知りながら、日米安保を優先し反対しなかった。中国も旧ソ連も・・・。在日のことを考えて立場を取った国はない。悲しい話です。
 帰国は「自由意志」だったといわれる。でも在日からすれば、民族差別のある日本に残るか、(ほとんどが朝鮮半島南部の出身者だったため)よく知らない北朝鮮へ渡るかという、難しい選択でした。多くの人は、何とかなるという気持ちだったのではないか。そんなに喜んで行ったわけではないでしょう。
 日本政府は戦後、在日に対し、国籍選択権や永住権、福祉などの権利を認めるべきでした。その上で、日本にとどまっても、北朝鮮か韓国に行ってもよいということにすれば、自由意志と言えたかもしれない。もしそうなっていたら、あのような大量帰国はなかったでしょう。 その後、日本が難民条約に加入したことで、在日の状況は改善されたとはいえ、課題は多い。政府はせめて地方参政権や、日本との二重国籍を認めるべきだと思います。

 <北朝鮮をめぐっては核や弾道ミサイルの開発、日本人拉致問題で国際的緊張が続き、脱北者も後を絶たない>
 帰国事業に参加した元在日の脱北者や、親類が帰国した在日の人たちに会いました。話を聞くと、過去ではなく、現在の問題だと痛感します。日本は帰国事業に責任があるのだから、元在日の脱北者が希望すれば、受け入れるべきです。
 日本政府は拉致問題で強硬な姿勢を取っていますが、袋小路に入っている。北朝鮮の核に関する六カ国協議では、米国ももう少し柔軟な姿勢を示しています。安倍晋三政権は拉致や脱北者の問題を北朝鮮の体制変革につなげたいようです。しかし、外から介入して急に新体制をつくろうとすると、イラクのような状況になりかねない。長い目で交渉を続けるうちに、中から変化が起きると思います。
(聞き手は共同通信記者・原真、写真 小島健一郎)
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てっさ・もーりす=すずき
1951年英国生まれ。バース大学で博士号。オーストラリアのキャンベラ在住。オーストラリア国立大教授。専門は日本経済史、日本思想史。著書に「辺境から眺める」(みすず書房)「批判的想像力のために」(平凡社)「自由を耐え忍ぶ」(岩波書店)など。
(2007.7.15 岐阜新聞)
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『北朝鮮へのエクソダス―「帰国事業」の影をたどる 』
(テッサ・モーリス・スズキ著、田代 泰子翻訳、朝日新聞社)


ところで、
先月東京に行ったとき、上野さんから
「越境の時 1960年代と在日」(鈴木道彦著・集英社新書)をいただいた。
この本は、上野さんが鈴木道彦さんに書くことをすすめた本、とのことで、
わたしが、在日の問題に関心があるので、わたしの元に届けてくださったのだ。

  
「越境の時 1960年代と在日」(鈴木道彦著・集英社新書)

帰りの新幹線で、『越境の時』を読みとおした。
予想通り、わたしにとって衝撃的な本だった。

「仮にこうした問題で通り一遍の建前論とは異なった、多少は意味のある言葉を
自信を持って綴れるときが来たならば、たぶん私の言語状況も幾分変わるだろ
う」・・・・そのときから本書まで、私は在日朝鮮人の問題と日本人の関係を
テーマとする文章を、一度も書いたことがない。その間に指紋押捺の運動があ
り、従軍慰安婦の問題も明るみに出て、私は重大な関心を抱いて成り行きを見
守った。・・・・・」

鈴木さんの思いは、わたしの思いと重なる。
幼いころの在日コリアンの友を忘れられないわたしも、
在日の問題に長い間、有形無形にかかわってきたから、
こころを痛めて見ているしかない。

6月25日の中日新聞夕刊の文化面に、鈴木さんの文章が載ったので、
他の在日関連の記事といっしょに紹介したい。

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 過去の反省と他者への想像力
戦後を見つめなおし ねばり強い対話を
(2007年6月25日 中日新聞)


 このところ続けて私の回想記が2冊出版された。若いころのフランス滞在を中心とする20年前に書いた「異郷の季節」の新装版(みすず書房)と、1960年代から10年余り取り組んだ在日朝鮮人問題を振り返る「越境の時」(集英社新書)である。
 仏文学選考の私が、なぜこのように在日のことに関わったのか。理由は色々あるが、一つにはこれが、最初のフランス滞在の時のアルジェリア体験と密接にからんでいたからだ。
また、在日朝鮮人問題とは日本人の問題にほかならないことを、ある時期に理解したためでもある。さらに私はこの回想記を書きながら、それが依然として日本人の問題でありつづけていることを、日々の報道を通してますます実感した。
 たとえば、現在の朝鮮半島をめぐるテレビ報道である。むろん北朝鮮がとんでもない独裁的軍事国家で、いくらか戦前の日本を思わせることは、専門家でもない私にも用意に推察できるし、拉致の被害者や老齢に達したそのご家族のことを考えると、一刻も早い解決を願わずにはいられない。だがその一方で、マスメディアが声を揃えて毎日のように北朝鮮の脅威を伝えるのを見ていると、それ自体がぶきみでさえある。ひたすら「鬼畜米兵」への憎悪を煽って「愛国心」をかきてたて大戦中の報道を連想するからだ。またそれ以外の言論をいっさい許さない、といった風潮も、はなはだ危険なものに見える。
 すくなくとも私たちは、まず北朝鮮が日本の旧植民地で、戦後60年余りたった今も国交が正常化されていないことを忘れるべきではないだろう。この関係を早急に解決することは、かつてこの国を不当に支配してきた日本の責務ではないか。
 いったい戦後の日本は一度でも、この過去の植民地支配を反省したことがあったのだろうか。北朝鮮だけではない。日韓条約(1965年)の締結に向けて、50年代から十数年にわたって続いた日発言で、会談はしばしば中断に追い込まれたのである。 このように他者への加害を真剣に反省しなければ(アジアの他の民族に対しても同様である)、相手に皇民化を強いたことも、その言語や名前を奪ったことも、さらに第二次大戦中に、数十万人の朝鮮人を日本に連行して過酷な労働に字氏させたことも、重大なものに映るわけはない。日本の戦後史はそれらを過小評価し、その意味を薄める60年だった。・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・
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【土曜訪問】六カ国協議常設化へ論陣 姜 尚中さん(政治学者)
2007年6月23日 中日新聞


 「しんどいけど、あと三年は前を向いて走ろう。振り返るのは、それからでもいい」。政治学者で東大教授の姜尚中(カンサンジュン)さん(56)は、訪ねた東京・本郷の研究室で、何度もこう言った。それは単に、一九五〇年に在日二世としてこの国に生まれ、今から三年後の二〇一〇年に還暦の区切りを迎えるからというだけではない。日韓併合から百年、朝鮮戦争から六十年という「僕にとってとてもモニュメンタルな年だと思っているからなんです」。いつもの低い声と静かな口調で語りかけた。
 『姜尚中の政治学入門』『ニッポン・サバイバル』(ともに集英社新書)や『愛国の作法』(朝日新書)など次々に新刊を出し、テレビ討論番組の常連としても知られている。新聞や雑誌の寄稿やインタビュー、各種のシンポジウムでも発言を続けるほか、最近は各地の大学に招かれて十代から二十代の若者たちに向けて話すことも多くなった。
 先月、『増補版 日朝関係の克服』(集英社新書)を刊行したばかり。六カ国協議の常設化こそ世界に残された最後の「冷戦」を緩やかに終結させる補助線であるという、二〇〇三年の旧著以来、自身が張ってきた論陣を「お蔵入り」させたくなかったためだ。今年一月にベルリンで持たれた米朝協議も、大きなきっかけの一つだったという。
 「常設化されれば、米国の単独行動主義がこの地域で封印される。逆に言うと、日米という二国間に偏った日本の地域的安全保障が、六カ国協議という多国間交渉に移る足場になるということ。多国間安全保障による信頼醸成のメカニズムが存在していないことが、日中や日韓の間に絶えず不安を生み出している原因ではないでしょうか」
 その六カ国協議は、米首席代表であるヒル国務次官補が電撃訪朝するなど、確実に展望が開きつつある。
 「あと三年で北朝鮮がこれからどのように変わるかはともかく、現在の補助線を引いていけば、二〇〇〇年六月に実現した南北首脳会談が再び行われる可能性もある。何らかの形で米朝の正常化、日朝の国交正常化に向かっていくかもしれない。それは長い目で見ると、二十世紀の宿題が終わったということですよ。朝鮮半島とそのゆかりの人々が、大きな重荷を下ろして新しく出発できれば、そのとき初めて(日本)列島と半島の人たちが新しい時代を生きられるのではないか。併合から百年かかって宿痾(しゅくあ)を切除できれば、二〇一〇年は僕にとって非常に感慨深い年なんだという思いが強くあるんです」
 あまりにもおめでたい理想論ではないか、在日だからそういう偏頗(へんぱ)な考えを持つのだと嗤(わら)う向きもあろう。そうした謗(そし)りを受けないためには、あの人の言うことだから耳を傾けてみようかと思わせること。そのために自身に下した決断が、土日も返上して機会を見つけては、さまざまな媒体で発言するというものだった。毎週一度、一、二年生向けに駒場キャンパスで行っている講義には、何と千人近い学生が登録しているというから驚く。当然、通常の教室では収まり切れず、講堂を使って講義しているのだという。
 多忙を極める中で現在温めているテーマが、岸信介と丸山真男。一見交わらないように見える二人の人物を通して、この国の「戦後」という思想の本質を描くべく、少しずつ準備を進めている。「いってみれば、安倍政権ができあがったのも、戦後における岸的なものが脈々と生きていたわけで、それは一体何なのか、ということを考えてみたい。政治家と学者、時代も十年ほど違いますが、自分なりの『戦後』の収支決算といえるでしょうか」
 併せて、自分を間に挟んだ在日三世代の歴史を通して「戦後」を語るという計画も持っているという。「そうすると、六十歳で一応の区切りがつく。その後は、南北の統一と今後の東アジアの行く末について書いてみたい」と続けた。
 拉致問題などがヒートアップしていたころ北朝鮮問題を語る自分は、完全に孤立していたと思っていた。著作が読まれるのは、いわゆる「お付き合い」だろうと猜疑(さいぎ)心にかられたこともあった。それがここ数年は、肯定的に見守られている確かな手ごたえがあるという。
 「大きな力添えになります。わずかな自己満足かもしれないですけど、僕の言っていることを聞いてもらえる状況は、以前よりも増えていると思います」 
(久間木聡)
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【土曜訪問】差別や民族分断の悲しみを歌に 李正子さん(歌人) 
2007年6月16日 中日新聞


 三重県伊賀市の住宅街にある喫茶店「駕洛(から)」。濃い茶色のドアを開け、「イ・チョンジャさん、いらっしゃいますか」と声をかけると、奧から黒のノースリーブのシャツ、ジーンズ姿の女性が出てきた。店のママで在日韓国人二世の歌人、李正子さん(60)。

 <生まれたらそこがふるさと>うつくしき語彙(ごい)にくるしみ閉じゆく絵本

 中学校や高校の、一部の国語教科書や副読本に掲載されている歌だ。絵本の中の「生まれたからそこがふるさと」という美しい言葉も、生まれた土地を単純にふるさとと呼ぶことができず、苦しいものでしかない-絵本をめくる少女の指先のとまどいの様子が読む者の心をえぐる。
 李さんがこの歌を詠んだのは一九八五年ごろ。多くの在日韓国・朝鮮人が、外国人登録証切り替えに必要な指紋押なつ拒否運動を行った時期だった。「日本に住んでいる米国人は在日米国人とはいわないのに、どうして韓国人は…」。「在日」という言葉の響きに強い違和感を覚えていた。
 「在日」への指紋押なつは廃止されたが、今も心は晴れない。「在日にはいまだに参政権がない。『差別がない社会を』との行政のうたい文句が空言に思えます」
 中学生のとき、教室で在日韓国人は一人だけだった。国語の授業で先生が読む石川啄木や若山牧水などの短歌を初めて聞いたとき、孤独感がいやされた。学校で使っていたのは本名と違う日本名「香山正子」。朝鮮人がなぜ日本に。心の中で本当の自分を探すように万葉集や与謝野晶子の短歌を読みふけった。
 高校卒業後、地元の在日系の銀行に就職した。職場には日本語に交じって時折、朝鮮語が飛び交い、故郷を少しでも感じられるのではないかとも期待したが、「ここは日本でも朝鮮でもない場所」と感じてなじめず、結局一年で辞めた。
 「チマ・チョゴリを着て街を歩かないでほしい」。同じころ、結婚まで考えて交際していた日本人の男性から言われた一言で二十歳の恋は壊れた。絶望感や行き場のない苦しみを短歌に詠み、昇華させた。

 はじめてのチョゴリ姿に未(いま)だ見ぬ祖国知りたき唄(うた)くちずさむ

 そのころ、新聞歌壇に投稿したこの歌が、歌人近藤芳美さん(昨年死去)の目にとまり、短歌の道を歩むきっかけになった。近藤さんの主宰する結社「未来」に入り、三十四歳の八四年、第一歌集『鳳仙花(ポンソナ)のうた』を刊行。当初は五百部ぐらいと予想していたが、二千部以上が売れた。思わぬ反響だった。以来、歌集『葉桜』『マッパラムの丘』などを出し、社会の差別や民族分断の悲しみを歌で表してきた。
 「初めて歌集を出したとき、民族を赤裸々に詠むことに対して家族や在日の同胞から反対された。原稿を書きながら眠れぬ夜が続きました」と振り返る。苦悩を救ったのは、近藤さんの『今、人々に問わなくては』との励ましの言葉だった。
 「三十一文字を基本とする短歌では、小説のように多くの人物を登場させ、語らせることができない。どこまでも自己を凝視して内面の世界にうずくものを覚えないと歌えない。韓国人として日本社会でどう生きていくかが問われるのです」
 教科書に掲載された短歌や歌集を見て、遠方から喫茶店を訪ねる人がいる。「来る人のほとんどが日本人なんです。学校や職場でのいじめ、家族との確執…。苦悩の形は違うが、あのころ、私が感じていた心の痛みに共感してくれているのでしょうか」
 取材を終えた帰り際、五年ほど前に日本人女性と結婚した二男夫妻の写真を見せてくれた。「大きな壁を乗り越えて結ばれた二人を見ていると、たくましさを感じますね」とほほ笑んだ。
 第五歌集の刊行に向け、未来や希望を感じさせる短歌を詠みたいという。「朝鮮語の『恨(ハン)』は日本語の恨みの意味でなく、世の中の悲しみや苦しみを受け入れ、自己を解き放つことなんです。不自由を乗り越えた先にきっと自由が見つかる」と信じる。

 おおぞらへ風にまかせる雲のよう恨は不自由に自由をみている

  (紙山直泰)
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思えば50年、わたしは彼女のことを忘れたことはなかった。

問われているのは、わたし、の、人生である。

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