常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

青空

2013年01月05日 | 日記


新年になって初めて青空を見る。気温も心なし高めのような気がする。朝日に誘われて、今年初めての階段登りをする。1階から屋上までの階段を10往復、約50分の運動だ。しばらく休んでいたので息切れを覚悟していたが、以外に普通に終えることができた。6往復目あたりから、汗が頭や顔、上半身を中心に流れ落ちて来る。運動を終えてシャワーで汗を流す。シャワーもまた今年初めてである。給湯管に空気が入っているのか、シュッシュッと音がしてからお湯が出てくる。シャワーで汗を流すと、実に新鮮な気分になる。

今朝から夏目漱石の『三四郎』を再読している。以前読んだときは難しい小説という印象を受けていたが、九州から東京の大学へ入学した学生の話は、青春小説のように瑞々しく新鮮である。上京の汽車のなかで出会った女性に頼まれて旅館に同宿することになる三四郎は、風呂で背中を流しましょうといって平然と入ってくる女に驚くのみである。別れぎわに、「あなたは度胸がないのね」と言われて、さらに驚く。年を経て読む青春小説も昔と変わらず、むしろその清々しさに心を打たれる。

昭和17年正月元日。旧暦のこよみを売ることを禁ぜられたれば本年より我らは太陰暦の晦朔四季の節を知ること能はずなりぬ。昨夜月の円きを見たれば今日は十一月ならずば十二月の十三、四日なるべきか。空晴渡りて一点の雲もなし。郵便受付箱に新年の賀状一枚もなきは法令のためなるべし。人民の従順驚くべし悲しむべし。野間五造翁ひとり賀正と印刷せし葉書を寄せらる。翁今なほ健在にて旧習を改めず。喜ぶべきなり。

永井荷風の『断腸亭日乗』昭和17年正月の項である。これを見ると、荷風は日記を旧暦に従って書いていたことが分かる。今日は二十四節気の小寒である。この節気の次が大寒である。この古来の暦が、季節のめぐりを知らせてくれる。ここ20日間ぐらいが寒さのピークである。そのあとには節分がきて立春がくる。

杉山に錆色の寒しづかなり 西山 禎一

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする