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滝山小学校から小立を通り、山道への入り口に石行寺がある。最上33観音第7番札所岩波観音である。かつて瀧山三百坊の天台修験があったと伝えられるが、岩波観音の別当をつとめる石行寺はその元締めの寺である。山門を入って本堂の南側の庭園は、名園として市民に親しまれている。
縁起によれば、石行寺は天台宗の名刹で、和銅3年(710)の開創と伝えられている。本尊の11面観世音は、前を流れる龍山川の下流で発見した霊木を刻んだと言われる。後に山形城主最上義光から寺領400石が寄進され、近在の村から人足が出て、基礎工事の土搗つまりドンヅキをした。「ヨイトコラマーケ」という勇ましい掛け声を掛けて仕事を進めた。
月山に対面する蔵王が、月山信仰の対比をなすが、その前山としての瀧山の果たす役割は大きかった。最上義光の時代、城の守護として、寺への信仰は篤いものがあった。