雪が降ってきた。朝から、積もりそうな雪である。午後になって道路も、駐車場も、付近の畑も、山もびっくりするくらい雪が積もっている。日が差さないので、昼間から薄暗い。雪が少なくて助かっているという気持ちが一気に吹き飛んでしまいそうな雪である。ただし、気温は比較的高い。雪には、多分な水分を含んでいる。
朝、蒲団から抜け出るのがしんどい。もう少ししてと思っているうちに、睡魔がやってきて、時でもない朝寝に引き込まれてしまう。蒲団という言葉だが、これは蒲の葉を編んで作ったために蒲団という文字が使われた。布を用いるようになって、布団と表記されるようになっとも言われている。思えばかっては日常の生活用品が、すぐそばで自生している植物が用いられていたは当然のことではあるが、そんな常識すら遠いものになってしまった。
では蒲に続く団はどんな意味があるのであろうか。いまは、座布団にしても四角であるが、以前には丸い形の座布団が用いられた。座禅の際には円座が用いられた。そのために蒲団という名称が使われていたのであろう。
冬蒲団妻のかほりは子のかほり 中村草田男
田山花袋の小説『蒲団』は、中年の作家のもとに弟子入りする女学生との間に生まれる恋を描いた私小説である。女学生に恋人があることを知った作家は、嫉妬のあまり破門するのであるが、彼女を忘れることができずに使っていた蒲団の残り香を嗅ぐ。そのシーンは生々しいエロチシズムに溢れている。
今日、山形岳風会の初吟会。大勢の仲間に会い、色々な話に花が咲く。それにしても、集う仲間は、年を重ねていくばかりである。若い仲間がこないかぎり、会の発展はないであろう。