6世紀にインドの王朝がエフタル族の侵入を受けて仏教は抑圧された。ここで仏教徒は地蔵菩薩というイメージを作りあげた。釈迦が入寂してはるか未来に弥勒佛が出現するまでの暗黒の期間に人々を教化し救済してくれるのがお地蔵さまだ。ここから地蔵信仰が始まる。この信仰が中国に伝わると、お地蔵さまは地獄の閻魔大王に対抗する力を持つものと解釈され、地蔵信仰は地獄の閻魔さまから苛められないご利益があるとされて大いに広まった。
日本では平安時代のなかごろから地蔵信仰が盛んになる。土地の守護神である道祖神と結びついて、お地蔵さまは街道筋や村の教会に石像として置かれるようになった。道祖神は村に厄病や災難が入ることを防いでくれる神である。地蔵さまを祀っておけば、無病息災でさらに極楽往生が遂げられるというご利益のある信仰である。
地蔵信仰は道祖神だけでなく他の民間信仰ともさまざまに結合した。ひとつには、子供の守護神ということになり夏の子供祭りとして地蔵盆が行われる地域も多い。二つ目は、「延命地蔵」「とげ抜き地蔵」など特定のご利益をもたらしてくれるお地蔵さまが生まれた。さらに、23夜の「月待講」と結びついた地蔵講が毎月催される。明日24日は「納めの地蔵」である。