常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

雪晴れ

2013年12月29日 | 日記


日一日と年の瀬は暮れていく。昨日から降り続いた雪が小康となり、日差しのなかに近くの山の雪景色が間近に迫ってくる。空気と光のかけあいで、窓の外の風景は日々違ったもの見える。思えばこの一年、過ぎ去るのも早かったが、その中の日々を振り返ってみれば案外充実した時間だったような気がする。畑仕事では、雑草や野菜の成長に負け気味であったが、畑からの野菜を毎日食べることができた。冬になっても大根や葱はまだ畑のものが食べられる。

雪の中を歩くことに楽しさを覚えるようになっている。本棚の奥から探し出した本のなかに、故人となった人の体験が幻のように目の前に浮かびだしてくる。飄然と旅に出て、酒に親しんだ若山牧水の「雪の天城越え」の文章を読む。

「温泉場の裏からすぐ登り坂になっていた。一里二里と登って漸く人家も絶えた頃から思いがけない雪が降り出した。長い萱野を中の坂を登って御料林の深い森の中に入る頃には早や道には白々と積っていた。(中略)峠に着いた時には既に七、八寸の深さになっていたが其処の茶屋で飲んだ五六合の酒に元気を出した留めらるるのを断りながら終にその日、天城山の北の麓に在る湯が島温泉まで辿り着いたのであった。

天城嶺の森を深みかうす暗く降りつよむ雪の積めども音せぬ 若山 牧水

百田直樹の『永遠の0』が映画になった。ロングセラーになったこの小説は300万部が売れたという。文庫を買って再読。この正月ににはぜひ映画も見たい。
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