夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

ホルプ滞在記〈その11〉

2006年07月04日 | ほぼ非映画(旅行)
やっとこさワールドカップ観戦の日。
試合開始は午後9時なので、まだまだ時間はたっぷり。
まずは友人に頼まれていたサッカーグッズを求めて
思いっきり町のスポーツ店「ネッカースポーツ」へ。

4年前にも訪れたことがありますが、
店主は相変わらずとっても優しげな親父さん。
もちろん英語は不可、「ヤパ~ン(Japan)」しか通じません。

友人の息子さんたち用にサッカーグッズを物色。
日本で買えるものを買っても仕方ないし、
レアそうな、でもマニアックすぎないものを選ばなければ。
Tシャツはぴったりのサイズがあったけど、
サッカーシャツが大きすぎます。

店主にそれを伝えるためにダンナが奮闘。
Tシャツのサイズ表示を見せて、親指で「Good!」。
サッカーシャツはダメの仕草。
はたから見ると可笑しいでしょうが、本人は真剣です。
何度か続けるうちに店主はちゃんとわかってくれましたが、
生憎サッカーシャツは他サイズの在庫なし。
友人の息子さんに早く大きくなってもらうことにしましょう。

もう1枚選んでいたトレーナー。
お勘定のさい、背中に汚れを発見。
指摘すると、ハンカチで拭い取ろうとする店主。
取れないのがわかるとレジをこちらに向け、
「ほれ、ほんとはこの値段でしょ、でもここから20ユーロ引くってのはどう!?」と、
言葉は通じなくても値引き交渉成立。
いつもいい笑顔で見送ってくれる親父さん、ナイスです。

さて、今から試合前まではAちゃんの前夫Bくんと
その新妻Cちゃんにつきあってもらう予定。
AちゃんとBくんはお互いの新パートナーにバツイチだとは話しているものの、
私たちのことを共通の友人だと話しているのかいないのか、
よくわからなくてとってもビミョー。

いらんことは口走らんようにと夫婦して気合いを入れつつ、
Bくん夫妻と「王様」近くのギリシャ料理店へ。
ギュロスという羊と牛を混ぜた肉の串焼きには
ギリシャ風のピラフとサラダが付いてきます。
食後のギリシャ風コーヒーはバリコーヒー以上の甘さ。
ギリシャの蒸留酒、アルコール度数40%のウゾで口の中スッキリ。
これは『飛べ!フェニックス』(1965)で乗客が気付けに飲んでいたお酒です。

スタジアム近辺は車の流れが読めないので、
ホルプ駅前に駐車してDB(ドイツ鉄道)でシュトゥットガルトへ。
検札に来た車掌さんは、どのお客さんとも2分は話してます。
それじゃ終点までに検札が終わることはなかろうて。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホルプ滞在記〈その10〉

2006年07月03日 | ほぼ非映画(旅行)
山頂は過酷なほどの傾斜の果て。
こんなにぜぇぜぇ言いながら歩いたの、六甲縦走以来。
Gさんが「素晴らしいだろ?」と見せてくれた景色は、
ホントは日本人ならあまり珍しくもありません。
Gさんに日本の山や湖を見てもらいたいと思う一方、
故郷にこんなに誇りを持っているドイツ人を素敵だなぁと思いました。

午後中歩いたらやっぱりビールが必要。
「六甲のソーセージ屋さんのレバーペーストが
めちゃめちゃおいしいねん」とAちゃんに話したことがあり、
彼女が見つけてくれたのはレバーヴルスト(レバーペースト)の旨い店。
住宅街の一軒家風のその店の庭先の席へ。また外や!

どうせ付け合わせのポテトとシュペッツェレが凄いから、
レバーヴルストメインで注文。
ビール以外にもドイツワインを3種類。
リースリング、ミューラートゥルガウ、シュヴァルツリースリング。
いっぱい歩いてよかったと思えるひととき。

レバーヴルストは日本でもよく売られているソーセージ状か
ココット皿にでも入って出てくるペーストかと想像していたら、
小振りのフライパンで温められて登場。
ペーストというより見た目はシャバシャバのカレー。
塩は強めですがパンに塗るとめちゃ旨い!
これまた嫌がらせのように付いてきたパンも
あっというまにたいらげてしまいました。

疲れたけど、あり得ないハイキングまで体験したうえに
念願のレバーヴルストにもありついて最後はご機嫌。
しかも4人で食べて飲んで、
ハマってしまったレバーヴルストの缶詰を4個も買って、
計5,000円也。安い、安すぎる。

Gさんとは今日でお別れ、Aちゃんには後日会う約束をして
また「王様」へと戻ります。
シャワーを浴びようと思ったら、浴室の電気が球切れ。
まぁ、いいや、このままでも入れるからと、
マレーネさんに救済は求めずにそのまま使用。

4日目。今日の朝食はトマト付き。
しかも丸ごと置かれています。
これはこのままかぶりつくのか、ナイフで切るのか。
とりあえず切って食べましたが、
誰かドイツのトマトの食べ方、教えてください。

食事中、「王様」の玄関でしょっちゅう見かけていた猫が乱入。
私は大の猫好きなので、構わずにはいられません。
足元にゴロゴロしに来た猫と遊びつつ、
マレーネさんにこの猫の名前を聞きます。
「ナーメ(NAME)?」と尋ねたら「ケリー」だとマレーネさん(たぶん)。
独語で唯一成り立った会話じゃないでしょか。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホルプ滞在記〈その9〉

2006年07月02日 | ほぼ非映画(旅行)
ハゲは想定内だったけれど(ごめんなさい)、
まさかドイツでハイキングすることになろうとは。
それがこの3日目でした。

Gさんのナビゲーション、ダンナの運転で黒い森へ。
緑の匂いがいっぱいなので、エアコンは付けずに窓全開。
小1時間走った町のレストランで早速昼食。
太陽に恋い焦がれるのがドイツ人。Gさんも例外ではなく、
半ばドイツ人化しているAちゃんも迷うことなくテラス席へ。
「ドイツの日射しは日本とちがうから日焼けしても大丈夫だよ」と言うGさん。
絶対ウソや、そんなん。

それはさておき、ここではいかにもなドイツ料理。
ド迫力の皮付き豚のロースト、ハクセンを注文。
Gさんのお薦めに従い、鹿肉のローストも。
甘いベリー系のソースが合っていてとても美味。
いずれの料理にも嫌がらせのように付いてくるポテト。
でも文句なくおいしい。

昨日屋台で見かけたシュペッツェレも付け合わせに。
これは卵が練り込まれたショートパスタの一種で、
この辺りのレストランでは、やはり嫌がらせのように
ボールに山盛り、ソースが絡められて出てきます。
繊細さはかけらもありませんが、
ドスコイおふくろの味とでも言いましょうか、
妙に郷愁を感じてしまいそうな味です。

食事を終えて少しドライブ、草原の隅に車を止めます。
そこから始まる魔のハイキング。
どこまでも青い空と緑の草原と木々。
360度同じ景色というのは海とのちがいはあれど
まるで『オープン・ウォーター』(2004)。
途中、現れた総合運動場でフィールドアスレチック。
なぜかドイツまで来てタイヤでワイヤーを滑り下りる私。

一旦住宅街へ下りてお茶をすることに。
またもやオープンカフェ。
当然のようにアルコールをいただく。
ここではビールではなくて、ゼクト(ドイツのスパークリングワイン)を。

もうさすがに歩くことはないやろと思っていたら、
「まだ見せたい山の景色と湖があるんだけど、どっちがいい?」。
「う~ん、湖かなぁ」と答えて湖へ。
さぞかし美しい湖を想像する私たちの前に広がったのは、
茨木市の松沢池(ローカルすぎる)よりも小さく濁った湖。
海が近くにない彼らにとって、ここは須磨。
相当数の人びとが遊泳やビーチバレーもどきを楽しんでいます。
カルチャーショックを受けていると、
Gさんはさらに元気に「じゃあ、山へも行こう」。
どっちがええって聞いたのに、結局両方行くんかい!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホルプ滞在記〈その8〉

2006年07月01日 | ほぼ非映画(旅行)
リッターシュピールって何のお祭りなのか、
ネットで検索しても引っかかってこないのでわかりません。
ただ、約1週間、ホルプの住民が飲んだくれる祭りであることは確か。
遠方からも集まっている様子で、
ホルプの町なかを流れるネッカー川(ライン川の支流)の河川敷には
たくさんのテントが張られています。

リッターシュピールのときにだけ出されるという地ビールは
苦みが強めでとてもおいしい。
ソーセージはもちろんのこと、プレッツェルやポテト、
それにシュペッツェレと呼ばれるドイツ南部特有のパスタなど、
屋台が数え切れないぐらい出ています。

おもしろいのは通常営業している店が少ないこと。
こんなに客の多いときに店を閉めるなんて普通は考えないと思うのですが、
営業しているのはトルコ人だったり、中国人だったり、移民の店ばかり。
ドイツ人は飲んだくれるほうに徹しています。

リッターシュピールの期間中設置されている簡易トイレの前に
左の小脇にビールの入った壺、右手にはビールジョッキを持ったお兄ちゃんが。
気さくに話しかけてくるけれど、どうもトイレに行きたそう。
ダンナが「両手がふさがっていて用を足せるのか?」と聞いたところ、
英語のまるで通じないホルプですから、何を言われたのかわからない様子。
両手を指さして「持ってましょうか」と尋ねたところ、
取られるとでも思ったのか一瞬不安な顔。んなもん盗まんっちゅうの。
「信じなはれ!」と言ったら嬉しそうにビールを手渡し、トイレへ。
すっきりした顔で出てきたあとは、満面の笑みを浮かべ、
また壺を大事そうに抱えて立ち去ってゆきました。

打ち上げ花火を眺め、町を練り歩く鼓笛隊の音楽を聴きながら、
しこたま地ビールを飲んで、「王様」に戻ります。
宿はどこもチェックイン時に玄関と部屋の鍵、
両方を渡してくれますから、いつでも自由に出入り可能です。

3日目。「おはよう」の挨拶は覚えたので、
マレーネさんに「グーテンモルゲン」。
これも食べるかと聞いてくれているようですが、
それが何やら見当もつきません。
そしたら、マレーネさんが「これ!」と見せてくれたのが卵。
お願いしたら半熟卵を持ってきてくれました。
日曜日は特別バージョンなのか、クロワッサンも登場。
いずれにしても旨いです。ドイツの朝ごはん、大好き。

今日はAちゃん&Gさんに終日つきあってもらう予定。
車でおふたりを迎えにあがります。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホルプ滞在記〈その7〉

2006年06月30日 | ほぼ非映画(旅行)
その醸造家の店内は外の暑さとちがい、
ひんやりとした空気に包まれています。
木製のカウンターとテーブル3卓、椅子が配置され、15人も入ればいっぱい。

仏語・独語・英語に堪能な従業員のお兄さんが
リストの中から試飲可能なワインを出してくれます。
1種類ずつ、無駄なく、でも丁寧に説明しながら、
グラスに注がれる濃い黄色のワイン。

「うっみゃ~!」と思わず唸りました。
お兄さんは次々とワインを注いでくれて、
結局リストにあるワインはほぼすべて試飲させてもらい、
特に気に入った4本を購入。
ワールドカップが第一の目的だった今回の旅ですが、
このまま帰ってもいいと思うほど幸せ。

コルマールへ戻り、「バッカス」という酒店へ。
できればこれも行きたかった醸造家のワインを見つけ、
「どれでもいいからこの人のワインを試飲させてもらえませんか」と頼みましたが、
「この人のワインだけは高いから勘弁してくれ!」と断られる。(;_;)
でもせっかく来たのですからこれは買わなくちゃ。
別のワインはちゃんと飲ませてもらいました。

今晩はホルプのリッターシュピールに行く予定。
遅くなる前にと帰途につきますが、アウトバーンでめったにない大渋滞。
どうやら大事故があった模様で、車の列が1ミリたりとも動きません。

そんなときでもドイツ人、いいですねぇ。
上半身ハダカ、裸足で車外へ出て日光浴。
いったいどれぐらいの人が降車しているんだろうと
私も降りて前後方を眺めてみればどこもかしこもハダカ。
前のトラックの兄ちゃんは手を洗ってサンドイッチを作っています。
後で聞いたところによると、Bくんが同じく渋滞に遭った数カ月前、
前にいたのがハーゲンダッツの営業車で、
なんと運転していた人がそこら中の車に
アイスクリームを配り始めたことがあったんだとか。

レッカー車が通り過ぎてから数十分後、
ようやく通行規制解除。往路とはちがう道を選択し、
黒い森(シュヴァルツヴァルト)を抜けてホルプへ帰着。
Aちゃんにその新パートナーのGさんを紹介してもらうべく、
Gさん宅へと向かいます。

ちょうどGさんはサイクリングから帰ってきたところ。
チャリから下り、ヘルメットを取ったGさんの頭は……つるっパゲだった!
ハゲ具合については事前に聞いていたので衝撃度は低く、
Aちゃんより16歳上のGさんのその優しそうな笑顔にホッ。
一緒にリッターシュピールへと出かけます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする