夜な夜なシネマ

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『おばちゃんチップス』

2007年09月03日 | 映画(あ行)
『おばちゃんチップス』
監督:田中誠
出演:船越英一郎,misono,京唄子,南果歩,徳井優他

元ネタは、大阪経済大学で開講された、
商品企画力の養成を目的とした講座にて、
学生が発表した「おばちゃんチップス」なるスナック菓子。
江崎グリコによって実際に商品化されました(販売は既に終了)。

さて、舞台はコテコテの大阪、
通天閣の見える生野区界隈(たぶん)。
言語学者を目指す修平は、東京の大手建築会社を退職し、
大阪の大学に非常勤講師の口を見つけてやって来る。
生の大阪弁を調査すべく修平が選んだ下宿先は、鄙びた商店の2階。
ひとりで店を切り盛りする昭和一桁生まれの千春は、修平を大歓迎。

しかし、何ぶん、非常勤講師は安月給。
家賃の支払いにも困った修平は、千春に相談。
再開発のために店の立ち退きを迫られている千春は、
地元住民との会合に出席する間、
修平に店番を任せてアルバイト代を払うことに。

向かいのアパートに住むホステスの麻衣子は、
まだあどけなさの残る顔立ちだが、キツ~イしっかり者。
大阪のオバチャンに圧されてあたふたする修平を放っておけず、
あれやこれやと修平の面倒をみるようになる。
やがて東京から修平の妻も押しかけて来て……。

はっきり言ってテンポがイマイチ。
監督が大阪出身ではないせいかどうかわかりませんが、
大阪弁を生かしきれていない印象があり、
微妙な間合いで笑わせてくれた同監督作品、
『タナカヒロシのすべて』(2004)(オマケのこちらもどうぞ)のほうが、
私にとっては遙かにおもしろいものでした。

それでも憎めない作品です。
オバチャンが「表の自転車、貸してな」と勝手に乗って行ってしまったり、
「おでんの汁だけ、ちょうだい。タダやろ」とか。
麻衣子のもとを訪れたろくでなしの元カレは、
「アンタ、何なん?」とオバチャンたちに凄まれて退散。
このあたりはかなり笑えます。

麻衣子を演じるmisono(倖田來未の実妹)が可愛らしい。
父親ほども年の離れた修平に恋心を抱きます。
修平をお好み焼き屋に連れて行き、
「大阪にはほかにもいっぱい美味しいものがあるで。
…私も美味しいんやけどな~」と呟いてみせたり、
修平の妻(尼崎出身の南果歩が標準語の台詞)に
嫉妬心を燃やして張り合う姿も可笑しい。

船越英一郎とmisonoが並ぶと援交にしか見えなくて、
そのキスシーンもちとキツイ。
でも、ま、吉本の芸人も多数出演、大阪弁は満喫。
レンタルならお薦め。

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