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『ヒットマン』

2024年09月23日 | 映画(は行)
『ヒットマン』(原題:Hit Man)
監督:リチャード・リンクレイター
出演:グレン・パウエル,アドリア・アルホナ,オースティン・アメリオ,レタ,サンジェイ・ラオ,
   モリー・バーナード,エヴァン・ホルツマン,グラレン・ブライアント・バンクス他
 
甲子園で劇的なサヨナラ試合を観戦してから、車で行っていた私は友人を大阪市内まで送り、
イオンシネマ茨木に回って21:45からの本作を鑑賞。どんなハシゴやねん。(^^;
 
そこまでして早いこと観ておきたいと思ったのは、
リチャード・リンクレイター監督の新作で、かつグレン・パウエル主演だから。
パウエルは『トップガン マーヴェリック』(2022)のハングマン役で一気に認知度が高まりましたが、
リンクレイター監督とは相性が良さそう。ふたりはこれが初顔合わせだそうです。
 
本作はそんなパウエルとリンクレイターが共同で脚本を担当し、製作にも名を連ねています。
全部が実話というわけではないけれど、ゲイリー・ジョンソンは実在の人物で、
教鞭を執りながら地元警察の囮(おとり)捜査に協力していた経歴の持ち主らしい。面白いじゃあないか。
 
ニューオーリンズの大学で心理学と哲学を教えるバツイチ独身男のゲイリー・ジョンソンは、
機械操作に必要な専門知識を有することから、地元警察の囮捜査に協力している。
 
通常の囮捜査の過程は、殺し屋を騙る捜査官に連絡してきた人物と直接会い、
相手が具体的に殺人を依頼して金をこちらに渡した瞬間に犯罪が成立するから、
捜査車両内で待機していた警察官が即時逮捕に出向く、という寸法。
 
その捜査車両内で機械操作をするのがゲイリーの役目だったのに、
あるとき、捜査官のジャスパーが良からぬ行動のせいで停職処分となり、
急遽ゲイリーがジャスパーの代役で捜査に就くよう命じられる。
温厚な性格のゲイリーは突然の指令に戸惑うが、ほかに代役がいないのだから仕方がない。
 
これをきっかけにまさかのゲイリーの才能が開花。
殺人の依頼者について事前に調べ上げ、相手好みの外見と性格の殺し屋に変身。
車で待機中の警察官クローデットとフィルは「あの地味なゲイリーが」と舌を巻き、
その目覚ましい検挙率に上司もご満悦。
 
ところが、DV夫の殺害を依頼してきたマディソンに一目惚れしてしまう。
本来はマディソン逮捕に持って行くべきところ依頼を撤回させ、すぐに家を出て逃げるようにアドバイス。
クローデットたちにはそれで終わりと見せかけて、以後もマディソンと逢瀬を重ねるのだが……。
 
マディソンに会うときのゲイリーは凄腕の殺し屋ロン。
男前で色気もあって、遊び慣れているふう。そのなりきりぶりが可笑しい。
ゲイリーとして焦ったときも、ロンならどうするかを瞬時に考えて局面を乗り切ります。
ロンが板についてくると、いつもは冴えない教師のはずが、
女子学生の間で「最近ジョンソン先生いいわよね」なんて噂されるように。
七変化とまでは言わずとも、グレン・パウエルの変装を楽しむことができます。
 
アドリア・アルホナ演じるマディソンのことがイマイチ好きになれず、
終始どこかもやもやした気持ちで観ていました。
実際にいますよね、私弱いの、あなたしか救ってくれる人がいないの、みたいな感じで、
しかもこれが美人だったりするから、自分しか彼女を守れないと思わされて入れ込む。
でも実は自分で夫を殺せる力を持っている女だったりする(笑)。
 
人を殺せば必ず見つかって罪を償わねばならなくなる、なんて月並みなオチにはなりません。
そこへ来て初めて、マディソンええやんと思うのでした。
 
すっかりグレン・パウエルのファンです。

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