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『シサム』

2024年09月27日 | 映画(さ行)
『シサム』
監督:中尾浩之
出演:寛一郎,三浦貴大,和田正人,坂東龍汰,平野貴大,サヘル・ローズ,
   藤本隆宏,山西惇,佐々木ゆか,古川琴音,要潤,富田靖子,緒形直人他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
寛一郎の顔がちょっと苦手でパスしようかと思っていましたが、親の七光りという感じでもなくなり、
『ナミビアの砂漠』の勘違い男の役もなかなかよかったからやっぱり観る。
 
北海道が蝦夷地と呼ばれていた江戸前期、松前藩の収入の柱となっているのはアイヌとの交易。
松前藩士・高坂孝二郎(寛一郎)の家も、アイヌとの交易を生業とする。
父親が亡くなり、息子たちに期待を寄せる母親(富田靖子)に応えようと、
孝二郎は初めて兄の栄之助(三浦貴大)と共に交易の旅に出る。
 
蝦夷地に足を踏み入れた夜、荷をあらために行った栄之助が戻ってこない。
すると、栄之助がいるはずの小屋から火の手が上がり、そこには首を斬られた栄之助が倒れていた。
使用人の善助(和田正人)の仕業だ、奴を追えと言い残して息を引き取る栄之助。
 
森の中で善助と向かい合う格好になった孝二郎は、攻撃を受けて川に転落。
目が覚めるとそこはアイヌのコタン(=村)だった。
アイヌの人々から手厚く介抱された孝二郎は、しばらくここにとどまることになり……。
 
「シサム」とはアイヌの言葉で「よき隣人」の意味なのだそうです。
当時の日本人はアイヌの人々のことを「蝦夷」と呼んでおり、
孝二郎も同じように呼んでいましたが、それが心ない蔑称だと知る。
「人」を意味する「アイヌ」と呼び方を変えると同時に、彼らへの認識も変化を見せます。
 
善助がなぜ栄之助を殺してしまったのかが明らかになると、
兄の敵を討ちたい気持ちが消えたわけではないけれど、松前藩の過ちを正さねばならないとも思う。
実話を基にしたフィクションとのこと、本当に孝二郎のように行動した人がいたのでしょうかね。
 
戦いは世界のどこかで今も必ず起きていることだけど、刃を向け合わずになんとかならないものなのか。

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