『スオミの話をしよう』
監督:三谷幸喜
出演:長澤まさみ,西島秀俊,松坂桃李,瀬戸康史,遠藤憲一,小林隆,
坂東彌十郎,戸塚純貴,阿南健治,梶原善,宮澤エマ他
普通であれば封切り日に観に行っても不思議はないところ、
なんとなくビミョーな出来のような気がして、公開から5日経ってからようやく腰を上げ。
イオンシネマ茨木にて、前述の『シサム』の後に。
当の夫は「どうせすぐ帰ってくる」とまったく心配していない様子だが、
寒川邸では、わがまま言い放題のしずおに仕える乙骨直虎(戸塚純貴)の姿があり、
てっきり秘書だと思っていたら、どこぞの出版社の編集担当者らしい。
ということを教えてくれたのは、寒川邸の使用人・魚山大吉(遠藤憲一)で、実はスオミの最初の夫。
やがて寒川邸にやってきたのは草野の上司・宇賀神守(小林隆)。
彼もまたスオミと結婚していたことがあり、本人は2番目の夫だと思っているが、
つまり、1番目=魚山、2番目=十勝、3番目=宇賀、4番目=草野という4度の離婚歴がスオミにはあり、
5度目の結婚相手が今の夫、寒川だと知って驚く小磯。
しかもそれぞれに話を聞くと、スオミ像がまるで異なる。
宇賀に至ってはスオミと日本語で会話をしたことはなく、彼女は中国語しかしゃべれないと思っていたらしい。
5人とも、我こそがスオミのことを理解していると思い込んでいて……。
ビミョーそうという予想は当たっていて、あんまり面白くない。
全然面白くないとは言いませんが、スベり気味のコントを見せられている気分です。
スベっているのは脚本のせいなのか、男性陣のコメディの資質のせいなのか。
西島秀俊にこういう役はかなりツライ気がします。
いちばん上手いのはもしかすると瀬戸康史なんじゃないでしょうか。
どの結婚時も登場する女性・薊(宮澤エマ)がキーになっていそうだけど、ソウルメイトと言われてもなぁ。
結局のところ、私がいちばん好きな三谷幸喜監督作品は『12人の優しい日本人』(1991)。
あっちもこっちも、出演者の皆さんがものすごく楽しかっただろうことは想像できます。