夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『七回死んだ男』と『恋はデジャ・ブ』(その1)

2009年01月26日 | 映画(番外編:映画と読み物)
映画を観るか本を読むかになると、ついつい映画優先。
だもんで、本は月に1冊か2冊読めればいいほうです。

その本も激しく東野圭吾に偏っているため、
たまにはちがう著者の本も読んでみようと思い、
某サイトで「ドンデン返しモノでイチオシは?」というトピックを見つけ、
興味を引かれた西澤保彦著『七回死んだ男』を購入。

軽めの文体は、私の好みとバッチリとは言えません。
「やっぱり東野圭吾のほうが好きだなぁ」などと思いつつ、
ちょっととまどい気味に読み始めました。
けれど、のっけからググッと人を引きつける意外な設定に
読み始めたら止まらず、
映画を観る時間を削ってまで読んでしまいました。

この本をお読みになったことがある方は、
どうして映画『恋はデジャ・ブ』と関係があるのかご存じだと思いますが、
先に『七回死んだ男』のあらすじを。

主人公の久太郎は16歳の高校生。
本人が「反復落とし穴」と呼んでいる特異体質の持ち主で、
彼にだけ、同じ日が9日間に渡って繰り返されることがあります。
朝起きて、眠って、起きると、また昨日と同じ日。
それは必ず9日間続き、9日間続いて、やっと次の日が到来。

反復落とし穴は突如として起こり、
久太郎自身が意図的に起こすことはできません。
しかし、反復落とし穴がやって来た場合、
久太郎が意図的に状況を変えることはできます。
たとえば、入試の日にやって来た反復落とし穴。
初日は散々な出来でも、8日間で問題を暗記、9日目に満点で合格。
久太郎にとっての9日目が、
ほかの人にとっては実際のその日となるのです。

さて、お正月。
大繁盛の飲食チェーンを経営する祖父宅に集まった親戚一同。
みんなの関心は、毎年書き換えられる祖父の遺言書。
祖父がこっそり酒盛りするのにつきあった久太郎は泥酔。
そのタイミングで反復落とし穴が。
ところが、反復落とし穴の2日目、祖父が殺されてしまいます。
3日目以降、久太郎はその日の犯人とおぼしき人を祖父から遠ざけますが、
そのたびにちがう人が犯人となってしまい、
なかなか殺人を阻止できません。

初日と同じように、久太郎が祖父の酒盛りにつきあえば、
殺人は起こらないのですが、
悪夢のようなゲロ酔いを経験した久太郎は、
それは最終手段に取っておきます。

読んで納得、これは軽い文体だからこそ引きつけられるんですね。
クスクス笑いながら読んだミステリーでした。

映画の話へと続きます。

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