夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『クライマーズ・ハイ』

2009年01月09日 | 映画(か行)
『クライマーズ・ハイ』
監督:原田眞人
出演:堤真一,堺雅人,尾野真千子,高嶋政宏,山崎努,
   遠藤憲一,田口トモロヲ,堀部圭亮他

昨年の話題作。元日にレンタル開始となりました。

横山秀夫の同名小説の映画化。
1985年の日航機墜落事故当時、地元新聞社の記者だった著者が、
実体験に基づいて書き上げたものです。

1985年8月12日。
群馬の地方新聞「北関東新聞」の記者、悠木は、
親友の安西とともに、谷川岳の衝立岩登頂に挑む予定だった。
ところが、退社まぎわ、
乗員乗客524人を乗せた羽田発大阪行きの日航機123便が、
群馬と長野の県境に墜落したらしいとの知らせが入る。

未曾有の大惨事に、社内は騒然。
社長命令で全権デスクを任された悠木は、
安西に連絡を取ることもできず、そのまま仕事に戻る。
各社の報道合戦となることは必至の状況下、
悠木は社員たちの指揮を執るのだが……。

当たり前のことですが、同じ新聞社内であっても、
そこには編集局、販売局、広告局といった、
いろんな立場の社員が存在します。
広告を削ってでもより多くの情報を載せようとする悠木に、
スポンサーの顔を潰す気かと激怒する広告担当者や、
営業所への配達を遅らせることに大反対する販売担当者など、
そのやりとりはとても興味深いです。

また、連合赤軍あさま山荘事件で活躍した古参の社員が、
ひがみとも取れる態度を示し、悠木と対峙するシーンはド迫力。
そんな対峙の後、いざというとき、
どの上司に相談するかなんてシーンはちょっとした見所。
緊迫した空気の中でも、堤真一や田口トモロヲの表情や会話には
どこか和める部分があって好き。

加えて、親友や親子の絆まで描かれているのですから、
最後の海外遠征シーン(?)は余計としても、
盛りだくさんで、145分もあっという間。
スクープに対する見方も変わります。

2005年にNHKがドラマ化し、DVD化されました。
そのときのキャストは、堤真一=佐藤浩市、堺雅人=大森南朋、
高嶋政宏=赤井英和、遠藤憲一=岸辺一徳、山崎努=杉浦直樹などで、
映画版とTV版、甲乙付けがたい出演陣が楽しませてくれます。

ものすごい余談ですが、
TV版を観たとき、元阪神の嶋尾康史を発見して驚喜しました。
亀山や新庄がブレイクした年に、中継ぎとしてかなり活躍した投手です。
ひじの故障で早々と引退し、役者の道に進んでいます。
だけど、阪神ファンに話しても「知らん」と言われることが多くて、がくっ。(--;

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする