夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アラトリステ』

2009年01月13日 | 映画(あ行)
『アラトリステ』(原題:Alatriste)
監督:アグスティン・ディアス・ヤネス
出演:ヴィゴ・モーテンセン,エドゥアルド・ノリエガ,
   ウナクス・ウガルデ,ハビエル・カマラ他

今週半ばが有効期限の劇場チケットをいただきました。
映画館も映画も選ぶことができます。
選択できる映画館のほとんどがシネコンなのですが、
1館だけミニシアターが含まれています。なんで?

で、こんな機会には、こんな映画を選びたい。
上映時間が長くて、大画面で観たほうが迫力があるやつ。
さらには、本作は歴史的背景がややこしい。
DVDで観たら、睡魔に襲われるかもしれません。

17世紀のスペインを舞台に、
架空の主人公アラトリステと、実在した人物を混在させて描かれた、
本国の大ベストセラー冒険小説の映画化です。

当時のスペインは、八十年戦争のまっただ中。
スペインの統治下にあったネーデルラント地方(現オランダ,ベルギー)で、
スペイン国王に反発する貴族らが、オランダ独立軍を組織する。

少年時代から自分の腕だけを頼りに生きてきたアラトリステは、
ある戦いで亡くなった旧友の息子イニゴを引き取る。
アラトリステはスペインの歩兵として戦場に赴き、
休戦中は町に戻って、刺客としての仕事を請け負うことも。

孤高の剣士アラトリステを主人公に、
戦場で幕を開け、戦場で幕を閉じます。
中世の歴史に詳しくないと、めちゃくちゃ難解なのですが、
あまりの迫力に145分(およっ、『クライマーズ・ハイ』と同じだ)、
睡魔に襲われることなく、最後まで息をのんで観ました。

アラトリステを演じるのは、
“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズのアラゴルン役で
一気に知名度を挙げたヴィゴ・モーテンセン
しかし、あんな超大作の後、渋めの作品にばかり出演して、私の心を鷲掴み。
そんなタイプじゃないはずなんですけど、なんか色っぽい。

仲間を大事にし、義理堅く、媚びず、裏切り者には容赦せず。
男の中の男っちゅう感じですが、
それでも好きな女性の前ではヘニャヘニャ。
そんな可愛らしさを持ち合わせています。

戦いであっても、相手に対する敬意は忘れない。
これが武士道というものなのでしょうか。
見上げる空がとても青くて美しい。

それにしても、みんなヒゲにモジャモジャの黒髪、勘弁して。
みんな同じ顔に見えるのも、一段と難解になった原因です。
はっきり見分けがつくのは、アラトリステほかわずか数名。

俄然、歴史の勉強がしたくなりました。

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