夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『いぬのえいが』

2009年03月17日 | 映画(あ行)
『いぬのえいが』
監督:犬童一心,黒田昌郎,祢津哲久,黒田秀樹,佐藤信介,永井聡,真田敦
出演:中村獅童,佐野史郎,渡辺えり子,田中要次,木村多江,利重剛他

一度観た映画は忘れないはずでした。
以前に観たものをまた借りてしまうなんてことは
絶対なかったのにぃ。

しかし。ついにやってもたがな。(;_;)
泣きもって観たくせに、なんで忘れるかな、私。
悔しいので今日書くことにします。

2004年の作品。あらためて観ると、
その後にブレイクした宮崎あおいや佐藤隆太なども出ていて、
またちがった楽しさが。ほとんど負け惜しみですけど。

7人の監督による11のエピソード。
オムニバス形式ではありますが、軸になる話があって、
その合間に1話完結型の話が混じるという構成です。

軸の話の主人公はCMプランナー、賢太郎(中村獅童)。
ドッグフードのCMを手がけているが、
クライアントは無理難題を押し付け、
イメージガールに起用した女優(伊東美咲)の所属事務所は
犬よりうちの女優だと、好き勝手なこと言い放題。
ほとほと疲れ果てた賢太郎が思い出したのは、
小学生の頃、病弱な自分が療養していた町で一緒に遊んだ犬、ポチのこと。
空き地で倒れた賢太郎が救急車で病院に運び込まれると、
取り残されたポチはボールをくわえて後を追いかけ……。

ポチが賢太郎を探して走り続ける間に会った、
喧嘩中のカップル(天海祐希と川平慈英)の話や、
軸の話とはまったく関係ない、バウリンガルの話、
また、ご主人様(佐藤隆太)とのお散歩ルートで、
しっぽだけ見える犬に恋したコロ(声を荒川良々)の話など、
ユーモアにあふれた話が並びます。

軸の話ではホロリ。
賢太郎の退院後に病院にたどり着き、
病院の玄関でひたすら待ち続けたポチ。
そうとは知らないまま大人になり、
昔、暮らしていた町を再訪した賢太郎は、
ポチとつるむ姿を見守り続けてくれた香織(小西真奈美)と再会。
パン屋を継いだ香織の焼くワンコパンが可愛い。

最後はほとんど反則技のボロ泣き必至のエピソード。
ペットが死んでしまったとき、誰でも思うであろうこと。
こんなに悲しいのに、どうして飼いたいなんて言ったんだろう。
人間の勝手な解釈かもしれません。
でも、こう答えてくれたとしたら。

「愛してくれて、ありがとう」。

うちの猫を思い出しました。
そういえば、「うちの猫」を書いたのは、
ちょうど本作の公開年だったのですね。

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