夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『チェンジリング』

2009年03月06日 | 映画(た行)
『チェンジリング』(原題:Changeling)
監督:クリント・イーストウッド
出演:アンジェリーナ・ジョリー,ジョン・マルコヴィッチ,
   ジェフリー・ドノヴァン,ジェイソン・バトラー・ハーナー,マイケル・ケリー他

劇場にて。

今年78歳にして、衰えるどころか、毎年新作を世に送り続け、
そのたびに絶賛されるクリント・イーストウッド。
本作は1920年代に実際に起きた事件の映画化です。

1928年3月。ロサンゼルス。
電話交換台の主任として働くクリスティンは、
9歳の息子ウォルターを女手一つで育てている。

休日、職場から出てきてほしいと連絡が入る。
母と映画に行く約束を反古にされて落胆するウォルターに、
クリスティンは明日こそ休みを取るからと話し、仕事に出かける。

終業後、急ぎ足で帰宅すると、ウォルターがいない。
警察に捜索を依頼するが、
大抵の子どもは翌朝帰ってくるものだと相手にしてくれない。
丸一日経ち、やっと捜索が開始されるが、
ウォルターの行方はわからない。

5カ月が経過した日、イリノイ州でウォルターが見つかったとの連絡が。
母と息子の感動の対面を警察が膳立て、
多くのマスコミ関係者が待機するなか、
担当警部に連れられて列車を降り立ったのはウォルターではなかった。

息子ではないと断言するクリスティンに、
会わない間に外見が変わっただけ、
とりあえずこの子を連れて帰るようにと耳打ちする警部。

当時の警察は能なしのレッテルを貼られ、
市民の信頼を得ようと必死。
息子を探している母親に別人を押しつけ、
異議を唱える母親を正気でないことにして精神病院に放り込む。
……こんなことがあっていいのかと思いますが、
あったんですね、実際に。

予告編を観たとき、大掛かりな陰謀があったのだと思っていました。
でも、そこにあったのはどちらかといえば出来心に近いくらいのもの。
ちょっといい顔をしたい、上司の点数を稼ぎたい、有名人に会いたい。
そんな出来心で始まったことが、人を恐ろしい状況にたたき落とします。
だけど、手を伸ばしてくれる善意の人も存在するのは確か。
クリスティンのラストのたった一語が素晴らしい。

イーストウッド本人主演で、
若い女優相手のラブシーンを見せられるのは正直言ってもうキツイ。
へろへろやん、いつ倒れるやろと心配ですから。(^^;
監督に徹していてくれるほうが安心かも。
と言いつつ、次の監督・主演作『グラン・トリノ』は楽しみです。

「希望」って凄い。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする