夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『プライド』

2009年09月24日 | 映画(は行)
『プライド』
監督:金子修介
出演:ステファニー,満島ひかり,渡辺大,高島礼子,及川光博他

ジャケット写真にドン引きして、
レンタルを躊躇していましたが、好奇心が勝って。

小中学生の頃、どんな漫画雑誌を読んでいたかは、
同年代で話しているとわりと定期的に出るネタです。
私は『別冊マーガレット』と『りぼん』派でした。
その『りぼん』の代表作家として必ず挙がる一条ゆかり。
デビューから40年後の今も活躍中とはスゴイ。
本作は『コーラス』に連載中の同名漫画の実写版映画化。

オペラ歌手を目指す超金持ちの女子大生、史緒。
彼女の邸宅をハウスクリーニングのバイトで訪れたのは、
同じくオペラ歌手を目指す苦学生、萌。
自分とはかけ離れた暮らしぶりに唖然とする萌に、
一緒にオペラに行こうと、史緒は声をかける。
萌は夢見心地でコンサート会場へと向かうが、
そこでも史緒の華やかな交友関係に驚き、嫉妬する。

ところが、その数日後、史緒の父親が経営する会社が倒産。
予定していた史緒のイタリア留学もおじゃんに。
大学で相談したところ、オペラのコンクールに出場してはどうかとのこと。
優勝者にはイタリア留学の権利が与えられるというのだ。

史緒の実力からして優勝はまちがいないと思われていたが、
同コンクールにやはり参加していた萌から、
出番寸前に動揺を誘う事実を聞かされ、優勝は萌の手に。
ここから史緒と萌の壮絶な闘いが始まる。

思いっきり昼ドラの世界っぽい人間関係です。
萌が想いを寄せるのはレコード会社の副社長、神野。
神野は萌のしたたかさを高く評価し、史緒と張り合わせますが、
結婚相手として考えているのは、
たとえ文無しでも生まれついてのお嬢様、史緒。
一方、無一文同然となった史緒を助けるのは、
銀座の高級クラブのママの一人息子で、音楽家志望の蘭丸。
こんな四角関係だけでもドロドロなのに、
クラブの客の爺さんや意地の悪い秘書も登場して大変。
だけど、下品になる一歩手前でとどまっています。
そこまでするか的なものはなくて、不思議な安心感。

素晴らしいのは、史緒と萌の歌。
顔も見たくない仲なのに、ふたりが奏でるハーモニーは絶品。
音楽さえあれば、一瞬であろうとも心は通う。

そうそう、思わず唸った名台詞をひとつ。
高島礼子演じるクラブのママが、息子の蘭丸に言ったこと。
「女が二股をかけるときは、どうでもいいか、
どうにもならないかのどちらかのとき」。大納得。

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