夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『誰も守ってくれない』

2009年09月10日 | 映画(た行)
『誰も守ってくれない』
監督:君塚良一
出演:佐藤浩市,志田未来,松田龍平,木村佳乃,
   佐々木蔵之介,石田ゆり子,柳葉敏郎他

こちらで告白していますが、こっそり『踊る大捜査線』フリークでした。
その『踊る大捜査線』シリーズの君塚良一と亀山千広が関われば、
ミーハーの入った社会派ドラマになることは間違いなし。

いつもと変わらない日を送っていた15歳の沙織は、
教師からただちに帰宅するようにと言われる。
彼女の兄が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕されたのだ。
自宅前にはおびただしい報道陣と野次馬。

加害者家族の保護のため、両親と沙織は引き離されることに。
刑事の勝浦は、避難先のホテルへ彼女を連れて行くが、
どこで聞きつけたのか、そこにもマスコミが。
仕方なく、勝浦は自分の家に沙織を連れ帰り、
知人で精神科医の令子に沙織のケアを頼む。

やがて、勝浦の家にもマスコミが押しかける。
勝浦と沙織は、ある海辺のペンションに車で向かうのだが……。

実際にこんなことがなされるのかと、目からウロコ。
たとえば、加害者である兄は未成年で、名前は公表されませんが、
誰かが調べてどこかで暴露されるのも時間の問題。
で、加害者の家族であることを隠すため、
両親はただちに離婚し、即座に妻の籍に入り直します。
離婚届も婚姻届もその場に用意されていて、躊躇している間はなし。

勝浦には沙織と同じ年頃の娘がいて、その娘は両親の不仲を心配しています。
しかし、娘が両親を想って提案した家族旅行も、この事件のせいでボツに。
また、勝浦には、ある事件の犯人を泳がせたがために、
幼い子どもを見殺しにしてしまったという過去も。
その事件の被害者家族がペンションを経営しているという設定。

逃げても隠れても、どこまでも追いかけてくるマスコミと、
それ以上に怖いインターネットの世界。
加害者の家族が受ける仕打ちは酷いものですが、
被害者の家族にとっては憎い犯人の家族でしかありません。
落としどころが難しかったでしょうが、丸くまとめすぎると偽善的。
この終わらせ方はちょうどいい案配だと思います。

余談ですが、今まであまり格好良いとは思っていなかった松田龍平。
佐藤浩市演じる勝浦の部下役で出演していますが、この彼は○。

今年の初めに本作公開前の特別番組として
『誰も守れない』がフジテレビで放映されたそうですが、
全然知らなくて観逃しました。くっすん。

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