夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『魍魎の匣』

2010年10月04日 | 映画(ま行)
『魍魎の匣』
監督:原田眞人
出演:堤真一,椎名桔平,阿部寛,宮迫博之,田中麗奈,黒木瞳,
   マギー,寺島咲,谷村美月,宮藤官九郎,柄本明他

京極夏彦、2冊目を読了。
2段組で700ページ近い本でしたが、読み始めたらやめられず。
まさに憑き物に遭ったかのようです(笑)。
2007年末に公開された本作も続けて観ました。

主要キャストは、体調不良で降板した永瀬正敏を除いて、
『姑獲鳥の夏』(2005)とまったく一緒。
けれど、監督が替わって、コミカル&グロテスクなシーンが増えました。

昭和27年。あの『姑獲鳥の夏』の事件が解決し、
京極堂のところへは久しく顔を出していない関口。
京極堂の妹である敦子が勤める出版社から、
これまで掲載してきた小説を書籍化する話を持ち込まれるが、
居合わせた新進作家の久保竣公からは嫌みを言われて内心凹む。

その帰り、別の大衆誌の記者、鳥口から、
少女バラバラ連続殺人事件の原稿執筆を頼まれる。
鳥口は、この事件には新興宗教が絡んでいると睨んでおり、
ちょうど出くわした敦子とはライバル誌ながらも意気投合。
3人はその新興宗教への潜入取材を試みる。

一方、元人気女優の柚木陽子の一人娘、加奈子が失踪し、
私立探偵の榎木津は捜索を依頼される。
加奈子はどうやら同級生の頼子と行動を共にしている様子。
そこへ、加奈子が列車に轢かれたとの連絡が入り、
榎木津も病院へ駆けつける。
加奈子は、陽子が懇意にしている美間坂研究所という施設に移送されるらしい。
陽子の大ファンだった刑事の木場は、担当ではないにもかかわらず、
居ても立ってもいられなくなり……。

これも『姑獲鳥の夏』同様、原作を読んでいないと、
かなりツライのではないかと思われます。
かと言って、『姑獲鳥の夏』ほど原作に忠実ではなく、
映画としてわかりやすいように、人間関係がかなり整理されています。
原作ではとっとと殺されていた人がピンピンしているし、
姿を消したはずの加奈子がずっとキャタピラー状態で美間坂研究所に。
美間坂教授と久保竣公の関係も原作とは若干異なります。

手足を切り落とされても久保に反撃する頼子と、
最後の「箱の中の久保」、加奈子の「ほぅ」の図にはぶったまげました。
娯楽作としては、これぐらいの「壊れかた」のほうが良かったのかな。

次の京極夏彦はさらに分厚く、映画化もされていないので、
手をつけるまでに時間がかかるかも。誰か映画化して。

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