夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『インシテミル 7日間のデスゲーム』

2010年10月18日 | 映画(あ行)
『インシテミル 7日間のデスゲーム』
監督:中田秀夫
出演:藤原竜也,綾瀬はるか,石原さとみ,阿部力,武田真治,
   平山あや,石井正則,大野拓朗,片平なぎさ,北大路欣也他

一昨日のクライマックスシリーズを直視できそうになかったので、
現実逃避して、封切り日の映画を2本ハシゴ。
観た順番に書こうかと思いましたが、
2本目に観た本作がアンマリな出来で落胆。
昨日、甲子園で生観戦して落胆。今日の試合もなくなって落胆。
落胆ついでに、本作から書きます。

米澤穂信の同名ミステリーの映画化。
ご存じ、『リング』(1998)の監督によるもので、期待していたのですが、
原作を読んだ身としては目が点に。

コンビニの雑誌コーナーでアルバイト情報誌を眺めていた結城は、
突然、一目惚れしてしまいそうな美女、祥子から声をかけられる。
同じく仕事を探していると言う祥子は、結城に携帯の画面を見せると、
「こんな条件の仕事は危ないと思うか」と意見を求める。
条件を見て結城はびっくり。そこには「時給112,000円」の文字が。

誤植に違いないと思いつつも応募してしまったこのバイト。
さまざまな事情から大金を必要として集まったのは、
結城と祥子を含む10名。年齢も職業も異なる男女。
「暗鬼館」と呼ばれる建物に閉じ込められ、
時給112,000円で24時間拘束、7日間の心理実験が始まるのだが……。

たぶん、原作を読まずに観たほうが楽しめます。
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』のごとく、
1人ずつ殺されてゆき、犯人および犯人を当てた探偵役にはボーナス。
そんな大まかな設定が同じというだけで、原作とはまるで別物です。

まず、人物像がめちゃくちゃ。原作と同じ名前でもキャラは別。
バイトに応募した動機も、映画ではわからずじまいの人、多数。
殺される順番も違えば、犯人も探偵も違います。
暗鬼館の食事システムや監視役のロボットの趣きも違っていてイマイチ。
最後に残る人も異なり、原作のあのラスト、迫力があったのにと残念。

それに、原作ではいささかこじつけっぽくも意味のあった112,000円という時給に、
映画ではまったく必然性がなくなってしまいました。
世間が高額だと思う金額であればそれでよかったのでは。

さすがホラー映画の中田監督だと思わせてくれたのは、
ここまで見せんでもええやんというグロい殺人シーンのみ。(--;

本日のチケット、払い戻してきます。(T_T)
ちょっとは落胆を快復させてくれた1本目は次回に。

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