夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『極悪レミー』

2011年03月24日 | 映画(か行)
『極悪レミー』(原題:Lemmy)
監督:グレッグ・オリヴァー,ウェス・オーショスキー

昨年末、ミニシアター系で公開されました。
TSUTAYA DISCASでは取り扱いがないので購入することに。

地震の影響でDVD等の発売が次々と延期になっていますが、
本作に関しては9日が発売予定だったので、
普通ならば発売当日には手元に届いているはずでした。
ところが、なぜか全然配送される気配がなく、
予定日から10日ほど経ってから何事もなかったように届きました。

原題“Lemmy”に対して、この邦題は上手いと思います。
しかし、購入した初回生産限定版は、その名も“OVERKILL EDITION”。
“殺し過ぎ”って、このタイミングで言ってどうする。(--;
総再生時間は6時間50分のド迫力。

前置きが長くなりましたが、
“レミー”と言っても、ヘヴィメタを聴く人でなければ「誰、それ?」でしょう。
1975年に結成され、今なお絶大な人気を誇るイギリスのバンド、
“モーターヘッド”のベーシスト兼ボーカリスト、レミー・キルミスターのことです。
本作は、3年にわたって彼を追い続けたドキュメンタリー。
本人と、多数のミュージシャンへのインタビューで構成されています。
俳優のビリー・ボブ・ソーントンも出演しているのが、私としては嬉しいところ。

撮影時のレミーは63歳。
「セックス、ドラッグ、ロックンロール」を地で行く人生だったようで、
レミーにまつわるさまざまな伝説のうち、女性2000人斬りは本当かと問われて、
「それは嘘。本当は1000人さ」と軽く答えています。

「女性なんて」的発言をしようともどこか憎めないのは、
父親のいなかった彼が、母親と祖母から大切に育てられたからなのか。
最も感謝している人物として、すかさずそのふたりを挙げています。
「女に囲まれて育ったから、女の気持ちには詳しいよ」と言うけれど、
どんなことを言うときもちょっと照れくさそうなのがお茶目。
ワルぶっていても、ちらちらと優しさがうかがえます。

軍事マニアぶりには引きますが、
ヒトラーに傾倒しているとの噂について、「見当違いもいいとこだ」とあっさり。
レミーにとっては、愛用のウエスタン・ブーツと同じ感覚なのかも。
ゲームに没頭する姿は単なるオタク。(^^;

メタル・ファンでなくても、おそらく十二分に楽しめます。
『グローバル・メタル』(2007)の監督がライブの客の中にいるのを見つけて、得した気分。

ちなみに、代表曲のひとつが“OVERKILL”です。

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