夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『天空の蜂』

2015年09月18日 | 映画(た行)
『天空の蜂』
監督:堤幸彦
出演:江口洋介,本木雅弘,仲間由紀恵,綾野剛,國村隼,柄本明,光石研,
   佐藤二朗,手塚とおる,竹中直人,落合モトキ,向井理,石橋蓮司他

109シネマズ箕面にて。

最近の東野圭吾は、「いきなり文庫」シリーズとかでイマイチな作品も発表しているので、
書き過ぎなのではないかと思っていましたが、
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』はとても良かったし、全部駄目になっているわけではなさそう。
本作の原作は、どれを読んでも面白かった頃の作品と言えるでしょうけれど、
個人的には理系の話にはアタマがついて行きづらく、
周囲の男性陣が絶賛するほどには楽しめなかった本でした。
それが映画化されたら、超文系の私にもわかるかもという期待を込めて。

1995(平成7)年8月8日。
錦重工業が開発した最新鋭超巨大ヘリコプター“ビッグB”が完成し、
自衛隊に引き渡すべく華々しい式典がおこなわれる日。

ビッグBの開発責任者である湯原(江口洋介)は、妻子を連れて式典へ。
仕事仕事だった湯原と妻との仲は冷え切っており、
一人息子の高彦も湯原にはまったく口をきこうとしない。
そんな家庭の事情を同僚の山下にぼやいているのを偶然高彦が耳にする。
ショックを受けた高彦は山下の息子・恵太を連れて勝手に行動。
誰もいない式典会場に鎮座していたビッグBに潜り込む。

ところが、ビッグBが突如として動き出す。
異変に気づいた湯原がビッグBを追いかけ、
恵太はなんとか飛び降りることに成功するが、高彦はそのまま上空へ。
ビッグBは“天空の蜂”と名乗るテロリストの遠隔操作によって飛行、
高彦を乗せたまま、福井県の原子力発電所“新陽”の真上でホバリングを始める。

犯人の政府に対する要求は、日本全土の原発を廃棄すること。
従わなければ大量の爆発物を積載したビッグBを原子炉に墜落させると宣言。
残された時間はビッグBの燃料がなくなるまでの8時間。
湯原は同じ会社の同期で新陽の設計者である三島(本木雅弘)に協力を求め、
高彦の救出とビッグBの墜落阻止に全力を挙げるのだが……。

エンターテインメント精神に長けた堤幸彦監督ですから、見せ場たっぷり。
有名俳優勢揃い、しかも上手い人揃いだもの、面白くないわけがない。
江口洋介と本木雅弘が演じる両人のほか、
新陽所長に國村隼、福井県警刑事に柄本明、犯人の一味に綾野剛
福井県警警備部やら消防本部やらの職員には佐藤二朗とか光石研とか。
偉そうな石橋蓮司竹中直人もいて、錚々たる顔ぶれです。

映画化が困難だと言われていたのは、
フィクション映画のテーマにすることなどタブーだと思われてきた原発問題だからでしょうが、
ここまでやった堤監督はあっぱれ。
だけど原発に賛成でも反対でもない中立作品に仕上げているところもお見事。
逃げたという印象も抱きません。
最後の向井理くん登場は余計かと思いますけれども。

高所恐怖症の方は絶対チビります。念のため(笑)。

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