夜な夜なシネマ

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『三度目の殺人』

2017年09月20日 | 映画(さ行)
『三度目の殺人』
監督:是枝裕和
出演:福山雅治,広瀬すず,満島真之介,市川実日子,松岡依都美,
   蒔田彩珠,井上肇,橋爪功,斉藤由貴,吉田鋼太郎,役所広司他

仕事帰りに『散歩する侵略者』を観た翌々日、
同じく仕事帰りにTOHOシネマズ伊丹にて。

プロ野球中継から逃避するために映画を観に行っているのに、
先週火曜日といい木曜日といい、映画を観終わって車に乗り込み、
ラジオをつけるとちょうど9回表、巨人の攻撃。
両日とも8回裏までリードしておきながら、私がラジオをつけると追いつかれ、
延長戦になってもよう勝たず、結局引き分けってどーゆーこと!?
ついでながら、一昨日は広島の胴上げを目の前で見てきました(泣)。

『海街diary』(2015)や『海よりもまだ深く』(2016)の是枝裕和監督が、
『そして父になる』(2013)以来の起用となる福山雅治を主演に迎えて。

エリート弁護士の重盛朋章(福山雅治)は、同僚の摂津大輔(吉田鋼太郎)から泣きつかれる。
摂津の依頼人・三隅高司(役所広司)が摂津の手には負えないらしく、弁護を交替してほしいとのこと。

三隅の容疑は、勤め先だった工場の社長を殺害して遺体に火をつけたというもの。
30年前にも殺人を犯した前科のある三隅は、自白もしているため、死刑はまず確実。
それを無期懲役にまで下げられたら勝利も同然。
勤め先を解雇されたことへの怨恨という線で進めると決める。

ところが、摂津が言っていたとおり、三隅の証言はコロコロ変わる。
一応唯一の味方であるはずの重盛にも心を開く様子はない。
社長を殺したのは社長の妻・美津江(斉藤由貴)に頼まれたからだと
勝手に週刊誌にしゃべったりするのだから、重盛はいらつく。

そんななか、手がかりを探ろうと三隅のアパートを訪れた重盛は、
社長の娘・咲江(広瀬すず)がそのアパートに出入りしていたと知る。
三隅と会っているときの咲江がとても楽しそうであったと管理人から聞かされ、
重盛はふたりの接点を突き止めようとするのだが……。

弁護士の後輩に満島真之介、事務所のお手伝いに松岡依都美
辣腕検事に市川実日子、重盛の父親に橋爪功と、飽きさせないキャストです。
ストーリーも面白く、野球のことも忘れて観ました(笑)。

が、それほどまで良かったと言えないのは、福山くんのせいなのかも。
さまざまな作品、たとえば東野圭吾原作の“ガリレオ”シリーズや、
『SCOOP!』(2016)などでは、そのクールさが合っていたのですが、
なんだかこの弁護士役は嘘っぽくて。
満島真之介も同様で、台詞を白々しく感じます。
役柄的には役所広司演じる三隅のほうがずっと「普通じゃない」はずなのに、
役所さんのほうが普通に感じられるのです。
独特のキャラ設定の役のほうが福山くんには合っているのかなと思いました。

そんなわけで、どことなく嘘くささが引っかかって、最後までのめり込めず。
ただ、事件の真相には胸を衝かれます。

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