『幼な子われらに生まれ』
監督:三島有紀子
出演:浅野忠信,田中麗奈,鎌田らい樹,新井美羽,南沙良,
水澤紳吾,池田成志,宮藤官九郎,寺島しのぶ他
先週土曜日、天満橋で晩ごはん。
その前に神戸方面へ出かけていたら、須磨から乗り込んできた男子高校生10名。
海で遊んでいたらしく、真っ黒に日焼けしています。
で、夕方一旦解散して、着替えたら再集合。みんなで映画を観に行くつもりらしい。
スマホで何を観に行くか相談している会話がワラける。
『トランスフォーマー』の『スパイダーマン』のどちらかに決まりそうなんですが、
ひとりだけ『君の膵臓をたべたい』を挙げた子が。
本人も周囲も冗談ぽく話していたけれど、
きっと彼は本当は『キミスイ』が観たかったんやろうと思う。
高校生10人で行ってみんなで泣いてくりゃいいのに(笑)。
で、高校生10人では観ることもなかろう、行くこともなかろう劇場、
テアトル梅田で晩ごはんの前にこの1本だけ。
原作は重松清の同名小説。
三島有紀子監督とは同じ高校の出身なので応援したい気持ちはあるのですが、
『しあわせのパン』(2011)、『ぶどうのなみだ』(2014)、『繕い裁つ人』(2014)、
いずれも見せかけの自然体というか、芝居がかっているところが苦手でした。
『少女』(2016)は面白く観たものの、好きというのとはちょっとちがう。
本作もどうなんだろうと思いながら観はじめましたが、
いままでとくらべていちばん普通。抵抗のない作品でした。
田中信(浅野忠信)と奈苗(田中麗奈)はバツイチ同士の夫婦。
奈苗には前夫との間に2人の娘がおり、どちらも奈苗が引き取ったから、
信は再婚と同時に娘たちの父親となった。
再婚当時、まだ乳児だった次女・恵理子(新井美羽)は、
今も信が実の父親だと信じて疑わず、パパ大好き。
長女・薫(南沙良)は事情を知りながらも信によくなついていたのに、
奈苗の妊娠をきっかけに露骨に反抗的な態度を取るようになる。
薫が実の父親・沢田(宮藤官九郎)に会いたいと言って聞かないのだが、
奈苗は沢田の所在すら知らず、会わせる気も毛頭ない。
家庭でもぎすぎすしているうえに、仕事でも左遷された信は、
なかば自暴自棄になりながら沢田の居場所を捜しはじめる。
一方、信の元妻・友佳(寺島しのぶ)も娘を連れて再婚。
別れたものの、信と娘・沙織(鎌田らい樹)との関係はずっと良好。
ところがある日、友佳から連絡が入り、沙織との面会を延期してほしいという。
理由を聞いたところ、友佳の再婚相手が末期癌であることが判明。
余命があとひと月もないため、今は信との面会を延期したいとのこと。
そんな折り、沙織が信を訪ねてくるのだが……。
沙織ちゃんが本当にけなげないい子であるのに対して、
薫ちゃんがもう腹立たしいほど憎たらしいんです。(^^;
でもそうなるのを止められないほど、難しい状況と感情なのでしょうね。
血のつながりはなくても大好きだった優しいパパ。
パパとママの間に子どもが生まれたら、自分は余りものになってしまう。
けなげに振る舞う沙織もいっぱい悩んでいます。
今のお父さんが亡くなるというのに、涙が出ないことにも罪悪感。
寺島しのぶ演じる元妻の、「あなたは気持ちを聞こうとしない」という台詞が印象に残ります。
理由ばかり尋ねて、気持ちを聞こうとしない人。
自分もそうならないようにしなければと思うのでした。
クドカンの駄目男ぶりも相変わらず良し。
初めて三島監督もいいかもと思えた記念すべき作品。(^^)
監督:三島有紀子
出演:浅野忠信,田中麗奈,鎌田らい樹,新井美羽,南沙良,
水澤紳吾,池田成志,宮藤官九郎,寺島しのぶ他
先週土曜日、天満橋で晩ごはん。
その前に神戸方面へ出かけていたら、須磨から乗り込んできた男子高校生10名。
海で遊んでいたらしく、真っ黒に日焼けしています。
で、夕方一旦解散して、着替えたら再集合。みんなで映画を観に行くつもりらしい。
スマホで何を観に行くか相談している会話がワラける。
『トランスフォーマー』の『スパイダーマン』のどちらかに決まりそうなんですが、
ひとりだけ『君の膵臓をたべたい』を挙げた子が。
本人も周囲も冗談ぽく話していたけれど、
きっと彼は本当は『キミスイ』が観たかったんやろうと思う。
高校生10人で行ってみんなで泣いてくりゃいいのに(笑)。
で、高校生10人では観ることもなかろう、行くこともなかろう劇場、
テアトル梅田で晩ごはんの前にこの1本だけ。
原作は重松清の同名小説。
三島有紀子監督とは同じ高校の出身なので応援したい気持ちはあるのですが、
『しあわせのパン』(2011)、『ぶどうのなみだ』(2014)、『繕い裁つ人』(2014)、
いずれも見せかけの自然体というか、芝居がかっているところが苦手でした。
『少女』(2016)は面白く観たものの、好きというのとはちょっとちがう。
本作もどうなんだろうと思いながら観はじめましたが、
いままでとくらべていちばん普通。抵抗のない作品でした。
田中信(浅野忠信)と奈苗(田中麗奈)はバツイチ同士の夫婦。
奈苗には前夫との間に2人の娘がおり、どちらも奈苗が引き取ったから、
信は再婚と同時に娘たちの父親となった。
再婚当時、まだ乳児だった次女・恵理子(新井美羽)は、
今も信が実の父親だと信じて疑わず、パパ大好き。
長女・薫(南沙良)は事情を知りながらも信によくなついていたのに、
奈苗の妊娠をきっかけに露骨に反抗的な態度を取るようになる。
薫が実の父親・沢田(宮藤官九郎)に会いたいと言って聞かないのだが、
奈苗は沢田の所在すら知らず、会わせる気も毛頭ない。
家庭でもぎすぎすしているうえに、仕事でも左遷された信は、
なかば自暴自棄になりながら沢田の居場所を捜しはじめる。
一方、信の元妻・友佳(寺島しのぶ)も娘を連れて再婚。
別れたものの、信と娘・沙織(鎌田らい樹)との関係はずっと良好。
ところがある日、友佳から連絡が入り、沙織との面会を延期してほしいという。
理由を聞いたところ、友佳の再婚相手が末期癌であることが判明。
余命があとひと月もないため、今は信との面会を延期したいとのこと。
そんな折り、沙織が信を訪ねてくるのだが……。
沙織ちゃんが本当にけなげないい子であるのに対して、
薫ちゃんがもう腹立たしいほど憎たらしいんです。(^^;
でもそうなるのを止められないほど、難しい状況と感情なのでしょうね。
血のつながりはなくても大好きだった優しいパパ。
パパとママの間に子どもが生まれたら、自分は余りものになってしまう。
けなげに振る舞う沙織もいっぱい悩んでいます。
今のお父さんが亡くなるというのに、涙が出ないことにも罪悪感。
寺島しのぶ演じる元妻の、「あなたは気持ちを聞こうとしない」という台詞が印象に残ります。
理由ばかり尋ねて、気持ちを聞こうとしない人。
自分もそうならないようにしなければと思うのでした。
クドカンの駄目男ぶりも相変わらず良し。
初めて三島監督もいいかもと思えた記念すべき作品。(^^)