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『箱男』

2024年09月04日 | 映画(は行)
『箱男』
監督:石井岳龍
出演:永瀬正敏,浅野忠信,白本彩奈,佐藤浩市,渋川清彦,中村優子,川瀬陽太他
 
なんばパークスシネマで『エア・ロック 海底地球避難所』『ソウルの春』を観終わった時点で20時半。
帰ろっかな~、でももう1本観る元気はないでもないな~と思い、本作も観ることに。
 
原作は1973(昭和48)年に発表された安部公房の同名小説。
未読ですけれども、始まった瞬間に芥川賞作家の作品だなぁと思いますよね。
監督は石井岳龍(聰亙)。この人も芥川賞作品を好んで映画化する監督。
 
もとは冷蔵庫が入っていたとおぼしき段ボール箱をかぶって生きる男(永瀬正敏)。
何者かが彼を撮影する一方で、彼を追いかけ回して攻撃してくる者もいる(渋川清彦)。
ある日、怪我をした彼の段ボール箱に手紙を投げ込んだ女(白本彩奈)から、
近くに病院があると教えられて診察を受けに行ってみると、そこには偽医者(浅野忠信)がいた。
 
男はすぐに偽医者が自分を助けるふりをして襲ってきた者だと気づく。
偽医者は病で動けない本物の軍医(佐藤浩市)の世話をする身で、
箱男になりたがっている軍医に代わり、偽医者が男のことを調べていたらしい。
 
やがて軍医が死亡すると、偽医者は自分こそが箱男になろうとする。
ひとつの町にふたりの箱男は要らぬと、生死をかけた攻防が始まるのだが……。
 
何度も繰り返される「箱男を意識するものは箱男になる」。
実際、本作の中では取り憑かれたように皆が箱男になりたがる。
目の部分だけ開けられた穴から外を覗き、女性たちの脚を描く。
妄想をノートに書いて書いて書き続けているわけですが、妄想なのか現実なのかもわからなくなってきます。
 
面白い世界だとは思うけれど、私は箱男にはなりたくない。
安部公房も石井監督もアタマおかしい。失礼な言い方ですみません。でも凡人には理解不能。
また、これを理解できるようになりたいとも思いません。凡人でええし(笑)。

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