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『ACIDE/アシッド』

2024年09月09日 | 映画(あ行)
『ACIDE/アシッド』(原題:Acide)
監督:ジュスト・フィリッポ
出演:ギヨーム・カネ,レティシア・ドッシュ,パションス・ミュシェンバック,
   クレマン・ブレッソン,マルタン・ヴェルセ,マリー・ユンク他
 
台風直撃かと思ったら、大阪はたいした雨が降るでもなく通り過ぎそうな気配。
劇場もとりあえずオンラインチケット販売を止めるも毎朝再開して休館は無し。
 
雨の日にはあまり観たくないようなフランス作品。
上映初日、台風の影響で雨が降り出した晩に鑑賞しました。
 
どうでもいいことですが、主演のギヨーム・カネのことをなんとなく調べてみたら、
一時はダイアン・クルーガーと結婚していたことを知らなくてビックリ。
そしてマリオン・コティヤールとの間に子どもがいることを知ってまたビックリ。
 
労働争議の先頭に立ったミシャルは、暴力的な行動に出たせいで逮捕されたばかりか、
暴走するシーンを収めた動画が世に出回ったせいで、白い目で見られるように。
妻エリーズとは離婚、彼女が引き取った一人娘セルマは寄宿学校で父親のことをからかわれて逆上。
あの親にしてこの子と問題視されているのが現状。
 
そんなある日、空から酸性雨が降り出す。この雨を浴びれば体が溶け出して死に至る。
学校に行ったきりのセルマを心配してエリーズは迎えに行こうとするが、車がない。
兄ブリスに電話するも連絡つかず、致し方なくミシャルを頼ることに。
ミシャルの車でエリーズのもとへと向かい、ようやく連絡のついたブリスと合流先を決める。
 
ところが車が故障、3人はほかの避難者らの行列に加わって歩きはじめる。
その途中、はぐれたエリーズが橋から落下、溺れるうちに溶けて亡くなってしまう。
悲嘆するセルマを強引に引っ張り、雨が降り出す前に屋内へ逃げ込みたいミシャル。
 
ミシャルが疲労困憊して倒れたとき、招き入れて介抱してくれたのがデボラ。
彼女は腎臓疾患のある幼い息子ウィリアムとふたりでこの家に住み続けているが、
ミシャルが見たところ、ここもやがて崩れてしまいそうで……。
 
最初の労働争議のシーンは果たして要るのかどうか疑問。
どうやら争議に発展した理由は、ミシャルの同僚で移民女性のカリンが勤務中に怪我をして、
その補償を会社が怠ったためのようだけど、説明が少なすぎて不親切。
そして今ミシャルはカリンと恋仲にあり、この状況下で再会を約束しています。
 
ミシャルの足首には監視装置が取り付けられているけれど、
だから逃げられないわけというでもなくて、この設定の必要性も感じません。
 
ミシャルはとにかくカリンに会いたいから、ブリスのもとへは行こうとしない。
せっかく助けてくれたデボラに食べ物を分けてくれないことに嫌味を言ったりもして、
一見熱い善い男だけれど、普通に嫌な面もいろいろと持ち合わせています。
人間らしいといえば人間らしいし、ギヨーム・カネが演じるとそこまでの嫌悪感は抱かない。
 
こんな感じで場面の必要性にいろいろと疑問を感じますし、
酸性雨の恐怖もハリウッドのディザスタームービーのそれとは違っておとなしい。
しかも「これで終わり!?」というエンディング。
 
労働問題、移民問題、夫婦の問題に親子の問題。病に罹った幼い子。環境汚染。
何も解決しとらんじゃあないか。どうすればいいですか。(^^;

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