夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈は行〉

2008年12月18日 | 映画(は行)
《は》
『バンテージ・ポイント』(原題:Vantage Point)
テロ撲滅の国際サミットがおこなわれるスペインの市街地。
演説中の米大統領が狙撃され、それに続いて爆発が。
シークレット・サービスのトーマスは犯人捜しに奔走する。
地元の刑事、観光客など、居合わせた8人の視点で、
登場人物の「その時間」が明らかにされてゆきます。
トラウマのせいでちょっぴり頼りなげなトーマスが、
犯人を追う過程で心の傷を克服。スリル抜群。

《ひ》
『ヒトラーの贋札』(原題:Die Fälscher)
第二次世界大戦中、英国の経済を混乱させるため、
ナチスドイツが大量の精巧な贋札を製造したベルンハルト作戦。
実際にあったその裏話が基。
強制収容所内の秘密工場に集められたユダヤ人技術者たち。
ユダヤ人収容所を描いたものとしては異色で、観て損はなし。

《ふ》
『フィクサー』(原題:Michael Clayton)
大手法律事務所に勤めるマイケルは、
顧客が公にしたくない案件を裏で処理する「もみ消し屋」。
あるとき、農薬会社に対する集団訴訟事件で、
農薬会社側の弁護を担当していた同事務所のアーサーが奇行におよび、
弁護はできないと言い出したことから、
マイケルが事態を収束するよう命じられる。
スカッとする社会派ドラマ。
ジョージ・クルーニーはやっぱりシブイ、カッコイイ。

《へ》
『ベガスの恋に勝つルール』(原題:What Happens in Vegas...)
仕切りたがりが災いして、婚約者にフラれたジョイと、
適当すぎるがゆえに、父親が経営する会社を解雇されたジャック。
傷心の2人はラズベガスで意気投合。
ベロベロに酔っぱらってその場で婚姻届を提出。
酔いがさめて結婚は撤回、大喧嘩して別れようとしたそのとき、
ジョイのコインでジャックが引いたスロットが大当たり。
婚姻を無効にしたいジャックと、婚姻をとりあえず有効にしたいジョイは、
裁判官から、結婚生活を試みてから判決を下すと言われる。
キャメロン・ディアスとアシュトン・カッチャー(デミ・ムーアのツバメ)共演で、
下ネタが多いながらも、安心して観られるラブコメ。

《ほ》
『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』(原題:Dr. Seuss' Horton Hears a Who!)
ある日、ゾウのホートンは、宙を舞うホコリの中から、
人の叫び声が聞こえたような気がして、そのホコリをキャッチ。
ホコリの中には、ダレダーレという国が存在し、
小さな小さな人間たちが暮らしていた。
ダレダーレを守る決意をしたホートンは、
安全な場所までホコリを運ぶ旅に出るのだが……。
ホコリの中に町があるなんて素敵でしょ。心温まるアニメ。

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今年観た映画50音順〈な行〉

2008年12月15日 | 映画(な行)
《な》
『奈緒子』
同名コミックの映画化。
今をときめく三浦春馬&上野樹里共演。
喘息の療養のため、長崎の島を訪れていた少女、奈緒子。
ある日、海で溺れかけたところを、
地元の少年、雄介の父親に助けられるが、
雄介の父親は波にのまれて死んでしまう。
奈緒子は負い目を感じたまま、東京へ。
高校生となった2人は偶然再会。
天才ランナーとして期待される雄介は、
短距離から駅伝に転向したばかり。
雄介の父親の友人だった陸上部の監督は、ふたりの因縁を知り、
奈緒子を夏期合宿のマネージャーとして迎える。
正統派青春スポーツドラマですが、これは雄介の物語。
何故にこのタイトル?

《に》
『252 生存者あり』
直下型地震に見舞われた数日後、超ド級の台風が東京を直撃。
巨大な雹が降り、ビルは倒壊、洪水が都心を襲う。
地下鉄新橋駅構内に閉じ込められた生存者は、
元ハイパーレスキュー隊員の祐司と、
その幼い娘で聴覚障害者のしおり、
研修医、大阪の商売人、韓国人ホステスの5名。
この地下構内で、どのようにして生き延びるのか、救助を求めるのか。
泣きの山場作りすぎやろ!と心の中でツッコミながら、私、号泣。
レスキュー隊が最も似合う男、伊藤英明。
アンタは不死身かっ!

《ぬ》
今年公開作品に、「ぬ」で始まる作品なし。

《ね》
『NEXT ネクスト』(原題:Next)
生まれつき、2分先が見える男、クリス。
しかし、それを誰にも悟られないように生きてきた。
彼の能力に気づいたFBIの捜査官は、
爆破テロを防ごうと、クリスに捜査への協力を依頼するのだが……。
クリスに見えるのは、「自分に関係のあること」の2分先のみなのですが、
ロマンスが絡んで、爆弾テロが自分に関係あることになっちゃいます。
結構いい線行ってるのに、最後はとっても中途半端。
娯楽作らしくスカッと終わればいいものを。
まさか続編なんて勘弁して。

《の》
『ノーカントリー』(原題:No Country for Old Men)
大好きなコーエン兄弟監督作。
麻薬の取引の末に銃撃戦となったらしいテキサスの荒野を
たまたま通りかかったモスは、
死体の傍らに転がっていた200万ドルをつい持ち逃げ。
その結果、邪魔者は迷わず排除する殺人者シガーに追われるはめに。
一方、トミー・リー・ジョーンズ演じる老年の保安官エドは、
モスをなんとか保護しようと行方を捜し始める。
シガー役をハビエル・バルデムが怪演。
人は、奪われたものを取り戻そうとして、余計にものを失う。

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ちょっと、横道。

2008年12月11日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
今年観た映画五十音順の途中ですけれど。

前述の『タイニー・ラブ』
憤りながら書いていてふと気づきました。

障害者との恋愛って、そこに持って行きつつ、
絶対、絡みのシーンがありません。
私はそこを偽善的だと思うのかも。
健常者同士はあれだけ絡ませておいて、
いざ相手が障害者となったらこれかい!って。
障害者相手の絡みのシーンは見せないことが
不文律となっているかのよう。

和久井映見と堤真一共演の月9ドラマ『ピュア』(1996)は、
知的障害のある女性と、ぶっきらぼうな記者の男性が、
次第に心を通わせていくというストーリーでしたが、
恋が成就した瞬間に堤真一が事故死したりして。
しかも、幸せな気持ちに浸って歩いてるときに、
上から物が落ちてきてアタマ直撃みたいな事故だったような覚えが。

殺すなよ。(--;
それでなくても好きやのに、堤真一。
(堤真一についてはこちらをご覧ください。)

お願い、見せられないからって、都合良く死なせるはやめて。
その点、スゴイですよ、『オアシス』(2002)。
話がそれちゃった。(^^;

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今年観た映画50音順〈た行〉

2008年12月11日 | 映画(た行)
《た》
『タイニー・ラブ』(原題:Tip Toes)
今年元旦に観た映画にして、今年の私のワースト作品。
キャロルは同棲相手のスティーヴンに妊娠を告げるが、
スティーヴンは暗い顔。
数日後、スティーヴンの兄に会ってキャロルは驚く。
彼の家族は、スティーヴンを除いて、全員が小人症だったのだ。
遺伝子を心配し、でも、出産する決意をするという、一見感動ドラマですが、
のちに売れっ子となった男優と女優を起用した2003年の作品で、
当時は劇場公開すらしなかったものを今さらDVD化したのがミエミエ。
結局、小人症の兄とゴールインというオチは偽善的。
これをけなすと悪人みたいな気にさせられるのもムカツク~。

《ち》
『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』(原題:Charlie Wilson's War)
ソ連のアフガン侵攻を食い止めるために陰で奔走。
ソ連を退却へと追い込んだ陰の立て役者で、
実在の政治家チャールズ・ウィルソンの物語。
酒と女に目がない彼が、アフガンの実情を知って胸を痛め、
熱い正義感を見せつつも、酒も女も我慢しない姿は、
人間らしくて嘘っぽくない。
硬い題材ながら、チャーリーのハチャメチャぶりや
CIAのはみ出し者の台詞に笑わされる上質のコメディ。

《つ》
『TSUNAMI 津波』(原題:Tsunami: The Aftermath)
今年DVD化された2006年のTV映画。
2004年に起きたスマトラ島沖地震。
大津波の被災者たちへの取材をもとに作られていますが、
ドキュメンタリーではなく、
個性派俳優の迫真の演技を見られるドラマ。

《て》
『デコレーション・デイ 30年目の勲章』(原題:Decoration Day)
これも今年DVD化されたTV映画。1990年の作品。
判事を定年退職したアルバートは、
今は疎遠となっている幼なじみのジーが、
30年前の戦争での功績に対して、
政府から授与予定の名誉勲章を拒否していることを知る。
黒人差別がテーマとなっていますが、
人間の思い込みや誤解をどのように解くのかなど、
人生のヒントになりそうな言葉がたくさん。

《と》
『遠くの空に消えた』
田舎に転校してきた都会の少年、亮介。
同級生の女子たちはキャーキャー。
男子たちはそれがおもしろくなくて、
ガキ大将の公平は亮介と大げんか。
しかし、それがきっかけで、公平と亮介は仲良くなる。
ある日、2人はUFOを待っているという少女ヒハルと出逢い、
彼女の話に乗って、3人の秘密基地を作る。
一方、空港建設計画の責任者である亮介の父親は、
住民の反対の中、強引に計画を推し進めようとする。
麦畑に誘われる郷愁。小学生の頃が懐かしく。

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2008年12月08日 | 映画(さ行)
《さ》
『さよなら。いつかわかること』(原題:Grace is Gone)
ホームセンターで店長を務めるスタンリーに、
イラクへ出征中の妻の戦死が知らされる。
12歳と8歳の娘に、それを伝えられずにいるスタンリーは、
とりあえず娘たちを車に乗せると、遊園地へ向かうことに。
新人監督の作品で、音楽はクリント・イーストウッドが担当。
戦闘シーンは一秒たりとも出て来ない、
静かな静かな究極の反戦映画。

《し》
『幸せになるための27のドレス』(原題:27 Dresses)
友人知人の花嫁付添い人を積極的に引き受けるうち、
花嫁付添い人回数27回となったジェーン。
想いを寄せる上司は、ジェーンのわがままな妹に一目惚れ。
妹の花嫁付添い人を務めることになってしまう。
お人好しのジェーンに目を付けたジャーナリストが、
結婚式の内幕をネタにしようとする。
『プラダを着た悪魔』(2006)のスタッフという触れ込みですが、
如何せん、『プラダ~』が傑作すぎて、比べると本作はショボン。
でも憎めない作品。

《す》
『Sweet Rain 死神の精度』
死ぬことが決定している人間のもとに現れて、
決定どおり死なすか、決定を覆してでも生かすかを見極める死神。
今回、彼が見極めるのは、電器メーカーの苦情処理係、一恵。
決定どおり死なせるつもりだったが、
彼女が類いまれなる声の持ち主であることを知る。
死神が何十年間かに見極める人間が、一恵を含んで3名。
オムニバス風の構成で、最後に「なるほど」。

《せ》
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(原題:There Will Be Blood)
原作は1927年に発表されたアプトン・シンクレアの小説『石油!』。
石油で一攫千金を夢みるダニエルは、
油田が埋まっているとの情報を得た土地に向かう。
土地の買い占めを図るが、
牧師として住民の信頼を集める若者が、
ダニエルの思惑を知って、金を要求する。
アメリカンドリームを成し遂げた男の賢さ、ずるさ、悲しさ、虚しさ。
こんな骨太映画がディズニー配給であることに驚きました。

《そ》
『それでも生きる子供たちへ』(原題:All the Invisible Children)
「世界中の子供たちの窮状を救おう」という呼びかけのもと、
賛同した名匠たちによって撮られた8作品。
ゲリラ部隊の一員として戦闘に加わる少年、
HIV感染者の両親を持つ少女、
廃品を集めて小銭を稼ぐ兄弟、などなど。
アクション映画の巨匠ジョン・ウー監督には泣かされます。
貧しい老人に拾われて育った心優しき少女と、
裕福な家庭で愛を受けずに育った少女を巡る運命。
これで泣かずして何とする。

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