(3)
ノクターン嬰ハ短調 私はノクターンが好きで、クラシック音楽を聞き始めた頃から、ルービンシュタインの「ノクターン全集」を良く聴いていました。
しかし、この嬰ハ短調の曲は入っていませんでした。ある日、FM放送のクラシックリクエストで、人気曲の1位となっていることを知り、
アシュケナージのCDを購入し、さらに人気の源になった映画「戦場のピアニスト」のレンタルDVDを見、サウンドトラック盤のCDも購入しました。
このことについて詳しくは、「
めいすいの音楽随想・・・戦場のピアニスト」をご覧下さい。
ちなみに、「みんなのショパン」のホームページには、「あなたの好きなショパンの曲を当てます」というコーナーがあって、試みたところ、
私の好きな曲は「ノクターン嬰ハ短調」と出ました。当たらずとも遠からず・・・。
演奏は、第15回(2005年)のショパンコンクール4位入賞の山本貴志さん。
ポーランドのショパン音楽アカデミーで学び、主席で卒業しているとのことです。
彼は「ポーランド語を話し、ポーランドの食事をし、生活するうちにショパンを理解できるようになる」と語っていました。
山本貴司さんは、情感のこもった熱演で、この曲の素晴らしさを改めて知ることの出来る演奏をしてくれました。
(4)
英雄ポロネーズ この番組の「私の好きなショパン」の投票で1位だったのは「英雄ポロネーズ」でした。
祖国ポーランドを思うショパンの強い気持ちが表現されている曲です。
ポロネーズは、当初宮廷内の儀式の際、行列の行進曲として演奏されていたのが、やがて舞曲となったようです。
民俗舞曲のマズルカに比べると骨太で規模が大きい。
シューマンはショパンを「
花の影にかくれた大砲」といいましたが、この曲はまさに、この表現にぴったりといえるでしょう。
「英雄」という名にふさわしい壮麗な曲だと思います。この曲もアルゲリッチの演奏するCDで良く聴きました。
演奏は、第15回(2005年)のショパンコンクール優勝のラファウ・ブレハッチ。この人を見るのは初めて。
ホーランド人でショパンによく似ています。ショパン・コンクールの時も似ていると話題になったらしい。
演奏は気負いのないオーソドックスなもの。ただ私には優等生すぎて面白味に欠けているように思えました。
(5)
幻想即興曲 「私の好きなショパン」の投票では3位。ショパンの曲として、あまりにもポピュラー、特に中間部の曲想は甘美で魅力的です。
しかし、どうしたことか、この楽譜はショパンの生前には発表されず、楽譜ばさみの中から発見されたということです。
演奏は仲道郁代さんでした。
でも、この番組のハイライトは「先生のショパンをもう一度聴きたい」というコーナー。
時代をさかのぼること昭和25年。 戦争の爪痕の残る兵庫県尼崎市、当時、テレビは存在せず、
日本のどの地域もラジオさえ無い家があったほど。クラシック音楽など、ほとんど聞く機会は無かったはずです。
織部得三郎(75歳)が中学3年生だった時に、新任の音楽教師の樋口昭子さんが赴任して来ます。
そしてピアノで演奏したのがショパンの「幻想即興曲」。
戦時中はピアノを弾いていると非国民といわれたそうですから、ピアノを弾ける人もほとんどいなかっだでしょう。
その時 、織部さん達は「天使の奏でる音楽」と思ったに違いありません。まさに衝撃的な出来事だったでしょう。
その後、織部さん達は何度も樋口先生に「何か弾いて」と頼み、ショパンの曲などを弾いてもらったとのことです。
織部さんは当時、自身が胸を病み、病弱で、ショパンのようだったことも強く印象に残ったとのこと。
しかし卒業後は、先生のピアノ曲を聴いていないので、あの「幻想即興曲」を60年ぶりに聞きたい!
驚いたことに樋口先生は現在、82歳。70歳くらいまではピアノを教えていたらしいのだけれど、織部さんのため、
そしてこの番組のために演奏するということです。「私はせつながりやなのでショパンに気持ちがつながる、キュンと来る」と。
弾き始めて2度びっくり! しっかりとした美しい音の演奏をしてくれました。
やはり、こうした時代背景や出来事のある中で聴く、演奏は熱い気持ちにさせてくれます。
仲道郁代さんの演奏も良かったですが、感銘を強く受けたのは樋口先生の演奏でした。
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