wowow 2020.7.11
オペラ「西部の女」は1910年、プッチーニがメトロボリタンオペラから委託を受け作曲した。後の映画での西部劇に大きな影響を与えたといわれる。舞台は19世紀半ば:ゴールドラッシュに沸くカリフォルニア、酒場「ポルカ」に咲いた運命の恋である。
「蝶々夫人」(長崎)、「トゥーランドット」(北京)と共にプッチーニのご当地三部作である。
指揮:メトロポリタン歌劇場管弦楽団 指揮 マルコ・アルミリアート
演出:ジャンカルロ・デル・モナコ
出演:
エヴァ=マリア・ヴェストブルック・・・ミニー
ヨナス・カウフマン・・・ディック・ジョンソン
ジェリコ・ルチッチ・・・ジャック・ランス
他
上映時間:3時間
MET上演日:2018年10月27日
言語:イタリア語
第1幕 酒場「ポルカ」
山裾にあるミニーの経営する酒場「ポルカ」は 鉱夫たちで賑わっている。
流し歌いジェイクが「お袋は俺が帰らなかったらどうするだろうか」と歌い。故郷を懐かしむ。鉱夫達の中には、カードの賭けを行うものもいる。
酒場のマドンナでもあるミニーは鉱夫たちに聖書を読んで聞かせる。
保安官のランスはミニーを口説こうとするが、彼女は相手にしない。そこにジョンソンが入ってくる。ミニーは昔、出会ったことを思い出し、二人はすぐに意気投合し、ミニーはジョンソンに家へ来るように誘う。
第二幕 ミニーの家
ミニーが召使いのウォークルに「二人分の食事を用意して。掃除もお願いね。」と頼みむ。そこにジョンソンがやってくる。
夜、二人は彼女の家で抱き合う。ミニーにとっては初めてのキス。そこに誰かが来るのでジョンソンは隠れる。入ってきたのはランス。彼はジョンソンが本当は盗賊団の首領ラメレスであることを告げる。ランスが去った後、二人は諍いとなりジョンソンは出て行く。 しかしジョンソンは雪の降りしきる中、銃で撃たれ、家に戻ってくる。ミニーは彼を屋根裏にかくまう。ランスが再びミニーの家を訪れ、ジョンソンの存在に気がつく。ミニーはランスに「ポーカーで私が勝ったら彼は私のもの。私が負けたら私はあなたのもの」と勝負を求める。ランスは求めに応じる。彼女はいかさまをしながら、ポーカーに勝ち、負けれたランスは外に出て行く。
第3幕 カリフォルニアの大森林(本作では町中)
結局ジョンソンは山中で男達に捉えられ、死刑に処せられることになる。
ジョンソンはアリア「やがて来る自由の日」を歌う。そこにミニーが馬で駆けつけ、彼の命乞いを男達に懇願する。長年ミニーに世話になった男達は彼女の言葉に心を打たれ、ジョンソンを彼女に与えることにする。そして二人は新しい土地へと旅立って行く。
(感想)
やはり「キング・オブ・テノール」のJ・カウフマンが熱唱が素晴らしい。
容姿を初めてとして、声、演技、どれを取ってもスーパースターであり、期待に十分応えてくれました。
また、現代を代表するドラマティック・ソプラノ E=M・ヴェストブルックはタイトルロールとして、縦横無尽の活躍でした。男達への聖書を読み聞かせやジョンソンの命ごいのシーンにも説得力がありました。
歌役者ジェリコ・ルチッチも鉱山の町を取り仕切る保安官ランス役を手堅くまとめました。
これら3人の優れたキャストによって、プッチーニのオベラの「ご当地三部作」の中では、影の薄い「西部の娘」をもり立てました。
このオペラをとても楽しく興味を持って、見ることが出来ました。