めいすいの写真日記

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プッチーニ「トスカ」

2020-02-26 | オペラ・バレエ

   メトロポリタンオペラ(MET)2017年~2018年 新演出 
 WOWOW放送2019年12月9日  上演日2018年1月27日

 プッチーニ作曲のオペラ「トスカ」の時代は1800年6月17日~18日である。ナポレオン軍がマレンゴの戦いに辛くも勝利し、イタリアに二度目の侵攻をする。オーストラリア軍は敗れ、対仏大同盟は消滅する。

「トスカ」は、この時のローマを舞台にしており、第1幕の聖アンドレア・デラ・ヴァッレ教会、第二幕のファルナーゼ宮殿、第3幕の聖アンジェロ城は、いずれもプッチーニが現存する建物を指定している。

 情熱・嘘・復讐が物語を織り成す、プッチーニのオペラ全12作の中で“最もドラマティック”と評される作品である。
 人気歌手のトスカ、その恋人で反体制派の画家カヴァラドッシ、トスカに欲望を抱き恐怖政治を行う王党派の警視総監のスカルピア、3人に待ち受ける衝撃的な運命とストーリー展開は刺激的である。
 
 今回の新演出は、特に美術の  J.マクファーレンにより、舞台となるローマの名所を忠実に再現し、壮麗なプロダクションとなっている。まさに、1800年のローマにタイムスリップしたかのように感じられる。また、ゴージャス衣装など美術も細部までこだわっていて素晴らしい。

【指揮】エマニュエル・ヴィヨーム メトロポリタン管弦楽団・合唱団
【合唱指揮】D.パランボ
【演出】 デイヴィッド・マクヴィカー
【美術・衣装】J.マクファーレン

トスカ/【ソプラノ】・・・ソニア・ヨンチェヴァ
カヴァラドッシ/【テノール】・・・ヴィットーリオ・グリゴーロ
警視総監スカルピア/【バリトン】・・・ジェリコ・ルチッチ

 
第1幕 聖アンドレア・デラ・ヴァッレ教会

 脱獄した政治犯が教会に隠れこむ、そこに聖女の絵を描く画家カラヴァドッシが現れ
 アリア「妙なる調和」を歌う。

  トスカが現れ、カラヴァドッシと今夜の約束をする。政治犯と画家はともに去り、そこにスカルピアが現れる。スカルピアはカラヴァドッシと政治犯の関係を察し、トスカを利用しようとする。

 マレンゴの戦いでナポレオンが敗れたという誤報が入り、教会内では戦勝記念として賛歌「テ・デウム」が荘厳な響きの中で歌われる。同時にスカルピアのアリア「行けトスカ」も歌われて、大きな盛り上がりを見せる。   

第二幕 ファルナーゼ宮殿

   スカルビアはカラヴァドッシを呼び寄せて尋問する。その時に聞こえてくるのがトスカの声も入った戦勝記念のカンタータである。しかし、カラヴァドッシは口を割らない。トスカが呼ばれてくる。カラヴァドッシは拷問室に連れて行かれ、拷問にかけられる。そのむごい様子をトスカに見せ、トスカに恋人の命と引き替えに貞操を献げるように迫る。
 この時、ナポレオンが勝ったという正しい知らせが届き、カラヴァドッシは一人喜ぶのだが・・・。

 トスカはアリア「歌に生き、愛に生き」で苦しい胸の内を歌い上げる。

トスカは思いあまって警視総監を刺し殺してしまう。

第3幕  聖アンジェロ城

 少年達の羊飼いの歌が聞こえてくる。そして夜明けを告げる鐘の音も。カヴァラドッシはアリア「星は光りぬ」でトスカとの愛の日々を歌い上げる。
 しかし、トスカの必死の行動もむなしく恋人は夜明けとともに処刑される。
だまされたことを知ったトスカはテヴェレ川に身を投げる。


 人気沸騰中のソニア・ヨンチェヴァとヴィットーリオ・グリゴーロが、運命の恋人たちを情熱的に演唱しており感動的である。また、オペラの「華」ともいえる合唱も各幕ごと効果的に演奏されている。
  METならではの出来映えであり、「トスカ」のこれ以上の演出は、今後、なかなか望めないのではないか。 

  なお、今年2020年4月11日、METでは同じコンストラクションで、トスカ・・・アンナ・ネトレプコ、カラヴァドッシ・・・ブライアン・ジェイド(アメリカ出身の若きテノール)で公演を行うようである。さて、こちらの出来映えはどうなるだろうか。



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