マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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惣谷山の神

2009年12月02日 07時34分07秒 | 五條市へ
五條市に併合された旧大塔村の惣谷。

宇井から舟の川を遡っていくと山林が広がる山々に囲まれた急峻な土地に家々が建っている。

集落から急坂を登り詰めた山地に造祠遷座された山の神さんを祀っている。

霜月の七日、毎年11月7日は山の神さんのお参り。



数年前までは12月に行っていたが、冬の寒さが厳しく年寄りばかりなったことから一ヶ月も早められた。

急坂を登って集まった村の人は15人。

宮役さんは山の神さんにモチと季節の果物を供えて祭礼の挨拶をする。

代表の区長さんは山の神祠の前に立ち祈る。

祈りは短いが心を込めて山仕事の無事を祈る。

それが終わったらお楽しみのゴクマキ。



精一杯手を伸ばしてモチを手に入れる。

すり抜けたモチは山の斜面を転がっていった。

遷座記念に書かれた村の人の名。

10年目は8人もおらんようになった。

次の10年は数人になっとるんとちゃうかと笑った。

かっての山の神さん参りは午後から親方の家に集まり、ごっつおが出てよばれたという。

村人は折りを手に持っていった。

三段重ねのモチ、お酒一升、塩サバに仕出し屋から頼んだ膳が出て振る舞われたという。

親方は山を買って売る素材屋の山師。

山仕事は材を切り出す職人、運搬、製材などの分業と共同作業で成り立っていたそうだ。

(H21.11. 7 Kiss Digtal N撮影)

東阿田八幡宮の七つ御膳

2009年11月07日 06時27分30秒 | 五條市へ
東阿田八幡宮の秋祭りでは七つ御膳が供えられる。

八幡宮の屋根の上に並べられた御膳はずり落ちることもなく自然体で座ったように見える。

里芋の頭に長い竹串。一本ずつ、柚、餅、栗、柿、インゲン豆(カチ豆とも)、茄子がある。

餅はともかく秋の味覚をとり揃えた七種である。

土台は藁を編み、麻ひもで括った輪っかだ。



この形態は県内数カ所で散見されるお供えによく似ている。

蜜柑、串柿、金柑、落花生、栗、大根を挿す天理市荒蒔町的場大明神の「将軍さん」の「串膳」。

中心は藁棒の心棒となるがほとんど同じ形態だ。

また、土台の藁輪が似ていた天理市上仁興町「七草元座講」の「ダイワ」(大輪)と呼ばれる飾り物がある。

橙、蜜柑、栗、昆布、ところ芋を枝にぶら下げる。

現在、「ダイワ」の名称となった土台は作っていない。

隣村の天理市苣原町でもかつて「ケイチン」に供えられる「ダイワ」があった。

藁輪の土台に蜜柑、つるし柿、栗を竹の串に挿したという。

このように竹串を土台に挿すのは奈良市池田町熊野神社の当家の御膳といって「秋祭り」の御供神饌がある。

土台は茗荷の葉と茎で異なる形式だが竹串に挿すのは昆布、栗、茗荷の花、石榴、柿、梨、茄子、里芋の七種。

それらが五品ずつと本数が極めて多いのが特徴である。

藁輪はないものの、天理市海知町の「シンカン祭」に「七色御供」がある。

里芋を半切りにして七本串を挿す。

東阿田と同じように蜜柑、柿、梨、栗、棗、茗荷、桃を天頂に挿す。

隣町の奈良市下山町八坂神社の「当家祭」の御供は五色の幣に茗荷を挿す。

桜井市談山神社の祭礼である「嘉吉祭」の「百味の御食」も天頂挿し。

このように一本串の天頂に挿すのはどういう意味があるのだろうか。

単なる飾りもの、それとも見映え。いやさて先が尖っていたら危険と考え、止めとして挿したのだろうか。

凡人には想像がつかない。

(H21.10.12 Kiss Digtal N撮影)

東阿田のお仮屋

2008年11月29日 08時09分03秒 | 五條市へ
一週間前に建てられた五條市東阿田のお仮屋。

年初に当屋さんに聞いていた八幡神社の分霊を祀るお仮屋ができていた。

庭が狭くて道路とフェンスの間しかない。

あまりにも道路が近いので、さてどうするかと迷っておられたがこの場所しかないと建てられたそうだ。

道行く人から尋ねられることが度々ありますとおっしゃる奥さん。

神聖な神さんを祀っているのですといえば、手を合わせられるんですよと、笑顔で今日から「神さんにおます」と話す。

見ればサツマイモとミカンが供えられている。

これなら一日中供えてもカラスは食べないんですけど、最近は鉄泥棒が多いので燈籠は屋内に仕舞い込んでいるという。

えらい時代になったもので、当屋も対応に苦慮していますとおっしゃった。

(H20.10. 5 Kiss Digtal N撮影)

惣谷山の神さん

2008年09月11日 06時58分01秒 | 五條市へ
五條市に併合された旧大塔村の惣谷。

宇井から舟の川を遡っていくと山林が広がる山々に囲まれた急峻な土地に家々が建っている。

集落から急坂を登り詰めたところにも一軒のお家。

その後方をさらに登ったところに平成10年に遷座された山の神さんが祀られている。

霜月の七日、毎年11月7日は山の神の祭りが行われる。

2年前までは12月に行われていたが、気候も厳しく年寄りばかりなったので一ヶ月早めたそうだ。

朝10時ころに集まり、宮役さんが塩サバ、スルメにモチと季節の果物を山の神さんに供えて山仕事の無事を祈る。

昔は午後から親方の家に集まり、ごっつおが出てよばれたという。

めいめいは折りを手に持っていったそうだ。

三段重ねのモチ、お酒一升、塩サバに仕出し屋から頼んだ膳が出て振る舞われたという。

親方は山を買って売る素材屋の山師。

山仕事には、材を切り出す職人、運搬、製材などグループ分業作業でもあり共同作業で成り立っているとおっしゃる。

山の神さんのお祭り、休日が確保できれば是非訪れたいものだ。

(H20. 8.15 Kiss Digtal N撮影)

五條大野の水生植物

2008年07月25日 07時42分18秒 | 五條市へ
五條市大野に立ち寄った際、ある池を通り過ぎようとしたとき、キラキラ光る白いものが目に入った。

池面にわぁーっと浮かぶ白い花群れ。

水面下にはモが見られる。

周りにはジュンサイやヒシも一緒に水生植物がびっしり詰まっている。

農家の方にお願いして観察用に採取していただきもらいました。

白い花はたしかにモの花だった。

やまちゃん先生に確認してもらった結果、オオカナダモでした。

(H20. 6.30 Kiss Digtal N撮影)

五條をお勉強

2008年05月05日 03時59分42秒 | 五條市へ
いい日よりなので五條市文化博物館に拝観。

K学芸員は風邪でお休みでお会いできず。

企画展が見もので、鬼走りの鬼面現物(昔使ってたもの)や惣谷狂言に篠原踊りの衣装がずらり。

写真もいっぱいあってあれやこれや見ていたら、なんと、なんと。

ビンカメ2さんの作品が並んでいる。

惣谷狂言は昔、神社鳥居の前でゴザ敷いてやっていたとおっしゃってたものが確認できた。

雪が積もった上で演目上演は今では見られない景観。

篠原踊り、吉祥草寺の左義長、長谷寺のだだ押しに弓手原のオコナイ。

また、大昔にやっていたという安生寺の追儺会面を説明するため興福寺の追儺会まで。

ゆったりとした見学で、いい勉強になりました。

(H20. 3.25 SB912SH撮影)

山の神祭り

2008年03月09日 08時17分49秒 | 五條市へ
霜月の七日、毎年11月7日は山の神の祭りが行われる。

惣谷集落から山へ登った頂上付近に山の神の祠が祀られているという。

当日のお供えは塩サバ、スルメにモチと季節の果物。

村の人のすべてが朝10時ころに集まる。

昔は午後から親方の家に集まり、ごっつおが出てよばれたという。

めいめいは折りを手に持っていったそうだ。

三段重ねのモチ、お酒一升、塩サバに仕出し屋から頼んだ膳が出て振る舞われたという。

親方は山を買って売る素材屋の山師。

山仕事には、材を切り出す職人、運搬、製材などグループ分業作業でもあり共同作業で成り立ている。

(H20. 1.25 Kiss Digtal N撮影)