マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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往馬神社火祭りヒノゴク作り

2007年11月02日 08時04分31秒 | 生駒市へ
生駒市の往馬坐伊古麻都比古神社火祭りの主役はクライマックスを所作する火取り神事の松明だが、神さんに捧げる重要な神饌がある。

ヒノゴクと呼ばれる特殊な神饌は日の御供とも呼ばれるもので、社務所の前に集まった三人の長老によってひとつひとつ丁寧に作られていく。

主材料はコモグサ。細工しやすいように湯釜に入れて柔らかくする。

ホカケに吊るしたコモグサを一本ずつ綺麗なものを選んで束にして亀の甲の形に編んでいく。

頭、四本の足はコモグサを輪にようにして編んで模る。

五つ(ひとつは予備)作られた亀の造形物はヒノゴクの土台になる。

この上にカワラケ皿を置いて、四隅には竹串を挿して二つ割のブリキ筒枠を支え安定させる。

そして、米を1/5混ぜたモチ米を蒸した蒸飯を筒の中に少しずつ入れていく。

蒸飯が満杯になると周りを下から一本ずつコモグサを巻きつけて編んでいく。

上まで編むと筒をそろりと抜き取る。

円柱状になった蒸飯をヒノゴク膳に載せて、息がかかってはならぬと上からサトイモの大きな葉を被せはみ出たコモグサを調整してできあがる。

最後に亀の頭の部分に柳の木で作った箸を挿して完成する。

出来上がった神饌のヒノゴク四つを前日に作られた大御幣、火松明と共に床の間に飾られる

(H19.10. 5 Kiss Digtal N撮影)

往馬神社火祭り松明作り

2007年10月31日 09時03分27秒 | 生駒市へ
往馬坐伊古麻都比古神社の大祭である火祭りに欠かせない大松明はクライマックスを所作する火取り神事に用いられる重要な松明。

禊ぎを終えた神職に交えて南地区九カ大字、北地区九カ大字の宮座総代の代表者らが社務所に集まる。

どーんと並べられた大御幣は座敷を占領しそうなくらい長いもの。

座敷にシートを広げて白く輝く麻殻の束にサラシで巻いた藁縄を揃える。

白衣を着た火松明人は大字総代役員らの前で手際よく火松明を作っていく。

火松明は長さを一定にして麻殻を切断しひとかかえする太い束。

藁縄で括った火松明は重いもので2基作られる。

2基の火松明は競争となる火取り神事に用いられるので長さ、重さを同じものにしなければならない。

火取り者が松明を担いで駆け下りる競争神事は勇壮な祭事で多くの観光客が訪れる。

一方、神職らは神事で用いられる紅白の御幣を丹念に作られていく。

宵宮で使われるヨミヤ松明ができあがるころは静かな夜を迎えていく。

(H19.10. 4 Kiss Digtal N撮影)