マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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天理市山田町・中山田の天を突く白い花に桜樹・伝えたい暮らし民俗譚

2024年12月21日 07時52分37秒 | 天理市へ
天理市の山田町。

下山田の次は中山田に向かう。

田植えじまいに、おばあさんがこしらえたふきだわらを、カワヤナギの又にひっかける。

幣をさしたカワヤナギを畦に立てて、豊作を願う


90歳近くのおばあさんが、生きている間に撮ってや、とお願いされたコロナ元年。

その映像は、「私がとらえた大和の民俗」テーマの一コマに記録した。

中山町では、下山田も同様の習俗が行われていたが、数年前にすべてが消えた植え初め。

足しげく通って旧来の農村のあり方を記録してきたが・・・今はもう見ることはない。

母親の姿を撮ってもらって、こんなに嬉しいことはない、と喜んでくれた娘さん。・・。



別れに見た白い花が、天を突くように咲いていた。

すぐ近くの蔵輪寺に咲いていた大きな桜樹。



これもまた天を仰ぐ。

下山田に住むSさん。

かつてはブトクスベをしていた、という。

腰のバンド止めの輪に棒を挿して入れて固定。

その格好で田植えをしていた。

そのブトクスベの映像も「私がとらえた大和の民俗」写真展の図録に取り上げたからこそ、思いだされたSさん。

雨の降る日は、柿の葉をブトクスベに巻き付け、藁やブトクスベの綿布が濡れないようにしていたそうだ。

ふきだわらつくりをしてくださった中山田のおばあさんの娘。

K・Tさんも話してくれたかつての暮らしの民俗。

ともに暮らしていた母親がしていた民俗の一つに十五夜さんがあった。

十五夜の月見に、母親は外に水を入れた容器を置いた。

水溜めに月の姿が映るように・・・

まるで水鏡のようになった水をもって顔を洗っていた。

この話題も、図録「私がとらえた大和の民俗⑩」を献本した数々の民俗の中から、目をとめてくださった十五夜の芋たばり。

共通する民俗体験に図録の1頁が役立った。

頭の片隅に残っていた古い記憶を呼び覚ました記録映像をきっかけに、さまざまな民俗のあり方に関心をしめしてくださったことに感謝、感謝である。



帰りに喉が渇いたら呑んでね、といただいた缶コーヒーが温かい。

(R4. 4. 9 SB805SH 撮影)


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