マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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角柄の旧暦閏年の庚申塔婆・ゴクダイ

2018年11月17日 08時41分09秒 | 桜井市へ
県内各地の旧暦閏年の庚申行事、或いは痕跡などを探してきた。

今年は8月1日に拝見した桜井市箸中の車谷垣内の記念碑になった庚申塔婆で〆るはずだった。

それから1カ月後の9月1日。

宇陀市榛原萩原の小鹿野で行われる行事取材を目的に車を走らせていた。

走る大街道の両脇にある村が気になる。

特に気になるのは宇陀市榛原の角柄(つのがら)である。

通り抜ける際には必ずと云っていいほど左側に建つ地蔵石仏に視線を向ける。

その右端にあるのは祠内の庚申さんだ。

坂道を登っていくが、駆け足のアクセルは踏まない。

左にある庚申さんに目をやれば、あったー、である。



何年ぶりであろうか。

データを繰ってみれば見つかった。

5年前の平成24年の4月14日である。

通りがかった際に、これは何だと、思って撮っておいた。

葉付きの杉の木塔婆は真新しい。

その日か、それ以前であるのか断定できなかった。

集落を訪ねて講中を探してみたが見つからなかった。

榛原の小鹿野は7月初めに講行事をされた。

それ以降にすることもないだろうと思っていたし、榛原方面に向かうこともなかった。

杉の葉の枯れ具合から判断して1カ月前。

7月2日以降にされたと思うのである。

行事をされてから1カ月も経っているが、塔婆の願文は明確に判読できた。

5年前に拝見した願文ははじめに五文字の梵字。

続いて「為青面金剛童子講中家内安全五穀成就息災延命年諸障願愛慈護念」。

今年の願文もはじめに五文字の梵字であるが、本来書くべき箇所の5段削りに書かずに「梵梵梵梵梵 □□□ 為青面金剛童子講中家内安全災延命無障十落愛愍護念」。

5年前の判読が間違っていた可能性もあるし、興味深いのは5年前の塔婆は本来書くべき箇所の段削りがなかったことだ。

ヤド家が書き込む塔婆ツキ。

若干の違いがみられたが、どちらが正しいとはいえないだろう。

ある地域においても変化している事象があることから、前回の塔婆を見本にしているか、或いは原書をもって写しているかの違いであると思う。

ちなみに現在の塔婆は杉の材であるが、かつては桧材だったと話していたのは宇陀市榛原柳のT区長だったことを付記しておく。

角柄の状況を拝見し、すぐ近くの桜井市の吉隠も調べてみたが、何ら変わらず何年か前に立てたときと同じであった。

榛原の篠楽極楽寺垣内も同じく、変化がない。

講中は解散したと思われるのだが・・・。

5年前のH24. 4.14 EOS40D撮影の塔婆とゴクダイを比較する。



違いがわかるだろうか。

(H29. 9. 1 EOS40D撮影)


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