マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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藺生町葛神社初午祭

2010年04月07日 07時19分18秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
奈良市藺生町の葛神社の祭礼には禰宜と呼ばれる村神主さん、3人の総代と3人の一年神主になる社守、さらに上、中、並松(なんまつ)の3垣内の組頭と区長によって営まれている。

今日の祭礼は初午祭と呼ばれるが、その一年神主の社守の交代式でもあり、引き渡しを兼ねて前年の社守も参列する。

昨年の11月、新社守はそれぞれの垣内で選ばれた人。

フリアゲやコヨリの籤で採択された。

都祁水分神社の宮司を迎えて始まった儀式は村神主とともに新社守へ神事の作法を教えることから始まる。

白衣を着た新社守は神妙な表情で作法を聞いている。

宮司が作法に間違いがないかどうか旧社守に尋ねて頷けば引き渡しが終了した合図なのであろう。

拝殿には3人の楽人がスタンバイしている。

そして一同は手水で手を清めて拝殿に登壇していった。

村の楽人が楽奏する笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、大太鼓の音色とともに参列した。神事は宮司一拝、修祓、開扉、献饌など楽人が奏でるなか厳かに進められる。

大きな御幣も奉られる献幣のあと、斎主は新社守が一年間を無事に勤めあげられるよう祝詞を奏上する。



そのあとは玉串奉奠。

村神主から渡された玉串を受け取って捧げる3人の新社守。

旧社守もあとに続く玉串奉奠は総代らも同じように三つの地区の3人が揃って拝礼される。

撤饌、撤幣、閉扉と一連の神事を終えた一同は胸をなで下ろすような表情で社務所に戻った。

今日から一年間、神社の祭礼を担っていく新社守。

旧社守は「これでようやく役目を終えた。

祭礼に慣れて覚えたころが終わりかと思うと、もう少しはしてみたい気持ちも残っていて妙なものだと」と仰る。

直会のおつまみは神饌のお下がりのカマボコと海苔にジャコだ。

お神酒とともによばれるが甘酒も振る舞われ当屋はそれを配る。

甘酒は初午祭と宵宮だけにさしだされる。

大鍋の蓋を開けると部屋中に甘い香りが漂った。

まったりとした味は今までに味わったことがない美味しさである。

(H22. 3. 7 EOS40D撮影)


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