マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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富本の屋根付き藁積みの名称は全体がススキ、屋根がチョッポ

2024年11月16日 07時31分54秒 | 民俗あれこれ(干す編)
一昨日、今日にも拝見した藁積み。

お家の東側に、かんでん川の西寄りに、据えた藁積みは屋根の形がある家型藁積みの名前は・・

訪問した当主のAさんがいうには、ここらは、本来、心棒を立て、その周りに藁を重ねて、高く、高く積み揚げた藁積みをススキと呼んでいた。

では、その屋根付き家型の藁積みは、と聞けば、なんと「全体をススキと呼び、屋根の部分は“チョッポ”」と、話してくれた。

そのチョッポの呼び名は、私が住まいする大和郡山市の農村田園地と同じだった。

元総代の農家さんが、同様に、“チョッポ”と、呼んでいた。

ようやく見えてきた屋根の形がある家型藁積みの呼び名に、ここ富本に出逢った。

佇んでいると、どこか懐かしさに触れる。

ここだけの景観が嬉しい田原本町・富本(とんもと)の地。

辺りを見渡した、ここは、どこを見ても旧家の人たちが営む集落地。

その近くに広がる田園地。



柑橘の樹に稔りがいっぱい。

その脇にも“チョッポ”がある家型のススキが見られる。



少し引いてみれば、鉄筋コンクリートの橋脚に建つ京奈和道路の一部。

静かに佇む集落に、騒音は届かない東南部の景色。

ふと、振り返り見れば、ごっそり積んだ“チョッポ”のある家型のススキ。

秋の収穫に積んだ藁積みも、風雨さらしの自然まかせの屋外。

あれから3カ月も経つ。

自然と崩れる藁積み。

ちょっと、ちょっと切り崩して、使う本数の藁を抜く。

使う場所はばらばら。

例えば、よく見かけるいんげん豆を育てる際に、蔓を誘導し、真上に伸びるように支柱に藁括り。

ごそっと使う栽培地に敷く、例えば霜よけもあるが・・

土壌の浸食防止、水分の蒸散、地温度などの土壌管理


肥料の流出防止もあれば、繁殖する雑草の防止も。

利用地は、畑もあるが、住まいする田園地帯に栽培している無花果栽培地。

圧倒的に多い用途は無花果の幹周りに敷く藁敷き用途


数年前までは、藁積みチョッポの数は多く見られてきたが、最近は家型が崩れ、かまぼこやドームのような形が増えつつある。



いろんな形、いろんな用途に、藁のすべてが農作業に役立っているんだよな。

(R4. 1.15 EOS7D 撮影)


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