マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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春日のゴウシンサン

2017年02月11日 07時06分52秒 | 天理市へ
法貴寺のゴウシンさんを見届けて再び訪れた天理市の庵治町。

昼頃は木之本や出垣内のゴウシンサンを拝見していた。

日暮れの頃に家から持ってきた提灯を吊ってローソクを灯すと聞いていた春日のゴウシンサン。

ここもまた平成26年の7月16日に訪れていたが、行事の在り方は拝見できずじまいだった。

今年こそをと思って再訪した春日は庵治町七垣内のうちの一つ。

この地に氏神さんを祭っている春日大明神がある。

そういう意味もあってか知らないが在所の名が春日なのだ。

「春日安全」の刻印があった大神宮の石塔。

建之したと思われる年代記銘があるものの、刻印が弱く読み取れなかった。

在所の春日は13戸。

それぞれのお家ごとに提灯がある。

それには家紋がある。



一軒、一軒ごとに異なる家紋をずらりと吊られたら壮観に見える。

丸に木の字の紋がある提灯を持つ婦人は大和郡山市の池之内町に嫁入りしたという。

池之内町の行事の幾つかは取材させてもらったことがあるから話は弾む。

その紋様の持ち主は生駒出身のMさん。

この日の「オヤ」を務めるMさんとともに行事のあれこれを話してくださる。

かつては男性もきていたとされる春日のゴウシンサン。

今は婦人たちでいっぱいになる。

老人乳母車でやってくる老婦人は80歳から半ばまで。

元気な声で話される。

提灯に火を灯してお供えを並べた大神宮の石塔にもローソクを灯して導師は前に立つ。

導師は「オヤ」の務め。



雨天の場合は吊るすことなく「オヤ」家で心経をあげる。

この日は雨も降らずに般若心経を一巻唱えた。



「せーら せーら」を三回唱和して終えた春日のゴウシンサンを充てる漢字は郷神さん。

昨年に聞いていた漢字は御申さんだったと思うが・・・。

ちなみに春日に鎮座する春日大明神に毎月の1日は境内を清掃している。

9月に行事があるという。

何年か前までは夕刻のその時間に参っていた。

真夏は終わったが、9月の半ばはやぶ蚊が多い。

境内に蚊が多くお参りどころか、境内でごっつぉを食べるのも難しくなったといって参らんようになった。

お参りはしなくなったが、村の人が集まる場は「オヤ」の家になった。

一同が揃えば「オヤ」の家から春日大明神の方角に向かって拝むという。

それを済ませば「オヤ」家で会食の団欒の場になるという。

そのときにも使っているという祭壇組みは春日大明神の什物だった。

(H28. 7.16 EOS40D撮影)


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