
ルドンの「グラン・ブーケ」(絵葉書)
昨日は雪の中、四女と一緒に三菱一号館美術館で開催中の「ルドン展」を見に行ってきました。
ルドンは1840年ボルドーに生まれ印象派の画家達と同世代ですが、「象徴派」と分類されることもある彼の作風は、私たちに馴染み深い「印象派」のそれとは随分違います。特に若い頃に制作し続けたリトグラフは、交友のあった植物学者クラヴォーの影響を受け、進化論や科学への関心を反映しているとのことで、「一日数時間だけ動物として生きる神秘的な植物」とか「笑う蜘蛛」など、ちょっとグロテスクでどことなくユーモラスな作品が印象的です。
後半生はリトグラフの「黒」と決別し、色彩豊かなパステル画や油絵を制作します。今回の目玉「グラン・ブーケ」は、ブルゴーニュの貴族でルドンのパトロンとなったドムシー男爵の城館を飾る大きな(248.3x162.9cm)装飾画ですが、青を中心にオレンジ・黄・紫・白など色とりどりの花が絶妙なバランスで描かれたこの作品は、明るく美しく、穏やかな幸福感が伝わってきます。
その他「ルドンの周辺」として、ゴーギャン、ベルナール、ムンクなどの作品も展示されていて、ルドンという画家の居た時代の雰囲気が感じ取れるようになっていました。今さら言うのもなんですが、この時代、フランスでは印象派も含め何とも多彩な芸術家が活躍していたんですね~。ため息がでます。なお、「ルドン展」は3月4日までです。
三菱一号館美術館は、去年のトゥールーズ・ロートレック展以来で、今回が二度目ですが、建物の構造が立体感があって上手く出来ている上に、展示方法にも工夫があり、とても心地よく絵画鑑賞ができます。昨日も雪の中大勢の人が来館していましたが、皆さんゆったりと作品を楽しんでいるようでした。日本にもこういう美術館があるのはとても嬉しい、是非また行きたいと思います。
ちなみに、美術鑑賞の後は勿論2人で「お食事会」。今回は新丸ビル内のお寿司屋さん「札幌たる善」でビールと熱燗で北海道産の魚介を中心にした握りを楽しみました。お値段は(ランチとしては)少々高めだけど、とても美味しかったで~す。(三女)
