
我がハクエイ・キムの師匠であるMike Nockへ、持っていた日本で出た彼のLPアルバムを贈り、お礼のメールをいただいてからかなりたちました。日本に行った時は会いましょうなんて関係が出来たので、Mikeのアルバムを見つけると注目してきました。
この古いアルバムは知りませんので、拾ってハクエイに聞きくと、持っているとの事、感想を聴かれましたが良く聴いていないのでそのときは感想言いませんでした。
ここのところ中古を多く買ったのでゆっくり聴いていなかったのです。
秋になってじっくりとと聞くべきアルバムでした。
1993年のピアノソロでちょっと古く、web上の紹介はありますが、初めてであいました。
1曲目ちょっと思い出したのは大好きなガラティのソロアルバム、ピアノの澄んだ音に心が柔らかく和みます。もちろんこちらが古いアルバムでこの経験最近したように思います。(福居良さんのところでした。)
まるで自分のオリジナルのような感じ、イギリスのクラシカルな作曲家サー・ウイリアム・ウオルトンの映画音楽、ローレンス・オリッヴィエ監督、主演の映画「ヘンリー5世」の音楽だそすです。凄い選曲です。
2曲目、途中からの高い音のフレーズだんだんと高まって清流が勢いを増していくような潔さです。
3曲目有名曲“Django”は選曲ちょっとおどろきましたが、J・ルイスもしっかり意識して、とてもJAZZの時の流れを感じさせる演奏、もしかしてノック、セロニアス・モンクが好きなのかと思います。
このアルバム美しいオリジナル曲と特色有る選曲を演奏をしたとても内容の濃いアルバムです。
4曲目、格調も高い感じのあと5曲目ではバッハの曲のような出だしです。
和声を選ぶ、フレーズを描くそのことに全力を投入していることが感じられます。
このピアニスト、まずハーモニーを選び、その上にいかに素敵なフレーズを生み出すかに集中しているように思います。
ハクエイに彼がいった「フレーズが沸くまで弾いてはいけない」ということがいかに大変か伝わってくる演奏です。
6曲目はトラデショナルのようなやさしいテーマの変奏曲、このピアニストがたどってきた演奏は多彩でありますが、音楽的基本がどこにあるかが、うかがわれる演奏です。
8曲目はちょっと雰囲気を変えてスインギーにスタンダードを弾きますが、スイング感が素晴らしい。このような曲はこう弾けなくてはいけない。(ここはハクエイがまだ習得してないかなと思ってしまった。)
ちょっと間奏をいれて10曲目、11曲目とオリジナル。
とてもロマンティックな出だしは、内面の美しさというものがあるのだと証明するような曲、その内面が書かれて送られて来たようです。返事を書かなければいけないような澄んだ気持ちになります。
そして11曲目はもっとやさしい、自分の気持ちを現した“Her”は日本人の奥様のことでしょうか。その気持ち現してくれてありがとうといいたくなる、まるで彼のペンの跡までが見えるようなレターです。
遠くオーストラリアにいる方で、大きな足跡を残すミュージシャンですが、ハクエイを応援していることは私と同じ、とてもフランクなメールも頂いてノックはまるで友のような気持ちになってしまいました。
その人が弾いているこのアルバム、まるで彼方からの手紙のように、ひとつひとつの言葉のようなフレーズが伝わって、素晴らしいアルバムなのです。
Touch / Mike Nock
Mike Nock piano
1. Touch Her Soft Lips And Part
2. The Sibylline Fragrance Of Gardenias
3. Django
4. Unbridled Waltz
5. Sweet Surrender
6. Variations On Pachelbel's Canon
7. Lament
8. Somebody Loves Me
9. Interlude
10. Strata
11. Her
12. Nikosa Sikelela Afrika